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靖国参拝の失敗

Ganymedeの回答

  • Ganymede
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回答No.19

朝日新聞デジタル 2013年12月27日 http://digital.asahi.com/articles/ASF0TKY201312270049.html [引用開始] 安倍晋三首相が26日に靖国神社に参拝したことは世界的に波紋を広げ、ロシアや欧州連合(EU)からも批判や懸念の声が相次いだ。 ロシア外務省は26日、安倍首相の靖国神社参拝に関する声明を出し、「遺憾の念を呼び起こさざるを得ない」と批判した。 声明は、参拝の背景について「過去の歴史を正しく理解することは、日本と近隣諸国が今日、関係をつくる上で重要な基礎となっている」と指摘。その上で「第2次世界大戦の結果を巡り、世界で受け入れられている評価から日本社会を離れさせようとする試みが強まっている」とした。 [中略] 一方、EUのアシュトン外交安全保障上級代表の報道官は26日、安倍首相の靖国神社参拝を受け、「特に中国や韓国という日本の近隣国との関係改善にはつながらない」との声明を発表。東アジアの不安定化につながりかねないとの懸念を示したものだ。 [中略] EUはこれまでも尖閣諸島の問題などでも特定国に肩入れする立場は取らず、日中韓が話し合いで紛争を解決することが地域の平和につながり、EUにとっても利益になるとの姿勢を繰り返している。 [中略] 米国務省も26日、サキ報道官の談話を発表。先の在日米国大使館の声明と同じ内容で、「日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米政府は失望している」などとしている。 また、米国のユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)のエイブラハム・クーパー副代表は26日、声明で「首相として、国の戦争で亡くなった人を追悼する権利はあるが、それは戦犯に対してではない。戦争犯罪や人道に対する罪を命令・実行した責任者への敬意と混同させるのは道義的に間違っている」と批判。 [引用終り] 詳しく説明するためには、ニュルンベルク裁判の話から始めるのが分かりやすいでしょう。私たちは日本人だから、日本中心に物事を考えるのは仕方ありませんが、世界は日本中心には回っていません。昔は欧米中心に回っていました。第二次大戦で勝利した連合国の関心事は、先(ま)ずもってナチスドイツを処断することでした。日本のことは二の次です。ニュルンベルク裁判の枠組みを日本にも当てはめたのが、東京裁判でした。 つまりですね、世界的な考え方としては、ヒトラー、ゲッベルス、ヒムラー、ゲーリング、ヘス、リッベントロップらとの類推で、日本のA級戦犯を把握しているのです。この「世界」は、中国や韓国というより、むしろ米国・ロシア・EUなどです。彼らにとって、A級戦犯が合祀されている靖国神社を日本の首相が参拝することは、ヒトラーを拝むネオナチを連想させるのです(なお、ヒトラー、ゲッベルス、ヒムラーらは裁判前に自殺)。 A級戦犯の合祀は1978年10月17日で、こっそり行われました。世間に明らかになったのは79年4月19日だそうです。 昭和天皇は戦後も靖国に親拝(天子がみずから参拝すること)していました。1945年11月20日の後は52年10月まで間が空いて、その後は54年10月、57年4月、59年4月、65年10月、69年10月、75年11月、計8回でその後は親拝していません。今上天皇(明仁)も親拝していません。 75年を最後に親拝しなくなったのは、78年のA級戦犯合祀が原因です。それを裏付ける「富田メモ」を、日経新聞が2006年に遺族から入手し、報道しました。宮内庁長官が昭和天皇の発言をメモしたもので、「或る時に、A級が合祀され[中略]だから 私あれ以来参拝していない」と記されています。これの信用性の高さは、秦郁彦ら保守派の歴史学者も認めたことで、ほぼ決着が付きました。 そもそも戦後、主要な外国の元首または元首級で、靖国に参拝した人はほとんどいません。米国は1953年ニクソン副大統領(当時)来日の際、靖国参拝を拒否しています。参拝した要人もいますが、役職の順位が下がる人や、小国の元首などです。下記のサイトに詳細な一覧表が載っています。 