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オーケストラの指揮者の役割

yamariの回答

  • yamari
  • ベストアンサー率39% (11/28)
回答No.10

他の回答者の皆さんに付け加える形で私なりの指揮者、オーケストラ観を書かせてもらいます。 質問者さんがされているような疑問は多くの人が一度は抱くものだと思います。普通の人にとって身近な指揮者といえば、中学や高校の合唱コンクールの指揮者でしょうか。正直、校内の合唱コンクールくらいならは指揮者なしでも歌えますよね(No.2のymdaさんのような本格的なものは別ですが)。 多くの人はこのような体験から自然と オーケストラ=演奏者 指揮者=リズムをとってあわせる人 という認識が生まれてきてしまっているのかもしれません。だから「本番に指揮者なんか必要なの?」という疑問に発展するのだと思います。 ここでちょっと見方を変えて オーケストラ=楽器 指揮者=演奏者 というようにとらえてみることを提案します。人間の集まりであるオーケストラを演奏者と通常は思ってしまいがちですが、あえてその人間性を排除して音を出すだけの楽器と考えてみましょう。指揮者はオーケストラという楽器を演奏する演奏者です。慣れない方には突飛な発想に思えるかもしれませんが、クラシックの本を読んでいるとしばしば「○○交響楽団という最高の楽器は・・・」などと書いてあるもので、案外よくある見方なんです。 オーケストラという楽器にもいい楽器、悪い楽器があります。正確な音が出ない楽器(楽団員がしょっちゅう間違える)や演奏者のいうことを聞かない楽器(楽団員が自分の演奏に必死で指揮者無視)は悪い楽器です。逆に美しい音色を出す楽器(ウィーンフィルなんかは有名ですね)や演奏者の思う通りにコントロールできる楽器(楽団員が指揮者の指示を汲み取る余裕を持っている)はいい楽器といえます。ピアノやヴァイオリンのいい、悪いと同じですね。先の校内合唱コンクールの合唱団は悪い楽器だったのです。 演奏者にも上手い下手があります。いろいろなオーケストラの演奏を聴いていると、中には音がそろっていなかったり太鼓の音が抜けたりしているものがあります。これは演奏者(=指揮者)側のミスです。ちょうどピアノ、ヴァイオリンのような器楽奏者が音を間違えるのと同じと考えていいかもしれません。もちろん芸術家としての楽曲解釈、曲への味付けは演奏者の役割です。 ということで、オーケストラは楽器なので指揮者という演奏者がいなければ鳴ることはありません。指揮者は本番でオーケストラを演奏しているわけなんですね。指揮者とオーケストラの関係を簡単なモデルに表すとこうなるのだと私は思っています。 ―参考までに― もちろんオーケストラも人間の集まりですので、他の回答者さんのおっしゃるように心の問題なども実際は重要です。指揮者とオーケストラの信頼関係は演奏する上で欠かせないものです。かつては指揮者がオーケストラを支配するという力関係が明確に存在したらしいのですが、最近では指揮者に意見するオーケストラも増えてきているようです。絶対に指揮者はつけないなんていう楽団もあるんですよ。

conejo42
質問者

お礼

なるほど。すごくわかりやすかったです。ありがとうございます。

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