龍馬がゆくの「世に生を得るは事をなすにあり」は史実か

このQ&Aのポイント
  • 『龍馬がゆく』の中に、龍馬の座右の銘として「世に生を得るは、事をなすにあり」というのがでてきますが、これは本当に龍馬の座右の銘だったのでしょうか。
  • 司馬遼太郎の小説『龍馬がゆく』の中で引用される「世に生を得るは、事をなすにあり」という言葉は、竜馬の言葉ではなく、作者の創作であると考えられます。
  • 竜馬は「われ死する時は命を天にかえし、高き官にのぼると思いさだめて死をおそるるなかれ」「世に生を得るは、事をなすにあり」という言葉を座右の銘としていたとされています。しかし、これらの言葉は史実かどうかははっきりとは分かっていません。
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『龍馬がゆく』の「世に生を得るは事をなすにあり」は史実か

司馬遼太郎『龍馬がゆく』の中に、 龍馬の座右の銘として「世に生を得るは、事をなすにあり」というのがでてきますが、 これは本当に龍馬の座右の銘だったのでしょうか。 それとも、作者司馬遼太郎の創作であり、 このエピソードとこの言葉は小説として創りあげられたものなのでしょうか。 以下は小説からの引用です。 『竜馬にいわせれば、自分の命にかかずらわっている男にろくな男はないというのである。「われ死する時は命を天にかえし、高き官にのぼると思いさだめて死をおそるるなかれ」と、竜馬はその語録を手帳に書きとめ、自戒の言葉にしている。「世に生を得るは、事をなすにあり」と、竜馬は人生の意義をそのように截断(せつだん)しきっていた。どうせは死ぬ。死生のことを考えず事業のみを考え、たまたまその途中で死がやってくれば事業推進の姿勢のままで死ぬというのが、竜馬の持論であった。』(『竜馬がゆく』(八) 344頁) 

質問者が選んだベストアンサー

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  • v77
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回答No.2

ご質問の言葉は、坂本龍馬の語録だと昔言われていた、『英将秘訣』という史料が元ネタになっています。大正3年に刊行された、千頭清臣『坂本龍馬』という伝記(龍馬研究の基礎的文献です)では確証はないものの、龍馬の語録だろうという説が紹介されています。昔は、龍馬の言葉だと信じられていたようです。 ところが、その後の研究で、『英将秘訣』は龍馬の語録ではないという意見が主張されるようになってきました。例えば歴史家の塩見薫氏は1957年に、「坂本龍馬語録と伝えられる『英将秘訣』について」(『歴史学研究』208号に収録)という論文を発表し、『英将秘訣』は龍馬語録ではなく、平田派国学者グループに属する志士が作ったものだと主張しました。 生前に龍馬研究の第一人者と言われていた平尾道雄氏も塩見薫氏の意見に賛同し、『英将秘訣』は龍馬の語録ではないと述べています(平尾道雄『龍馬のすべて』などを参照)。現在の研究においては、塩見氏や平尾氏の意見が完全に有力視されていて、『英将秘訣』は龍馬の語録ではないとされています。『英将秘訣』は1978年に刊行された『坂本龍馬全集』にも一応収録されていますが、そこでも龍馬の語録ではない旨が明記されています。 司馬遼太郎氏が、『竜馬がゆく』執筆当時に、「『英将秘訣』は龍馬語録ではない」という説をどこまで知っていたか定かではありません。ただ、もしも知っていたのであれば、『英将秘訣』が龍馬の語録ではないと承知していながら、小説を盛り上げるためにあえて龍馬の語録として登場させたということになりますね。

jack182
質問者

お礼

よい回答がえられずに、もうあきらめていましたが、 出典とその信頼性について詳細に説明していただき、 ありがとうございました。 私自身は司馬遼太郎氏の完全な創作なのだろうと思っていました。 龍馬語録ではない可能性が高いとはいえ『英将秘訣』という出典が あることを知ることができてよかったです。 司馬遼太郎氏も、『英将秘訣』を龍馬語録であるとは 思っていなかったのではないでしょうか。 ただ、司馬遼太郎氏のイメージする坂本竜馬に符合するということで 『英将秘訣』を利用したのでしょう。

その他の回答 (1)

noname#19073
noname#19073
回答No.1

私の知識では史実かどうか、何か根拠を持ってお答えする事は出来ません。 しかし一つ言えることは司馬遼太郎さんという作家は私も好きなのですが、他の歴史小説作家と比較した場合に、ストーリーを面白くする為に歴史の曖昧な部分を変に歪曲したりせずに、入念な研究を元に史実として最も信憑性の高い事を優先して書かれる方だと思っております。 そういう推測の観点では、主人公の座右の銘に関するお話については大切な部分であり、史実に則って書かれているのではないかな、とは思います。 想像の域は出ませんが。

jack182
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 ある事柄を史実であるということはできても、逆にある事柄を創作であるという証明は難しいと思います。 史実か創作かというのはなかなか難しい質問なのかもしれません。

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