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気体の液体に対する溶解度 なんで
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溶解という現象から溶解度を考えると溶けた気体の体積で考えるというのは方向違いです。 たくさんの気体が溶けたということはその気体の分子がたくさん溶けたということです。 気体の分子の数が多いということに直接結び付く量は「物質量」です。 現象の理解には「物質量」が一番適しています。 その物質量をどのようにして知ることができるかとは別のことです。 通常採用されている溶解度の定義は 物質量を求める手順を含めたものを溶解度の定義としてしまっているのです。 気体の溶解という現象が遠くに行ってしまって求める手順だけのものになってしまいます。 実用上の立場(工場等での利用の立場)が表に出てしまっているということになります。 現象の理解には向いていません。 私が現職の時のことです。 溶解度を物質量で表した表を載せている教科書はA社のものしかありませんでした。 他の教科書は全て体積での表現でした。その定義だと「50℃の水に溶ける気体の体積を0℃、1気圧の体積に換算して表す」というような表現で躓いてしまう生徒がぞろぞろ出てきます。 A社の教科書を採択しました。 採用数の多い教科書を出しているB社の社員がやってきて「なぜうちの教科書を採用してくれないのですか」と問いました。ただ一点、気体の溶解度の定義と表の違いだけが理由だと返事しました。 物質量で表した表を別に作って配布できるようにしましょうかというような話も持ってきましたが断りました。 その会社は数年後に質量の表記に変えたようです。物質量で表す定義だと「物質量」で躓くという考えからかもしれません。でも質量で表すと同じ数溶ければ溶け方は同じであるという判断ができなくなります。浸透圧や凝固点降下度が溶質の数で決まるということが出てくるのですから気体の溶解度を数で表すということを避ける必要はないはずです。気体は質量よりは体積が測りやすいのですから質量で表すことの意味は体積で表すことよりもベターであるとは言えないのです。同じ職場にB社の教科書の編集にかかわっている人もいましたが私の言うことが理解できなかったようです。質量で表した表に変えることにしたというのは彼からの話で聞きました。 本当のところで言うと 現象の説明としては物質量を使い、溶解度の表としては体積で表したものを載せる、 ということでもいいのです。 気体の物質量を知るためには体積を使うのが便利なので という説明と注を入れる必要があります。 でも高校の教科書は、ページ数、表の数、グラフの数、全てに制限が付いています。 ていねいな説明が必要であると分かっていても増やすことが出来ないのです。
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お礼
丁寧に対応していただき とてもよく分かりました ありがとうございます