量子力学・電子のスピンの波動関数

このQ&Aのポイント
  • 量子力学の電子のスピンについての問題の解説
  • 問題の状況やスピンの向きについての疑問
  • スピンの方向を表す一次結合と固有状態について
回答を見る
  • ベストアンサー

量子力学・電子のスピンの波動関数

以下のURLに載せた問題の(2)が分かりません。 http://www.picamatic.com/view/9370217_DSC_0342/ エイチバーをh'と書きます。 そもそもこの問題の状況がつかめないのですが、磁場がz方向にかかっているということは、電子のスピンの向きはz方向を向いている思うのですが、t=0でスピンの向きはx軸の正の方向を向いているということは、t=0の瞬間にz方向に磁場を掛けたということなのでしょうか? とりあえず、状況があまりつかめないまま(2)にとりかかってみました。 スピンの任意の方向は、(1 0)_t(転置)と (0 1)_t の一次結合で表せるので、 a(1 0)_t + b(0 1)_t =(a b)_t これを(h'/2)σ_x に作用させると、 (h'/2)(b a) となり、a=b のとき固有状態となるので、規格化条件より、 a=b=1/√2 よって Χ(0)=1/√2(1 1)_t この考え方は合ってますでしょうか? あともう一つ質問があって、(3)で時間に依存するシュレーディンガー方程式を書くとき、このときのハミルトニアンは、(1)で導出した、B(μ_B)σzだけでいいらしいのですがそれはなぜなのでしょうか? ポテンシャルエネルギーがゼロなのはクーロン力が働いていないからいいとして、運動エネルギー演算子は必要ではないのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.3

siegmund です. > つまり、H(zeeman)=(μ_B)Bσz > でも良いということなのでしょうか? > 私が使っている量子力学の教科書は、 > 著:小出昭一郎 量子力学(I) です。 > この教科書には、磁束密度(B→)中における磁場のスピンのゼーマンエネルギーHは、ボーア磁子をβとすると、 > H=2β(S→)・(B→)/h' > となっています。 > こちらの表記法は少数派ということなのでしょうか? いくつか手元の本を見てみました. 量子力学のテキストでは両方ありますね. 磁性のテキストでは負号派がかなり多数です. 磁性で負号派が多いのは,直接観測にかかったりする量は角運動量ではなくて 磁気モーメントだからでしょうね. 私は負号派です. あと,パウリ行列 σ_x,σ_y,σ_z の定義はどの本でも同じと思いますが, S_x,S_y,S_z の方は h' がついている定義とついていない定義があります. godfather0801 さんの定義は h' がついている方ですね. 「電子のスピンの大きさは 1/2」というときは, h' をつけない定義で話をしていることになります. あるいは h'=1 とする単位系を用いているか. > また、他大の院試を受けるときにこちらで書いてペケをもらうことはないのでしょうか? 私が採点者ならペケにしたり減点したりはしませんね. 院試はたいてい記述式でしょうから, 正号なら「電子の角運動量と磁気モーメントは逆向きだから」 負号なら「量子スピンでは通常この記法にする」 などちょっと書いておけば文句のつけようがないでしょう.

godfather0801
質問者

お礼

siegmundさん、返答ありがとうございます。 量子力学の教科書はまだ一冊しか読んだことなかったので、表記法に違いがあるということに驚きました。 >私が採点者ならペケにしたり減点したりはしませんね. これを聞いてほっとしました。 私のために色々と教科書を見ていただき、本当にありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.2

