• ベストアンサー

DNAシークエンシングについて

noname#259842の回答

noname#259842
noname#259842
回答No.5

再びno.2です。 補足部分に回答させていただきます。 1)遺伝的特徴付けを外注で済ませられるか? 厳密に言うと、正式な学名提案を視野に入れた場合、外注だけで済ませることはできないと思います。 分類群の密度にもよりますし、1つの遺伝子配列だけでは十分な系統解析ができないこともあります。その場合、いくつかのハウスキーピング遺伝子を用いた解析が必要となるでしょう。 それらを総合的に判断し、論文にまとめ、理論だてしなければならないので、系統解析を理解しする必要があります。 形だけ(=データだけ)つくろっても、中身を理解していなければ科学の世界においての提案は通りません。 2)遺伝子解析が分類に大きく影響を及ぼし、それによって同種に異なる名前が付けられると言った事態は、少なくなったと思いますし、私の経験上、ほとんどないのではないかと思います。 ただし、全くなくなったと言い切れるわけでもないと思います。そういうことが起きないよう、個々の研究者の努力と見識の積み重ねによって今日の分類学は形作られていますが、全ての研究者が同じような志であるとも思えませんし、実際に幻滅するような内容の論文を目にすることが多いことも事実です。 3)上述した通り、分類学は積み重ねにより成り立ってきました。遺伝子解析、DNA・ゲノム情報は確かに見た目や成分分析よりも明瞭に菌株を区別する手段の一つであることは確かだと思います。 しかしながら、分類学に携わる一研究者として、私は古典分類法の必要性を強く支持しています。先人達の生物を観察する力は、非常に尊く、古典的な分類学の実験手法を継承する人が少なくなってきた現場では、その重要性が再認識されるべきあると考えています。 確かに、遺伝子での分類は、新参者には分かりやすくて、簡単かもしれない。でも、40億年かけて進化してきた細菌たちを相手にして、幸運にも、新種を発見した者としては、後世に残る学名とその菌株の特徴を丁寧に見つめ、記述した論文を残すことはある種の責任を負っていると考えています。 ですので、きちんと分類学に向き合う研究者がいれば、分類体系の変化は大きさに関係なく、絶え間なく起こるでしょうし、それは遺伝子を含むこれから新たに発見されるかもしれない指標を踏まえた形で起こるのではないでしょうか。 私個人としては、太古より生き続ける細菌たちの進化をDNA一つで、真に正しく理解することはできないのではと思いますが、今、我々がその進化を推測する手段としては最も信ぴょう性の高い指標の一つであると認識しています。

noname#196602
質問者

お礼

補足にも親切に回答していただき本当にありがとうございます。 お礼が遅れてしまい申し訳ありませんでした。

noname#196602
質問者

補足

お礼が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。 あれから回答して頂いた内容について分からなかった部分を色々と調べてみたのですが、同定をして正式な学名をつけるのに、これほどの時間と労力と専門的な知識、技術が必要になってくるということにとても驚きました。 ここまで困難になってくると、「種の推定」のみで済ませてしまう学者や研究者が多く、細菌に学名をつけて正式な手続きに則って「新種の提案」まで行うような研究者はkotaro413さんのように細菌の「新種の提案」を専門的な仕事としている研究者以外はいないし、やらないのではないでしょうか? また、私はバイオを専門にしているような企業や団体にいけば、正式な「新種の提案」をすることが出来るかもしれないと思っていたのですが、やはりそういうのは大学でしかやってないことなのでしょうか?

関連するQ&A

  • DNAについて

     ミトコンドリアDNAと核DNAの構造の違いを分子生物学的に教えてください。  今、大学の研究室で分子生物学の勉強をしているのですが、文献・資料等がなく困っています。どうかよろしくお願いします。

  • 生物系の研究者への転職

    30歳の男です。 生物系の研究者に転職したいと考えています。 大学は機械工学を専攻していましたが,生物系に興味が移り,大学院は生物系の研究をしていました。(X線を使ったたんぱく質の構造解析)。研究期間が短かったため,そのときは生物系の研究への就職をあきらめました。 現在は生物系の研究等で使う液体クロマトグラフや質量分析装置の設計にかかわっています。 それなりに充実していますが昨今のIPS細胞等が話題になったこともあり生物系・再生医療系の研究に関わりたいと思いが大きくなってきました。 それらに関わる研究等の仕事をしたいと考えています。 経歴上なかなか難しいと思いますが,業務で培ったある計測手法の知識を生かすなど,何かよい転職方法・転職先はないでしょうか?

