• ベストアンサー

微結晶性樹脂とは

微結晶性樹脂とは何なのか。非結晶性樹脂と何が違うのか。と、言ったことについて質問を受けました。 私の認識としては、  高分子材料=組織中で結晶化している部分と結晶化していない部分が共存  微結晶:高分子組織のモデル上で結晶組織が集まっている部分  結晶性高分子:高分子組織全体の領域の内、結晶領域の割合が多いもの。  非晶性高分子:高分子組織全体の領域の内、非晶領域の割合が多いもの。 です。 高分子材料は結晶性か非晶性かによって分類されるかと思うのですが、微結晶性樹脂とはどちらに属するものなのでしょうか? また、結晶性か非晶性かのどちらかに属するとして、その中で微結晶性であることでどのような差異が生じるのでしょうか? これらのことについて述べられている書籍等ありましたらあわせて教えていただけるとありがたいです。

  • 化学
  • 回答数3
  • ありがとう数3

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • drmuraberg
  • ベストアンサー率71% (847/1183)
回答No.1

「微結晶性樹脂」聞いたことの無い表現です。 質問者がどういう関連でbeleagueredさんに聞いたか興味有るところです。 <高分子(樹脂)材料は結晶性か非晶性かによって分類される>ので、 「微結晶性樹脂」という表現は「結晶粒が特別に小さい」または「大きな 結晶粒ができ難い」樹脂と言う意味の可能性が有ります。 前者の「結晶粒が特別に小さい」は、樹脂に造核剤を添加し、結晶化を速め 樹脂の成形サイクルを短縮する為に使われます。微結晶の数は多くなりますが サイズは小さくなります。急冷した場合と同じ様な効果を持ちます。 後者の「大きな結晶粒ができ難い」は、本来結晶性の樹脂の分子鎖中に 結晶化を阻害する要素を組込み込んだ(または置換えた)ものです。 例えば、透明ポリアミド(ナイロン)が有ります。 http://www.daicel-evonik.com/products/manufacture/cleanness/index.html 質問者が、前者、後者、それ以外の意味、または勘違いから聞いているのかを 判断する必要があります。 認識<結晶性高分子:高分子組織全体の領域の内、結晶領域の割合が多いもの。  非晶性高分子:高分子組織全体の領域の内、非晶領域の割合が多いもの。> は必ずしも正確とは言えません。 結晶性か非晶性かは、基本的には分子鎖の立体規則性と阻害性から定まるもので、 結晶領域の大小で線を引かれる性質のものでは有りません。 http://okwave.jp/qa/q4060473.html 結晶化する傾向を持つ高分子でも、結晶化条件や添加剤によっては結晶化度が低く 非晶の様に見える時があります。よく混同される点です。下記を参考にしてください。 http://okwave.jp/qa/q4489786.html 正しいのはNo.1の方で、「結晶部分が有意なだけ存在するか否か」が問題です。 例えば、結晶の融解ピークとして観察される程の微結晶もできない、分子振動が 非晶域と結晶域の違いを示さない、等が非晶です。 No.2はいわゆる誤れる俗説です。 結晶化し易さから、低結晶性や高結晶性という区別が使われる時があります。 立体規則性の高いPPは結晶性ですが、立体規則性が低下すると結晶化し難くなり、 いわゆる低結晶性PPとなります。立体規則性が完全に失われたアタクチックPP は結晶化しません。 <微結晶性樹脂とはどちらに属するものなのでしょうか?> は結論として、字義通りに解釈すれば結晶が有るので結晶性樹脂となります。

beleaguered_pp
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 詳しく説明していただき、大変勉強になりました。 <質問者の意図> drmurabergさんも参考として挙げられている、ダイセル社のHPを見て疑問に思い質問してきたようです。 質問者は、 透明樹脂=非晶性、耐薬品性悪 不透明樹脂=結晶性、耐薬品性良 との認識があったため、「透明なんだから非晶性樹脂なんだよね?なんで耐薬品性が良いのか。」と。 ですので、「結晶性だけど、結晶が細かいので透明に見える」と回答することにします。 しかし、ご回答いただいた中で一点疑問な点がありますので質問させてください。 「結晶粒が特別に小さい」または「大きな結晶粒ができ難い」樹脂と分類されているのですが、両者の間で、物性などで何か違いが生じるものなのでしょうか。 結晶が小さくなるといった点では違わないと思うのですが…