siegmund です. > ひとつ疑問があります。 >> ハミルトニアンは -h'B(μ_B)σ_z ですね(負号注意) > > ここの部分なのですが、私の考えでは、(1)は、スピンを考慮したゼーマンエネルギーは > H(zeeman)=2(μ_B)(S・B)/h' (S,Bはベクトル) そのあたりが(注)で「ちょっと微妙な問題がありますが」と書いたことなのです. 質点の回転の様子と角運動量(ベクトル)の方向とは右ねじ関係で規定されています. 例えば,原点を中心として xy 平面上を反時計回りに回転していたら 角運動量は +z 方向です. 電流と磁気モーメントの関係も同じように規定されています. で,電子のスピン角運動量が +z 方向である時を考えます. 半古典的に言えば電子が z 軸を回転軸として反時計回りに回転しています (もちろん,回転というのは正しくないけれど). ところが,電子の電荷は負ですからこれは時計回りの電流に対応し, スピン磁気モーメントは -z 方向を向くことになります. 電子の軌道角運動量と軌道磁気モーメントについても全く同様のことが言えます. 諸悪の根元は電子電荷を負としてしまったところですね. 元をたどれば,毛皮とエボナイトの摩擦電気で毛皮側を正でエボナイト側を負, としたあたりですかね. 手元の本をちょっと見てみました. 「量子スピン系」(宮下精二著,岩波書店,ISBN-00-011130-2)には 以下のように書いてあります. ----------- (引用はじめ) スピンと磁気モーメント (μ→)_S との関係は   (μ→)_S = -g(μ_B) (S→) であることに注意しよう. (中略) このように,磁気モーメントはスピンや角運動量と逆符号をもつ. しかし,以後本書では磁気モーメントの向きにスピンを考える. つまり,(S→)' = -(S→) とし,さらに (B→) を (H→) と書き   H = -g(μ_B)(S→)'・(H→) とする.そして,量子スピン系の通常の記述法に従いこのプライムを書かない ----------- (引用おわり) (S→) などはベクトルSの意味.別行立ての式の H はゼーマンエネルギー. g は電子の g 因子で値はほぼ2(量子電磁力学的補正が少しあって,2.0023・・・). (μ→)_S で書くと,ゼーマンエネルギーは -(μ→)_S・(B→) ですから, たしかに磁気モーメントが磁場方向を向いたときにエネルギーが低くなっていますね. 量子スピン系の話では確かに上の引用で書かれているような記法が通常用いられています. どちらの記述もありでしょうが,混ぜて使ってはいけませんね. たとえば Wikipedia の「g因子」の項目はその点間違っています. 電子のスピン角運動量とスピン磁気モーメントの関係は負号を付けているのに対し, 軌道角運動量と軌道磁気モーメントの関係は負号を付けていません.

godfather0801
質問者

補足

返答ありがとうございます。 つまり、H(zeeman)=(μ_B)Bσz でも良いということなのでしょうか? 私が使っている量子力学の教科書は、 著:小出昭一郎 量子力学(I) です。 この教科書には、磁束密度(B→)中における磁場のスピンのゼーマンエネルギーHは、ボーア磁子をβとすると、 H=2β(S→)・(B→)/h' となっています。 こちらの表記法は少数派ということなのでしょうか? また、他大の院試を受けるときにこちらで書いてペケをもらうことはないのでしょうか?

  • siegmund
  • ベストアンサー率64% (701/1090)
回答No.1

> t=0でスピンの向きはx軸の正の方向を向いているということは、 > t=0の瞬間にz方向に磁場を掛けたということなのでしょうか? そう思ってよいでしょう. 瞬間的に有限の磁場をかけられるかどうかというようなことは, ここでは突っ込まないということです. > よって > Χ(0)=1/√2(1 1)_t 合っています. ただし,X (大文字のエックス)ではなくて,χ(ギリシャ文字の小文字のカイ)です. 注意深く書くなら χ(0)=(1/√2) (1 1)_t ですね. > このときのハミルトニアンは、(1)で導出した、 > B(μ_B)σzだけでいいらしいのですがそれはなぜなのでしょうか? > ポテンシャルエネルギーがゼロなのはクーロン力が働いていないからいいとして、 > 運動エネルギー演算子は必要ではないのでしょうか? ハミルトニアンは -h'B(μ_B)σ_z ですね(負号注意)(注). 電子スピンが磁場方向を向いた方がエネルギーが下がります. 問題に「電子が局在」とあります. これは電子の場所が固定されていて動かないという意味です. したがって運動エネルギーはありません. (注) ちょっと微妙な問題がありますが,通常はこの記法です.

godfather0801
質問者

補足

返答ありがとうございます。 Xとχの表示、今後気をつけます。 ひとつ疑問があります。 >ハミルトニアンは -h'B(μ_B)σ_z ですね(負号注意) ここの部分なのですが、私の考えでは、(1)は、スピンを考慮したゼーマンエネルギーは H(zeeman)=2(μ_B)(S・B)/h' (S,Bはベクトル) ここでベクトルBはz成分のみなので H(zeeman)=2(μ_B)SzB/h' ここでSz=h'σz/2 を代入して H(zeeman)=(μ_B)Bσz よって、ω=(μ_B)B/h' ですから、ハミルトニアンHは H=H(zeeman)=(μ_B)Bσz ということではないのでしょうか? マイナスが付くのは、エネルギー的に安定であるからだとは思うのですが、上のような導出方法だとマイナスとh'は付きませんよね? どこが間違っているのでしょうか?