靖国神社公式参拝関係年表(ガオガオ戦略情報研究所による) http://wolfdoragon.island.ac/yasukuni/nenpyo_2.htm 回答文が長くなるが、あと二点ほど付け加えたい。 まず、よくあるコピペで「戦犯のA、B、C級はこの順に罪が重いことを意味しない」について。それはそうなのだが、「ある意味、C級こそ肝要」ということを指摘したい。 B級(通例の戦争犯罪)ならば事後法の恐れはないのに、なぜC級(人道に対する罪)を設けたか。これは、ナチスドイツに蹂躙された弱小国などを、列強がガッチリと味方にするためだった。 弱小国と言っては失礼だが、ポーランドやチェコスロバキアなど、大戦初期に早々と占領された国々である。ナチスドイツの残虐行為にさらされた。このナチス犯罪を剔抉(てっけつ)するには、「通例の戦争犯罪」の範疇だけでなく、それを拡大したような「人道に対する罪」の概念が求められた。 英米露などは、これを約束したのである。こうして、「ドイツに早々と占領された国々」の反乱軍と、英米露などが、ガッチリ協力して第二次大戦を戦い抜く道筋ができた。いや、英米露などは必ずしも大規模な戦犯裁判に大賛成でもなかったが(国際法上の瑕疵を意識していた)、ぜひとも約束する必要があったので賛成した。 なぜなら、「占領された国々」がナチズムに馴致されてしまったら、連合国の戦争目的が霞(かす)むからだ。「暴虐非道のドイツを打倒して、我々を解放してください」という声を、それらの国々に上げてもらってこそ、連合国の大義名分が立つ。その声がなければ、「帝国主義列強が、独伊日と英米仏露の2陣営に分かれて、覇権を争っているだけ」になってしまうではないか。 A級(平和に対する罪)は、むしろB級やC級に引っ張り出されて、後付けで定立されたようだ。「残虐行為を直接実行したBC級犯罪人を処罰するなら、おおもとの戦争を計画した大物たちを処罰しないわけにはいかない」という筋道である。法的根拠として「侵略戦争は不戦条約(1928年)違反」などを用いた。 しかし、これは米国などにとっても諸刃の剣であるから、ニュルンベルク、東京裁判の後は適用例が無いようだ。一方、C級は第二次大戦後も適用例があり(例えば1993年旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷)、国際法として確立された。 日本人は日本中心に考えがちだから、「東京裁判が、A級戦犯が世界の大問題」と思っている。しかし、連合国の欧米列強にとってはニュルンベルク裁判の方が重要だった。ニュルンベルク裁判の被告たちは、A級戦犯というよりもABC級戦犯が多かった(A級の訴因だけで起訴された被告は少ない)。A級戦争犯罪の概念が必ずしも明確でないことを、連合国も意識していたと見える。 しかし、彼らは決して「東京裁判は誤り」と認めないだろう。ニュルンベルク裁判の評価に波及し、延(ひ)いては、おびただしい犠牲を払って第二次大戦を戦い抜いた理由さえ、書き替えられてしまうからだ。 したがって、日本が「ニュルンベルク裁判なんか知らない。私は東京裁判の話をしているのだ」と議論を吹っかけようとしても、連合国側は取り付く島もないのである。「ナチスドイツと大日本帝国とは違う」と吹っかけても、敗戦国の見苦しい弁解と思われるだけだ。 もう一点、1978年にA級戦犯がこっそりと合祀され、翌年それが明るみに出たが、中国が大々的に抗議したのは85年だったことについて。 これは、70年代末はちょうど日本から中国へのODAが始まった時期だったからだろう。当時は日中友好ムードが盛り上がっていた。

papabeatles
質問者

お礼

 富田メモのことは知っておりました。昭和天皇の平和に対する深い思いに感服いたしました。 誰がどう言い訳しても、戦犯を合祀している靖国に大臣が参拝したらそれは国の意志になります。  小泉首相以来、自民党の大臣が参拝しなかったのは自民党もそのことが良くわかっているからだと思っておりましたが失望しました。  安倍首相が野党の議員であったとくは何も問題は無かったのですが何回ぐらいお参りされたのでしょうか?

papabeatles
質問者

補足

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/01/2014010100527.html 戦犯はビンラディンと同じだそうです。そうなると日本はテロリストの国家と言うことになります。

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