その他の回答 (2)

  • drmuraberg
  • ベストアンサー率71% (847/1183)
回答No.3

まぎらわしい表現でした。 無定形高分子の構成要素をAとします。 この分子鎖は AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA の様に表わされます。 この分子が微結晶を作るように、鎖中に結晶性の構成要素Cを導入すると、 この分子鎖は AAAAACCCAAAAAAACCCCAAAAACCAAAA の様に表されます。 AとCから成る分子が近接した時、CCCの部分同士が微結晶を形成します (単一分子鎖内でのCCC部の折畳み結晶も可能です)。 このAC鎖の高分子の耐熱性や耐薬品性が、純粋にはAだけからなる 鎖の性質より高いと言う意味です。

beleaguered_pp
質問者

お礼

なるほど! 理解しました。 始終丁寧に解説していただきありがとうございました。 大変勉強になりました。 論点が、本来の質問から少し離れてしまって申し訳なかったです。 最後までお付き合いいただいたことに本当に感謝しております。 また、どこかで私を見かけたらかまってやって下さい (笑)

  • drmuraberg
  • ベストアンサー率71% (847/1183)
回答No.2

ご無沙汰しておりました。 最近あまり聞かないですが「無定形高分子」と言う言葉が有ります。 無定形高分子=非晶性ポリマー=非結晶性樹脂=amorphous polymer とも言い換えられています。 特徴は、下記URLに有るように、分子鎖に結晶の様な規則性が無く、不規則に 曲がり絡み合ったスパゲティの様なイメージです。 http://www.koito-j.com/tigai.htm 分子が絡み合いで纏まっているだけなので、分子運動も活発で、溶媒分子等が浸透し易く 耐熱性や耐薬品性に劣ります。 代表的な例は、ポリスチレンやゴム分子です。 結晶性樹脂は、この一部に纏まって並列して付いた部分の有る、茹で具合の悪い スパゲティの様な物です。付いた部分が有るために、絡み合いは強固になり、 溶媒(ソース)の浸透も悪くなります。 ゴムの例では、硫黄で架橋して分子相互を繋ぐ事に相当します。 架橋点の数を増やすと、ゴムは堅くなり、溶媒に対する膨潤も小さくなります。 これは化学架橋ですが、高分子中に微結晶が有ると、物理架橋として同じ様な 機能を果たします。 つまり、樹脂の耐熱性も耐薬品性も上昇します。 この微結晶が光の散乱に対して十分小さければ、外見上は透明で、しかも耐熱性や耐薬品性が 本来の無定形高分子よりは高い物となります。

beleaguered_pp
質問者

お礼

ありがとうございました。

beleaguered_pp
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 スパゲティに例えての耐薬品性の説明など、大変分かりやすく、理解することができました。 ありがとうございます。 おそらく、記入間違いだとは思うのですが、以下の点確認していただけないでしょうか。 <この微結晶が光の散乱に対して十分小さければ、外見上は透明で、しかも耐熱性や耐薬品性が本来の無定形高分子よりは高い物となります。> 上記の文章で、「本来の無定形高分子より~」となっているので、文章の意味が「無定形高分子だけれども、微結晶が十分小さければ、耐熱・耐薬品性が高い」になっています。 伝えたかったのは、「微結晶が十分小さければ、外見上は透明で、結晶性樹脂としての耐熱・耐薬品性を損なわない」ということで理解して問題ないでしょうか? せっかく丁寧に説明していただいたので、腑に落ちない部分を残したくはないです。 よろしくお願いします。

