スピン演算子の第二量子化

このQ&Aのポイント
  • スピンの上昇下降演算子について、第二量子化を行うとどうなるのか?
  • 一般のスピンの場合、粒子のスピンが作用させられるとどのような結果になるのか?
  • スピン演算子の第二量子化をcを用いて表すと、どのような結果になるのか?
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スピン演算子の第二量子化

すいません、お世話になります。 スピンの上昇下降演算子S^{+-}ってありますよね? 第二量子化を行うとどうなりますか? 特別な場合としては、スピンが1/2スピンの集合の時には、 粒子の番号iを用いて、 S^+ = Σ_i c^†_{i↑} c_{i↓} S^- = Σ_i c^†_{i↓} c_{i↑} でよいと思います。 知りたいのは、一般のスピンの場合です。 例えば、粒子のスピンが|S=1,m_S=1>に作用させると、 下降演算子S^-を作用させると、 S^-|S=1,m_S=1> = \hbar √(S + m_S)(S - m_S + 1)|S=1,m_S=0> = \hbar √2|S=1,m_S=0> 分かっていますよね。これをcを用いて表すと、 どうなるのでしょうか? よろしくお願いします。

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  • siegmund
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回答No.1

大学で物理の研究と教育をやっている siegmund です. おっしゃるとおり S=1/2 に対しては S^+ = Σ_i c^†_{i↑} c_{i↓} S^- = Σ_i c^†_{i↓} c_{i↑} ですね. 式も注意深く書かれて,見やすいし誤解のおそれもありません. LaTeX お使いのようですから当然ですかね(偉そうに聞こえましたら失礼). 念のため S^z = (1/2)Σ_i (c^†_{i↑} c_{i↑} - c^†_{i↓} c_{i↓}) で,c^† と c は それぞれフェルミオンの生成と消滅の演算子. さて,S>1/2 に対してですが,上のような(あるいは簡単に拡張した)表式は存在しません. パウリ原理によりフェルミオン個数は0か1に限定されていますので, 例えば S=1 は表現できないのです. それならばフェルミオンを2種類持ってくればいいのではないか? 確かにそうですが,それは S=1/2 を2個持ってきて S=1 を表すことになります. そうすると,角運動量合成により S=1/2 が2個からは S=1 で S^z = +1,0,-1 および S=0 の状態が生成されます. 波動関数で言えば,順に |↑↑>,(1/√2)(|↑↓> + |↓↑>),|↓↓>,(1/√2)(|↑↓> - |↓↑>) で,最初の3つがいわゆる3重項状態(triplet),最後が1重項状態(singlet)です. したがって,単にフェルミオンを2種類持ってくると S=1 より余分な状態 (つまり S=0 状態,あるいは singlet 状態)が入ってきてしまいます. これを取り除くように拘束条件を付ければよいのですが, その拘束条件は各スピン毎に必要で(こういうのを局所的拘束条件といいます), 具体的問題が与えられたときに取り扱いが非常に困難です. 以上のような事情で普通の教科書には S>1/2 のフェルミオン表現が書かれてないのです. 研究論文レベルではそういう試みもあります. フェルミオンでなくてボソンを使えば1種類で済みますが, ボソンだと個数が何個でも可能ですから,今度は個数が 2S 個以下という拘束条件 (各スピンに必要なのでまた局所的)が必要になります. ボソンを使う方法だと,Holstein-Primakoff 変換,Dyson-Maleev 変換,Schwinger ボソン法, などがあります. また,1次元の S=1/2 スピン系に限ってはフェルミオンで表す方法(質問とは違った変換)として Jordan-Wigner 変換があります.

udcstb0509
質問者

お礼

おお、お褒めの言葉、そして、的確なご回答をありがとうございます^^。 やはりフェルミオンであるか、ボソンであるか、 を設定することを避けることはできないのですね。 そうですか、フェルミオンに対しては、 局所的拘束条件というものがあるのですか。 覚えておきます。 僕は、大学に残れず、趣味で物理をやっているのですが、 Holstein-Primakoff変換は、僕の修士の時の研究で、 スピン波に関して、ちょっと触れました。 なるほど、今見返してみたら、確かに自分の疑問に対する 解答になっています。 今回、siegmundさんに、物理の展望を広げて頂けて、感謝です。 本当にありがとうございましたm(_ _)m。

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