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ミッドウェー海戦での暗号解読

eroero4649の回答

  • eroero4649
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回答No.2

https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E3%81%AE%E8%A9%A6%E7%B7%B4-%E7%9C%9F%E7%8F%A0%E6%B9%BE%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%81%BE%E3%81%A7-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3-%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB/dp/4167905620 この「太平洋の試練(下)」にその暗号解読の詳しい話が出ています。これを読むと面白いですよ。 実は米軍の中でもその暗号解読を疑問視する声は多くありました。なんとも驚くべきことに、アメリカ人内のプライドと権力争いと体面のために「日本軍がミッドウェーを攻撃する」という情報は握りつぶされる寸前にさえなりました。誰が「日本軍の暗号を解読した」という勲章を得るかの争いが米軍の中でさえあったのです。 そして我々は、成功した事例だけをいわゆる「歴史の後知恵」で裁くことができますが、そのときの当事者はそうではありません。実際、解読ミスや偽情報に振り回されて沢山のミスを米軍もしています。その後の情報が全て筒抜けになっていたわけでもありません。 日本軍側としては、仮に「情報が洩れている」と分かった場合はそれは「暗号が解読された」より先に考えるのは「どこかにスパイがいる?」なのではないかなと思います。 それに暗号を変えるのはいってみれば社員全員のメールアドレスを変更するにも似た大変さがあります。そう簡単に更新するわけにもいきません。「暗号解読」といえば有名なのがナチスドイツ軍が使っていた暗号機「エニグマ」を解読したことですが、エニグマを解読されていたことにドイツは最後まで気づかず、それどころかそのエニグマを解読したアラン・チューリングの功績は戦後になっても明らかにされませんでした。なんとチューリング本人はまだ当時はタブーだったゲイであったことがバラされて社会的地位を失い、失意の中で亡くなったのです。1954年のことです。彼の名誉が正式に回復されたのは、なんと2013年になってからでした。 お話をミッドウェーに戻しましょう。実はミッドウェー島は東京とハワイの間の2/3の距離のところにあります。実はハワイからも結構離れているんですね。なので米軍にとってもあまり重要な場所ではなく、当初は米軍は反撃しない予定でした。もしミッドウェー島を占領されたら、日本軍機よりはるかに航続距離が長いB17でハワイから爆撃して、潜水艦で補給を締め上げるつもりでした。米軍も「最後の切り札」である空母を危険な使い方はしたくなかったのです。 しかし、暗号を解読して攻撃の日にちまで正確に把握できたので「ここは日本軍を出し抜いてひと泡吹かせることができるかもしれない」と考えたから出撃したのです。 質問者さんもミッドウェー海戦を指揮したスプルーアンス提督がニミッツ提督から「空母を危険に晒すな」と厳命されていたことをご存知でしょう。 ミッドウェー海戦の日本軍の敗因は、「ふわっとしていた」のと「予定通りじゃなくなった」ことです。真珠湾攻撃が成功したのは、あれは練りに練られた作戦が予定通りに行えたからです。 今般のコロナ禍でも、日本政府や日本人の対応について海外から「日本人は想定外の事態に弱く、そうなっても事前の予定通りに事を運ぼうとする」と批判されましたよね。それと全く同じなんですよ。 「ふわっとしていた」のは、作戦の目的がミッドウェー島占領にあったのか、敵艦隊撃滅にあったのか、誰もはっきり確認しなかったのです。質問者さんも日本でサラリーマンをやってるなら日常的に経験をしていると思います。「優先すべきは売上金額なのか、利益率なのか」なんてのがハッキリしている事例のほうが少ないですよね。大抵は「売上金額が大切だけど、利益率も重要」なんて感じです。ミッドウェー海戦も「島の占領も大切だけど、敵艦隊撃滅も重要」と目的が非常に曖昧になってしまいました。 もっというと、最初からやるつもりではなかったのです。だけどミッドウェー海戦に先立つ2ヵ月前に東京が空母艦載の爆撃機によって空襲されるという、いわゆる「ドーリットル空襲」があって「帝都が爆撃された」という衝撃で「政治的にやらないといけない空気になった」のです。 え?私はアベノマスクの話なんて一言もしてないですよ。・・・というふうに、日本人がドタバタしてしくじるときっていうのはだいたい同じパターンなのです。我々は当時の人々を笑える資格はこれっぽっちもありません。それどころか、当時の人々のほうが我々よりまだマシなんじゃないかと思うほどです。 国民が自粛やそれに伴う経済損失で喘いでいるのにどこかの能天気な奥様がお友達を呼んで桜を見る会に興じる姿は、兵士が飢餓に苦しむ中で後方で芸者をあげて酒宴を開いていたインパール作戦の牟田口廉也の姿と何が違うのでしょうか。 ガダルカナル島で兵士が飢餓で苦しんでいる中で、潜水艦やら駆逐艦やらで輸送していたゴタゴタと、給付金がもらえないとかどうとかでゴタゴタする現代と何が違いますか。 ミッドウェー海戦は、勝てる戦さに負けたのではないのです。負けるべくして負けた。ただそれだけです。ミッドウェー海戦はまさに「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」の戦いでした。

tahhzan
質問者

お礼

凄い奥の深い話ですね。自分のような凡人の場合、ミッドウェー海戦と言えば、南雲中将の凡将ぶり。山口多聞少将の優れた英智と決断力、そして無念さ。あと5分。海戦参加者が幽閉されたこと…くらいですか…自分も、「もし、南雲中将が山口少将の意見を取り入れて爆弾のまま攻撃していれば」などと、思ったこともありましたが、やはり、負けるべきして負けたのですか。確かに、「浄水装置が故障」という偽の情報を平文で打って日本側の反応を見てミッドウェーを割り出すなんて、やはり、アメリカ側が一枚上手の役者だとは思いましたね。詳細な情報をありがとうございました(余談ながら、若い頃居た会社に南雲課長というのが居て、聞くと南雲中将の遠縁だと言ってました。)

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