関連するQ&A

  • 熱可塑性樹脂の結晶性と非晶性について

    初めまして。 とある事情で、樹脂材料について勉強を始めた者です。 以下、質問になります。 熱可塑性樹脂には、結晶性の樹脂と非晶性の樹脂がありますが、 その樹脂が結晶性であるか、非晶性であるかは、 どのようにして決まるのでしょうか? 自力で調べた範囲では、 モノマーが規則的な配列で重合し、架橋や側鎖のないものは結晶性に、 逆に不規則に重合したり、架橋や側鎖のあるものは非晶性になるということはわかったのですが、 ポリカーボネートが非結晶性樹脂であることなど、どうも納得できない部分があります。 (素人目に見ると、ビスフェノールとホスゲンが規則的に重合し、架橋や側鎖もないように思えます・・・) どうぞ、宜しくお願いします。

  • 結晶性高分子と非晶性高分子について(分子構造とガラス転移温度、融点)

    結晶性高分子と非晶性高分子について教えてください。 (分子構造とガラス転移温度、融点) 高分子材料は結晶性高分子と非晶性高分子に分類することができます。 調べたら、 結晶性:ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン6など いくらか出てきましたが、 非晶性が探してもなかなか見つかりません。 (ポリスチレンとかポリメタクリル酸メチルしか) (出来るだけ多くの)結晶高分子と非晶性高分子について、 その分子構造と 非晶性高分子では、ガラス転移温度、 結晶高分子では融点を教えてください。 結晶性も非晶性も、知ってるものがあれば、 たくさん教えてください。 お願いします。

  • 非晶性高分子と結晶性高分子の比容の温度変化

    大学の講義で、「非晶性高分子と結晶性高分子の比容の温度変化をそれぞれ図に書き、各領域においてどんな状態にあるかを述べよ。」という課題が出されました。 詳しい方解答いただけたら嬉しいです。 よろしくお願いします。

  • 高分子化学、化学

    化学(高分子化学?基礎科学?)の問題なんですが次も〇×の問題をわかる範囲で教えてほしいです。×の場合は理由も知りたいです。よろしくお願いいたします。 ①すべての高分子は加熱すると軟らかくなる。 ② ガラス転移温度とは非晶性部分が溶ける温度である。 ③融点とは高分子が融けて液体になる温度である。 ④透明度の高い有機ガラスと呼ばれている高分子は結晶性を持たない非晶性高分子 である。 ⑤非晶性高分子はガラス転移温度以上ではガラス状になる。 ⑥ゴム状になった非晶性高分子は、はっきりとした融点は観測されない。 ⑦一般のプラスチックや繊維は、結晶性部分だけで出来ているので結晶性高分子と言 われる。 ⑧熱可塑性高分子を加熱すると液体になり、ついには気体になる。 ⑨高分子を高温にすると結合開裂や酸化がおこり、回復不可能になる

  • ガラスは液体ですか?

    最近、ガラスを液体だと言っている人がいました。 その人が言うにはガラスは超高粘土の液体で、結晶化していないから、液体だと言っています。 では、熱した液状のガラスを冷やすと硬くなりますが、この状態変化は何でしょうか? 固体=結晶ではないはずですし、非晶質の高分子材料についてはどう説明できるのですか? とにかく、硬いガラスを見て液体だというのは無茶な話ではないでしょうか。 詳しい方、教えてください。

  • 樹脂の射出成型について教えてください。

    工業製品の商社をしているものです。 客先からの依頼で樹脂成型品の話があるのですが、射出成型について教えてください。 外φ365:内φ345のリング形状の物で一部寸法にφ360±0.05という厳しい数値指定があります。 この部分の真円度が非常に重要らしいのですが、収縮率もあるのでこの数値は射出成型で可能なものなのでしょうか? また材料はPCで考えておりますが、他に良い材料はありますでしょうか?

  • 樹脂製品におけるUL(V-0)最少肉厚について

    現在 樹脂を用いたハウジングを設計しております。 要求性能として難燃性 UL V-0があります。 例えば、樹脂材料メーカのカタログを見ますと、V-0最少肉厚1.5mmなどがありますが 内容物の制約上、部分的に薄肉になる場合などは V-0としては保証されないことに なるのでしょうか? ある程度、複雑な形状をしている場合、肉厚を均一に設計することは困難な場合があります。 そういった場合は、最も薄肉になる部分で難燃最少肉厚を確保した設計が必要でしょうか? (仮にその部分が全体の数パーセントだとしても) また、極論的な言い方になるかもしれませんが、上記の材料を用いて平均肉厚を1.5mmで 設計し、はからずもヒケや抜き勾配などで部分的に肉厚1.5mmをきるような箇所が発生した 場合でも、V-0としては保証されないことになるのでしょうか? なにぶん難燃要求のある樹脂製品の設計については初心者でして、知識、ご経験のある方の ご助言をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。