関連するQ&A

  • 量子力学・反射によるスピンの方向の変化

    以下の問題の解説で分からないところがあります。 (問)平面x=0を境にして、x<0の領域には一様な静磁場が面x=0と平行にかけられている。他方、x>0の領域には磁場はない。今、単色の中性子線がx>0の領域からx=0に垂直に入射した。 入射中性子のスピンが進行方向を向いていると、反射中性子のスピンの方向がどうなるか調べよ。 以下のURLにこの問題の解説を載せました。問題の解説は(c)と書かれた箇所からです。 http://www.picamatic.com/view/9407944_DSC_0339/ 私が四角で囲んだ式がどうやって導かれたものなのかがわかりません。 「合わせたもの」とありますが、一体何と何を合わせたのでしょうか?

  • 量子力学 電子のスピン測定について

    量子論的な振る舞いの例として、電子のスピンの測定の話があります。たとえば「量子論の基礎」(サイエンス社)のp11にも以下の記述がありますが、それについてもうすこし知りたいと思います。 電子のスピンを測定すると、± プランク定数/4π の二つのいずれかの値しかとらない。 で、これを±1で表現することにして。 で x y z 成分のうち y方向に +1 のスピンをもつ電子を用意して、それのz方向成分を測定すると+1と-1のいずれかが 双方1/2の確率で現れる。 と、ここまでは本に書いてあるのですが、その先が質問です。 z成分を測定してたまたま+1だったとします。 そのあと、繰り返してz成分やy成分を測定したらどうなるのでしょう。 a) 最初 z 成分が +1だったとしても、次にz成分を測定したら +1になるとは限らない。 +1か-1が等しい確率であらわれる。一方で、y成分を測定したらかならず +1 になる。 b) z成分が+1 と測定された以上、そのあと重ねて測定してもz成分は+1 である。 そのかわり、z成分が+1とわかった以上 y 成分は不定になってしまう。あらためてy成分を測定すると -1になるかもしれない。+1と-1が等しく現れる。 c) 上記以外 なお、条件からわかりますようにアンサンブルの話ではありません。一つの電子について状態を元に戻すことなく計測をつらねた場合の話です。 現実の電子のスピンの振る舞いはどうなるのでしょうか。 よろしくおねがいいたします。

  • 量子力学の質問です

    量子力学の演習問題です。 「パウリ行列σx、σy、σzと定数Bx、By、Bzを用いてH=Bxσx+Byσy+Bzσz=B・σ(Bはベクトルです)を定義する。 この行列の固有値と規格化された固有ベクトルを求めよ。この問題に現れた行列Hは磁場中の非相対論的電子の運動を与えるハミルトニアンに対応する。」 という問題です。固有値は、|B|と思うのですが、固有ベクトルの求め方がわかりません。参考書を探してもなかったので、固有値もこれでいいのかわからないですし・・・ どうぞよろしくお願いします。

  • 量子力学 水素原子の基底エネルギー

    量子力学の問題で次のような問題が出されて、どう解けばいいのかわからないので、教えてください。 基底状態の水素原子にz方向の磁場をかけポテンシャルeεzを加える。 この粒子の試験関数をψ(r↑) = exp ( -(r/a)-αz)として、束縛状態における基底エネルギーを求める。 a:正定数 α:変分パラメーター 結果からαの3次以上の項は無視して考える。 自分では、エネルギーを、 E(ψ) = <ψ|H|ψ>/<ψ|ψ> (H:ハミルトニアン) で求められると思い、このときのエネルギーが最小になる時が基底エネルギーだと思って解いていったのですが、うまくいきませんでした。 H = - h^2 /2μ ∇^2 - e^2 / 4πεr + eεz として、上の式に代入して計算したのですがうまくいきませんでした。 一応、最初は極座標で考えてうまくいかなかったので、円筒座標で計算したのですがそれでもうまくいきませんでした。 こういった問題はあまり解いたことがなく、全体の流れがわからないので、教えてくださると助かります。お願いします。

