恋は必要なことか

質問

• 恋愛未経験である20代半ばの男性が恋愛について悩んでいます。彼は人付き合いが苦手で、同年代の女性との関わりがほとんどなかったため、恋愛の経験がありません。
• 彼は若者の性生活に興味を持ちながらも、焦って出会いを探すことはせず、就活に専念しています。彼は「彼女がいるというステータスが欲しいだけ」で、本気で彼女が欲しいわけではないと感じています。
• 彼は恋人がいてもいなくても生きていけると思う一方で、人々が恋を求める理由について明確な理由を知りたいと思っています。

回答No.5

moto_koukousei

「恋をしたがる人間が多い」という現象は、どの社会でも同じではないです。
日本でも　大昔は、恋をしたがる（恋を希望する、恋を望む、恋を欲しがる）というようなことはなかったはずです。　現在でも、世界の15～25歳程度の男女20億人がいたとして、10億人くらいは「恋をしてないないが、恋をしたがっている」という感覚を理解しないでしょう。

性行動(求愛行動を含む)、性欲、番い行動と、「恋をしたがる」とは違います。

日本でも、5、60年くらい前までは、男女の文化は随分と違うところが多くて、女は恋に恋するような文化を強く持つことが思春期頃から始まりましたが、男は課題達成的な強さに目を向け憧れることが児童期から始まっていました。　そうした男でも青年期になると恋をしますが、恋に憧れ、恋をしたがるようなことはほとんどみられませんでした。また、5、60年くらい前までは、成人した男の場合、結婚し家庭を持つことが人生の次のステップと思われていたので、結婚はするのが大半ですが、恋愛とか恋をしていた人は少ないです。
学問研究への志向が高く、学問がしたいので、高校、大学に進学しているのでも、仕事が好きでやりたいから就職しているのでもなくて、人生のステージとして当然のような思いを持っているからやっているのと同様なのか、結婚、子育て、家庭を持つことでした。

恋をしたいという文化はある意味では特殊な文化です。
昭和の中期くらいまでの場合、詩などの文芸で恋愛を崇高なものと歌い上げるものを母親が読んでいて、幼女に「幸せイメージ　恋」と語ったり、嫁になることをハッピーとする物語や絵本を読み聞かせることで、女児になる頃までに恋に憧れる心情を埋め込んでいたのでしょう。
男の場合、そうした経験は昔はあまりなかったハズですが、昭和の後半以降は漫画やアニメで幼い恋愛物、青年男女の幸せ振りを描く映画が増えたし、今のアニメの多くは「男女の《この人が好き》感情」がバックに頻繁に出て来るものの氾濫状態ですから、思春期以降にアニメをみて育てば、男も、青年期には男女の個人的親密感の中での生活や交流があるのが人生のステージとして当然のような思いを持ってしまうのでしょう。

人生のステージのイメージがそうした見聞経験で形成されてしまうと、「彼や彼女、進学、お付き合い、就職、恋、二人での旅行」は、欲しくなるのでしょう。　しかし、そこには結婚や家庭、子育てのイメージは薄れてきているので、恋愛はしたいが、結婚や家庭、子供を育てることには強い志向はないことになり、婚姻率、子供を持つ率も減少するのでしょう。
婚姻年齢の高齢化、未婚率の増加、生涯出産子数の減少は、経済的事情だけが原因ではないです。　同じ根っ子（生育期に獲得した人生ステージのイメージ）から生まれるものとはいえ、結婚願望と恋愛願望は、求めている内容が異なります。