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網目修飾酸化物について
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こんにちは! 以下、個別に説明させていただきます。 <NaO2を加えると融点が下がる> シリカガラスは非常に強力なSi-O共有結合で出来上がっています。しかし、Na2Oなどのアルカリ酸化物を加えると、以下のように非架橋酸素が出来、その分融点(正確には粘性や液相温度)が下がると言われています。 Si-O-Si + Na2O -> 2 Si-O-Na <CaOを加えると化学的耐久性が増す> シリカガラスにCaOを加えただけでは、一般的な化学耐久性は悪化するかと思います(Ca自身が水分や炭酸ガス等と反応しやすいため)。 しかし、例えば「SiO2-Na2OガラスのNa2OをCaOに置換」すると化学耐久性は大幅に向上します。これは、NaよりもCaの方が化学的に安定なためです(これ以外にも複雑な理由が挙げられますが、ここでは割愛します)。 しかも、CaOはNa2O同様、非架橋酸素を作ってSiO2系ガラスの粘性を下げる効果があります(Na2Oよりは弱いですが)。このようなことを考えて組成設計されたガラスが、窓ガラスや自動車用ガラスに使われる「ソーダライム(シリケート)ガラス」です。 <PbOを加えると屈折率が大きくなる> PbやBaのように、イオン半径が大きく価数が小さいイオン(Field Strengthが小さいイオン)は非常に分極しやすく、その結果誘電率や屈折率を大きくします。 <B2O3を加えると膨張率が下がる> ※まず最初に、B2O3は修飾酸化物ではなく、ガラス形成酸化物です。 これもおそらくシリカガラスに加えた場合ではなく、「SiO2-Na2OガラスのSiO2をB2O3に置換」した場合のことではないかと思います。このガラスはNa2Oによって形成された、結合の弱い非架橋酸素部分が熱振動の影響を受けやすく、そのため高膨張率となります。ここでSiO2をB2O3に置換すると、Bはこのガラス中で[BO4]という構造を取るため、非架橋酸素をつぶしていく効果があり(Bは3価なので[BO4]構造そのものは-1価となります。ここで、非架橋酸素形成に使われていたNa+をこの電荷補償に消費するため、結果としてその分の非架橋酸素がなくなります)、熱膨張率を小さくします。 この原理を利用して設計された低膨張ガラス(=耐熱ガラス)が、理化学機器や台所用品として使われている「パイレックスガラス」です。
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ありがとうございました。 とても役に立ちました。