  • 高校化学 結晶格子の原子の数の考え方

    塩化ナトリウムの単位格子は立方体の中心にナトリウムイオンがあり、立方体の8つの頂点に塩化物イオンが配置される構造をとると思うのですが、とある問題で塩化物イオン1つに対してナトリウムイオンはいくつであるかという問いがあり、単位格子中のイオンの割合を考えて、単位格子中に塩化物イオン1、ナトリウムイオン1なので、結局塩化物イオン1個に対してナトリウムイオンは1個という解説がなされていたのですが、結晶全体で考えた時、単位格子がこの結晶の繰り返し単位であるといっても単位格子では隣り合う単位格子と共有されているイオンが分割されているのに対して、結晶そのものの角(端といいますか)は単位格子とは違いイオンが共有されていない部分ができるので、結晶が完全に単位格子のみの繰り返しとは言えないのではないでしょうか?つまり、単位格子がいくつも繰り返されてはいるものの、その立方体の単位格子の繰り返しによってできた結晶の8つの角を含む部分は単位格子とはイオンの含む数が異なると思います。その場合単位格子では1対1であったイオンも厳密にいうと角の部分のせいで1対1ではなくなっているのではないかということです。おそらくこの結晶を考える時、単位格子の繰り返しのみからなると理想的に考え、角の部分を無視していると思うのですが、これは単位格子の繰り返しが多くなれば角の部分で少しばかりイオンの数が変わっても影響がほぼないと考え無視するという理解でよろしいでしょうか?文章での説明なのでうまく伝わらなければ申し訳ございません。回答よろしくお願いします。

  • 高校化学 結晶格子の端についての考察

    塩化ナトリウムの単位格子は立方体の中心にナトリウムイオンがあり、立方体の8つの頂点に塩化物イオンが配置される構造をとると思うのですが、とある問題で塩化物イオン1つに対してナトリウムイオンはいくつであるかという問いがあり、単位格子中のイオンの割合を考えて、単位格子中に塩化物イオン1、ナトリウムイオン1なので、結局塩化物イオン1個に対してナトリウムイオンは1個という解説がなされていたのですが、結晶全体で考えた時、単位格子がこの結晶の繰り返し単位であるといっても単位格子では隣り合う単位格子と共有されているイオンが分割されているのに対して、結晶そのものの角(端といいますか)は単位格子とは違いイオンが共有されていない部分ができるので、結晶が完全に単位格子のみの繰り返しとは言えないのではないでしょうか?つまり、単位格子がいくつも繰り返されてはいるものの、その立方体の単位格子の繰り返しによってできた結晶の8つの角を含む部分は単位格子とはイオンの含む数が異なると思います。その場合単位格子では1対1であったイオンも厳密にいうと角の部分のせいで1対1ではなくなっているのではないかということです。おそらくこの結晶を考える時、単位格子の繰り返しのみからなると理想的に考え、角の部分を無視していると思うのですが、これは単位格子の繰り返しが多くなれば角の部分で少しばかりイオンの数が変わっても影響がほぼないと考え無視するという理解でよろしいでしょうか?文章での説明なのでうまく伝わらなければ申し訳ございません。回答よろしくお願いします

  • 樹脂成型品の難燃性(UL-V0)について

    ポリカーボネートの外装部品を設計しています。 難燃性V-0の樹脂部品の部分的な薄肉について、アドバイスを頂きたく。 難燃性はV-0を想定して、材料の選定、基本肉厚で設計していますが、部分的に薄肉になる箇所があります。(部品同士の勘合箇所のインロー構造部) 薄肉部の領域は狭い為、仮に薄肉部に引火した場合でも、火が基本肉厚部に到達すれば自己消火すると考えられるのですが、そのような状態でV-0(相当?)といえるもでしょうか? 難燃性の考え方についてご教示ください。 よろしくお願いいたします。