  • DNA配列の解析

    全長3kbpのDNAシークエンスを行おうとしているんですが初めてで混乱しています。サンプルはPCR産物でTOPOシークエンスベクターにまでつなぎ、kit内のプライマーでサイクルシークエンスをすることまでわかりました。ただ一度に読める配列が800bpほどなので複数回読む必要がありますが、2回目以降のプライマー設計がわかりません。一回目のシークエンス結果からプライマーを設計してよろしいのでしょうか。またそのときの注意点等がありましたら教えていただけないでしょうか。

  • ホルマリンとDNAについて

    不要になったホルマリン標本のホルマリンの処理方法を 教えてください。個人ではなく、大きな施設(研究所、学校、その他自然系の施設)に関してです。 また、ホルマリンの中の生物のDNAは変質していますか?それともしていませんか? もし変質してなければ、そのDNAで、絶滅した生物を よみがえらせることができるのでしょうか?

  • 理研バイオリソースセンターの個人利用?

    一応生物系の大学はでていますが、 理研バイオリソースセンターの個人利用ってできるんでしょうか? できないとしたら、何が必要になるのでしょうか? 研究設備などの用意は個人できます 法人でじゃないと無理でしょうか?

  • DNAシークエンシング

    「遺伝子配列決定法(DNAシークエンシング)の過程を以下の語句を用いて簡潔に説明せよ」 PCR プライマー DNAポリメラーゼ 電気泳動装置 ジデオキシヌクレオチド ・・・という問題です。 生物学初心者なもので、よろしくおねがいしますm(_ _)m

  • DNAの長さの計算

    はじめまして。 高校では物化をとっていたので 生物に関して初心者で、大学で苦労しているものです。 いろいろと頑張っていますが、今回のレポートの課題 『ヒトの染色体は細胞の中に46本の染色体がある。この中にあるDNAの長さを求めよ。』 これだけがどうしてもわかりません。 ネットで調べたらどうやら答えは 『2メートル』 しかし、私には、途中の計算式も必要なのです。 どう調べても計算式がわかりません。 しかも期限が迫っているので必死です。 ぜひともお答えお願いします。 よろしくお願いします。

  • 生物系の研究職に就くには?

    ここのカテのほうがより良い回答が得られると思いたったので、ここのカテで質問させてください。 いま、生物系の大学に在学しています。将来は、生物系の研究職を考えていました。しかし、生物系の研究職になる人はほんの一握りの人しかなれないと聞きますし、才能などにも恵まれてなければならないと聞きました。 実際、生物系の研究職に就くにはどのようなことが必要なのですか? また、どの程度厳しいものなのですか? よろしくお願いします。

  • 研究職に就くには

    大学進学を考えている者です。 卒業後は大学に残るか、企業に就職するか分かりませんが、 いずれにせよ研究を生業にしたいと思っています。 調べたところ、まずは大学院に進んで博士号を取得する必要があるということだったので 大学院への進学も頭に入れています。 ただ、どの学部に進むかで決めかねており、 どこに行けば研究職に就きやすいのかも全く分かりません。 興味があるのは医学、薬学、微生物学など、生物に関係するものなのですが こういった研究をするためにはどういった学部に進むのがよいでしょうか。

  • 生物系研究職について

    私は、大学3年で生物専攻で、生物系の研究職に就きたいと考えています。 どのようなところが研究職を募集しているのでしょうか?また、どのような準備が必要ですか? 今のところ、博士を目指していますが、学部卒でも就職可能なところがあれば教えてください。