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『永遠の0』と『坂の上の雲』のコントラスト
- 映画『永遠の0』と『坂の上の雲』はテーマや作風が異なりますが、どちらも歴史と個人の物語を描いています。
- 『永遠の0』は感動的な戦争映画で、主人公の苦悩や犠牲が描かれています。一方、『坂の上の雲』は日露戦争を背景にした歴史小説で、主人公の視点から時代の動きが浮かび上がります。
- どちらの作品にも独自の魅力がありますが、『永遠の0』は感動的なストーリーと演出が、『坂の上の雲』は歴史の必然性を感じさせる描写が特徴です。
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mikasa さん、こんにちは。 諸般の事情に依り、お礼が遅くなりまして申し訳ありません。 >司馬史観・・・日本は日清日露の頃までは良かった、それからおかしくなって太平洋戦争で大敗北を喫した・・・そうなのかも知れません。組織というものは最初は目的があって組織されるわけですが、いつしか組織そのものの存続が目的になってしまう。日露戦争の旅順攻撃では陸海軍がいがみ合いつつも連係プレーで旅順港を攻略したのに対し、太平洋戦争では陸海軍が資材を取り合い、戦争末期には特攻による死者の数まで争ったふしがあり情けない限りです。 冒頭から余談で恐縮ですが、司馬さんの歴史小説との個人的な出会いは、中学時代にまで遡ります。 偶々 司馬遼太郎 全集が親父の書斎に飾られておりましてね、何がどう気に入ったのか分かりませんが読み漁る事となりそれが世界史の興味にまで広がった、故に司馬さんが描かれた世界が、歴史というものを語る上での個人的な骨子になっている点は否定のしようがありません。 ・・と同時に、高校生の分際で無頼の生活を送り且つ超低空飛行であった成績故に、進学する気が更々無かった私の人生を若干軌道修正してくれた恩人でもある、・・というのも私が進学へと舵を切ったのは余りにも遅い高3の夏でありました。 世の真っ当な受験生諸君が、今まさに4コーナーを回り直線の叩き合いというその時点で、世の中を舐め切り当時ベース・ゼロの私が間に合うはずもない、ところがよくしたものでその時代の私立文系は概ね英国社の3科目、つまり高校生レベルとしてはほぼ完璧であった ( はず ) の歴史的知識のお蔭で、何とか現役で潜り込んで以降、至極平坦な人生を送る事となる。 都合よく言い換えれば、典型的不良少年であった我が人生を幾分かでも更生させた訳で、司馬さんへの尊敬と個人的な想いは、その辺りも若干加味されております。 ところで御指摘の所謂 司馬史観・・、先に kamejrou さんのお礼でも触れさせて頂きましたが、各論はともかく総論に於いて、思想というものは左右に振れれば振れるほど実は似通って来ると思っておりまして、戦後長らく優勢であった社会主義思想の残滓があるところに加え、従来ニュートラルであったはずの層が大きく右に振れて来た点にこそ、司馬史観が批判に晒される素地があるのでしょう。 >しかし多くの若い命を散らして何のための時間稼ぎだったのか・・・米軍に大打撃を与えた上で講和?本土決戦の準備?どちらにしろ夢物語で、誰も戦争をやめる決断ができずにズルズルと続けてしまったのでしょうが、若者たちは多少なりとも戦局の打開を信じて死地へ向かったんじゃないかと思うのです。 mikasa さんが好んでお使いになる 「 絶対国防圏 」 、実は終戦を考える上で非常に重要なキーワードであった、私としてもそう捉えるところです。 ・・とするならば主力空母4隻を失った ミッドウェー はともかく、空母3隻が撃沈され且つ艦載機と併せて500機近くの航空戦力を失った マリアナ沖海戦 そしてそれに続き サイパン玉砕に至った1944年7月こそが、非戦闘員を巻き込まない形で太平洋戦争の幕引きを考える、ほぼ唯一のタイミングであったと思う次第。 以降日本列島に至る制空権及び制海権が失われ、本土への直接爆撃が可能となる、冷酷に検証すれば マリアナ沖海戦で敗れて以降、米軍からすればほぼ一方的な掃討戦でしかない、しかも戦争の常で人的損害が倍加して来るとなれば余計にです。 >そうゆう意味で、二百三高地を攻略するまでロシア軍の機関銃の前に散った白襷隊などの殉死者とどう違うのか、と考えてしまいます。 仰る通りで二百三高地とどっちもどっち、そもそも兵士の死を前提とする作戦は作戦ではありませんね、参謀という職務の否定ですらあると思われます。 >どちらも薄氷を踏む戦いであった事は違わないのですが、日露戦争は始める時から終わらせるビジョンを描いていて、政府も軍もそれに向かってきちんと動いていたのに対して、太平洋戦争はそれが無かったのが大きな違いですね。 僅かな例外を除いて、日露戦争当時の軍指導部及び政治家には国家としての総合力を鑑みた合理性がある、ところが太平洋戦争となるとこれが一体同じ日本人なのかと疑いたくなるほど、精神論を振り翳した無茶な作戦が罷り通る事となります。 その一方で太平洋戦争に関わる各種資料を眺めると、後世の我々があれこれ考える程度の事は全てシュミレートされているんですね、ところがそれを生かす為の法令・指揮系統を始めとする環境整備がありませんでした。 それがそっくりそのまま、現行憲法の9条第2項と現に存在する自衛隊という組織との矛盾に当て嵌まるんですね、恐ろしい事に・・。 >太平洋の米空母を叩くために真珠湾へ行ったのに戦艦と基地を叩いて満足して帰って来ちゃう。短期決戦・早期講和が目的なら、ハワイ占領まで視野に入れてやるべきでした。捕虜を養うためという口実であらゆるものを輸送して完全に占領してしまえば、それと交換で講和できた可能性があります。 1940年の大統領選に於いて、当時既に勃発していた第2次世界大戦へは関与すべからずという圧倒的世論に阿り、 フランクリン・ルーズベルト 大統領は欧州戦線不介入という公約を掲げ見事3選を果たしました。 無論その本音は対独宣戦布告でありましたから、先の公約を覆す強力なインパクトが欲しかった、御承知の通りそれが我が国に依る真珠湾攻撃という構図でありまして、後にアメリカ国内に於いてすら ルーズベルト 陰謀説が囁かれた背景はその辺りにあるのでしょう。 ・・とすれば、仮にハワイを占領 ( 当初より作戦に組み込まれておれば、十分に可能であったと私は見ますが ) したとしても果たして早期講和が有り得たかどうか、私個人としては非常に懐疑的です。 無論その大前提は、アメリカの国力が欧州戦線と太平洋戦線という両面作戦に耐え得るかどうか・・、恐らく然るべきシンクタンクに諮問した結果YESという答えが出たのでしょう、そしてそこには我が国の石油備蓄が1年数ヶ月程度でしかない事が盛り込まれていたろうと思います、つまり早期講和に至らねばならない必然性がアメリカ側にはなかったと考えざるを得ない、大変残念ながら・・。 >初見では感動したのですが、特攻という悲しい歴史的事実を謎解きエンタテイメントとして創りすぎたな、と今は思います。 実は私もそう思うのです、少しばかりドラマティックに作り過ぎたかなとは・・、特に宮部少尉が部下 ( 春馬君の血の繋がらないお爺ちゃん )に妻子の行く末を託した部分は、意外性を演出したのでしょうが、本を半分程度読んだ段階で分かりますよねぇ。 >三浦春馬君は好きなんですが、この頃までは大げさな芝居が鼻につき、そして観てるこちらが泣く前に三浦春馬君が先に泣いてしまうのが邪魔・・・ 若手で一番好きです、ただ芝居はいまだに上手じゃありませんが・・。 >一番好きなシーンは、宮部久蔵と大石賢一郎の小川のシーン。 戦後は恐らく悪の限りを尽くしたやくざの親分が、表面上は剣呑ながらも戦争当時上官であった宮部少尉に抱き続けたウエットな感情・・、エンディングを除き瞬間最大の感動は、やくざの親分が春馬君を抱き締めたあのシーンでした、もう泣けて泣けて。 >彼らが礎となってできた今の平和な日本で、自由に生きる事ができる我々は何をすべきか、という事を考えさせられますね。 確かに難しいテーマです、但し大人の責任に於いてこれだけは言っておきたい、血の代償というものを含めて平和には応分のコストが掛かる、字面や口先だけでは決して掴めないって事だけは・・。 回答ありがとうございました。