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熱と仕事の道すじ

「熱および仕事の変化は最初から最後の状態へ変化する道筋に依存する」というのが分かりません。 道筋に依存しないとされる体積、エネルギーなどの変化とどう違うのでしょうか?

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noname#221368
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回答No.3

 #2です。すいません、添付図を忘れました・・・(^^;)。

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noname#221368
noname#221368
回答No.2

 以下、気体の場合で考えますが、気体でなくても同じです。  Pを圧力,Vを体積,Tを温度としたとき、気体の「状態」は、(P,V,T)を与えれば、決まりますよね?。それは理想気体の状態方程式 PV=nRTなんかを考えれば、明らかと思います。  逆に(P,V,T)は、「その瞬間」の「気体の状態」だけで決まります。だって、風船に温度計を突っ込めば、「その瞬間の温度」が測れます。風船に圧力計を貼れば、「その瞬間の圧力」を測れます。風船の体積は、どう見たって「その瞬間の体積」です。  (P,V,T)にように、「その瞬間の系の状態だけ」で決まる量を、熱力学では「状態量」と言います。いいかえれば、今この瞬間の(P,V,T)の状態になるまでの、過去の(P,V,T)の値に関わらず、現在の(P,V,T)は、現在の(P,V,T)で表される気体の状態で決まります。以上は馬鹿みたいに当然で虚しいですが。まぁ~定義とはこんなものです。そして(P,V,T)意外に状態量はないのか?、と考え出すと、状態量の定義は虚しくなくなります。  (P,V,T)で熱力学的系の状態は決まる事を、最初に認めます。そして(P,V,T)の間には、一つの関係式が成り立つ事も認め、これを逆に状態方程式と呼びます(PV=nRTなど)。そうすると、(P,V,T)の内の2つだけで、系の状態は定まる事になります。残り一個は、状態方程式から逆算できるからです。(P,V),(V,T),(T,P)の組み合わせの内、どれを選ぶかというと、普通は(P,V)を選び、系の状態変化を表すP-Vグラフを考えます(添付図)。気体のした仕事を、絵にできるからです。  具体的に言うと、添付図の状態AからBへ向かう矢印曲線が、変化の道筋です。Aが最初の状態であり、Bが最後の状態なのは、もちろんです。矢印曲線の上の各点は、「その瞬間の系の状態」を表すので、曲線全体は「状態変化の道筋(経路)」と呼ばれます。  次に熱力学の講義では、エネルギーが状態量であるとする動機付けが語られますが、その動機付けは、本来は熱力学に含まれない支援情報であり、そこは余り強調されないかも知れません。支援情報とは、   ・気体の(系の)内部「エネルギー」は、力学的なものである. という予想です。具体的に言うと、気体の(系の)「エネルギー」とは、系を構成する分子(原子)の運動エネルギーと、分子(原子)間に働く、分子間力の位置エネルギーの和である、という事実です。これを認めると、2つの実験事実から、系の「エネルギー」が、状態量である事を導けます。  一つ目は、熱と仕事はエネルギーに対して同等に作用するという、熱と仕事の等価性を示したジュールの実験です。そこで、熱力学において系のエネルギーが、力学的なものである事を確認したいならば、断熱過程を考えるべきだ、となります。熱移動による系のエネルギー変化を無視できる状態を、設定するわけです。このとき内部エネルギーの変化は、系がした(された)仕事のみになり、それはP-Vグラフの、変化の道筋とV軸で挟まれた面積として計算できます。仕事の変化 dL=その時のP×体積変化dVだからです。  添付図の「断熱過程」と書かれた部分がそれで、実際に断熱膨張なり断熱圧縮させると、ほっとけば自然に変化経路を正確に逆戻りして、A→B→Aの変化が終わった後では、系がした(された)仕事は、L-L=0になります。  系がした(された)仕事とは、系の力学的エネルギーの増減を表します。それがA→B→Aの変化で最初の状態に戻ったとき、増減0であるとは、系のエネルギーは、PとV(とT)で決まる事を意味します。従って、系のエネルギーは「その瞬間」だけで決まる、「状態量」です。   ※ちなみに「このケース」では、「仕事も状態量」になります。その意味は、考えてみて下さい(^^)。  では、A=Bであるような一般の場合は?と考えると、添付図のような「サイクル」になります。このときは、L≠0なので仕事は「状態量ではありません」。何故なら、最初の状態AではL=0なので(仕事をしていないので)、A→B=Aに戻った時、Lが状態量なら、「サイクル」で囲まれた面積Lは、0でなければいけないからです。しかし面積L=0なら、全ての熱機関は成立しないので、一般にはL≠0が現実です。L=0になるのは、断熱過程のような、特殊なケースです。だから仕事は「道筋依存」で、「状態量ではない」事になります。  それでも熱と仕事の等価性と、力学的エネルギー保存則を信じれば、   U-L-Q=一定.    (1) にはなるはずです。上式でUは系の内部エネルギー,Lは系がした仕事、Qは熱エネルギーの総移動量(移動熱量)です。Uは状態量で、Lは状態量でありません(一般には)。「一定」は一定なので、(P,V)にも依存せず、どう考えても「状態量」です。U-(L+Q)=一定と考えれば、(L+Q)は状態量でなければなりません。状態量から、状態量でないものを引いて、状態量になる訳ないからです(数学的に)。  Lは非状態量でした。従ってQは、Lの非状態量特性を打ち消すような、Lに対して逆向きの非状態量特性を持たなければなりません。従って熱エネルギーの総移動量(移動熱量)Qも、非状態量です。  (1)はふつう微分形で書かれます。   dQ=dU-dL.    (2) がそれです。dUは、系の力学的エネルギー変化を表し、熱の出入りがなくdQ=0なら、dU=dLとなって、仕事をした(された)分だけ系のエネルギーは減る(増える)と読めます。力学的エネルギーの変化分dUとは、仕事そのものdLの事です。熱力学では、そこに摩擦熱なども考慮するので、dQ≠0のケースも考慮します。その根拠は、ジュールの実験などです。  従ってdQとは、熱エネルギーの変化分を表し、それをふつう熱または熱移動と呼びます。仕事は状態量でなくても(力学的)内部エネルギーが状態量であるように、移動熱量Qは状態量でなくても、熱エネルギーは状態量になるケースも存在します(例えば理想気体)。このように、エネルギーとその移動量(力学的エネルギーと仕事,熱エネルギーと熱)には、概念的に微妙な違いがあって、単位が同じだけに、最初は混乱するかも知れませんが、そのうち慣れますよ(^^)。  (2)を、   ・熱力学の第一法則(エネルギー保存則). と言います。

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回答No.1

仕事を考えるのが簡単です。 p1, V1の状態からp2, V2の状態へ変化するときに [1]p1等圧でV1からV2、その後V2の等積でp1からp2 [2]V1等積でp1からp2、その後p2の等圧でV1からV2 という二つの変化を考えると、等積変化は仕事をしないので [1]の仕事 W1 = p1(V2-V1) [2]の仕事 W2 = p2(V2-V1) となり、W1, W2はひとしくありません。これを道筋に依存すると言います。 体積やエネルギーはこうはなりません。たとえば、1モルの理想気体の体積は状態方程式 pV = RT があるので、温度と圧力を指定すればどのような経路でそこに到達しても同じ体積です。

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