  • 量子力学の質問です。

    【1】 MKS単位系での以下の単位を教えてください。 1. 三次元デルタ関数系ポテンシャル -Vδ(x) δ(y) δ(z) 2. 基底状態における交換子の期待値 <0|[a†, a]|0> 【2】 一次元調和振動子でハミルトニアンH=p^2/2m + mω^2x^2/2 で与えられてる時、固有状態を|n>として、期待値 <n|x|n>を求める方法はシュレディンガー方程式を解いて、エルミートを含む一般解を導出して、∫dxΦxΦ ってやる他に簡単なやり方はないのでしょうか? <x>ならば0であると計算しなくても分かるのですが、より一般的に例えば<x^4>とかを求めるとなるとどうすればいいのでしょうか? よろしくお願いします。

  • 物理の問題で・・・

    1)t=0でx軸正の向きのs=1/2spin純粋状態を用意し、|x(0)>と表記する。|x(0)>を求めよ。(量子化軸をz方向にとる) 2)z軸方向の磁場H=H0e_zがある時のハミルトニアンは H=-λS・H である。s=1/2σ_xe_x1/2σ_ye_y1/2σ_ze_z としてHを2×2行列で書け。 3)シュレディンガー方程式 id/dt|x(t)>=H|x(t)>を|x(t)>=(α(t)β(t))として、α,βの微分方程式として書け。 4)|x(t)>を|x(0)>の初期条件を利用して求めよ 5)x,y方向の期待値 <S_x(t)>=<x(t)|S_x|x(t)> , <S_y(t)>=<x(t)|S_y|x(t)>を求めよ。 6)S_x(t)の観測値とその確率を求めよ。 このような一連の問題なのですが、2),3)は解けましたが、1)が解けないので残りも解けません。 どなたか、解答方針、できれば1)~6)の詳しい解答を教えてください。

  • 量子力学の問題

    量子力学の問題 次の問題に答えられません。 解等を教えていただけるとうれしいです。 --- ハミルトニアンが2行2列の行列(1)式で与えられている。 ただしωとθは定数である。以下の問いに答えよ。 (1)Hの固有値E+,E-と、それぞれの固有値に対応する規格化された固有ベクトルψ+、ψ-を求めよ。 (2)シュレティンガー方程式を満たす、時刻tにおける状態ベクトルψ(t)をE+、E-とψ+、ψ-を用いてあらわせ。さらに、初期状態を(2)式として、ψ(t)をωとθであらわせ。 (3)上記(2)の量子状態に対して時刻tにおいて測定を行い、(3)を得る確率を求めよ。 (4)このハミルトニアンは、磁気モーメントμを持つ1/2スピンの粒子が、磁束密度Bにおかれた場合の量子力学を記述する。θの幾何学的な意味を述べて、ハミルトニアン(1)のパラメータωをμとBで表せ。参考としてパウリ行列は(4)である。

  • 電子スピンのx、y成分について

    こんにちは、 電子のスピンは、Z方向に磁場をかけると、 54.7度傾き 歳差運動(首振り運動)をする旨の 説明が、光と電気のからくり(ブルーバックス 山田克哉著)に書かれています。 また、同書のP165 図44には、Z方向に 磁場があるときのスピンの歳差運動の様子が 書かれています。(大小2つの円すいの先を、 あわせたような図です。) この図からしますと、54.7度傾いていますから、 x、y軸に直角になるように平行光線をスピンに 当てると、影の長さが、x、y成分になります。 このx、y成分も、z成分と同様に、2つの値 (上、下)しかとらないのでしょうか?

  • 摂動論を用いた波動関数

    電荷eを持つ一次元の粒子について Ho=p^2/2μ+μ^2x^2/2のハミルトニアンを考えます。電場によるポテンシャルはH1=eV=eεzです。 これの基底状態のエネルギーと波動関数を摂動論を用いて一次まで求めるのですが、エネルギーはなんとか求めることができました。さて波動関数についてですが、参考書をみると係数の求め方は乗っているのですが、係数がかかる波動関数の求め方がわからず困っています。ぜひ教えてください> <よろしくお願いします。

  • スピンと磁場の相互作用

    局在スピンと磁場の相互作用はH=-σHや内積でH=σ・Hとあらわされておりテキストによって形が違うためスピンは磁場の方向を向いたほうがいいのか、逆向きがいいのかがわからなくなってきました。 どなたか詳しく教えてください。