- ベストアンサー
PWMインバータの制御方式について
PWMインバータの制御方式は、同期変調と非同期変調があると聞きましたが、実際に採用しているのは非同期変調がほとんどだと思います。同期変調が採用されない理由や問題点を教えてください。
- 52065
- お礼率48% (18/37)
- その他(学問・教育)
- 回答数4
- ありがとう数4
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
同期変調方式で、モータ電流半サイクルあたりのキャリアパルス数をNとすると、Nはモータ電流周波数に逆比例します。つまり、低回転域ではNが大きくなります。 列車発車時のなめらかな速度上昇は、乗り心地に影響を与えるので重要です。しかし停止から時速数kmまでのあいだの速度制御をなめらかにするには、大きなNの値をたくさん用意し、しかも短時間で切り替えなければなりません。発車からわずか十数秒間の動作のためだけに、回路規模を何倍も大きくし、部品点数増加により故障率が増大することをも受入れるかどうかは、設計者の判断によります。 低速領域を非同期変調で、高速域を同期変調で、というのは、折衷案のようにも見えますが、実際の運用にあたって、同期変調回路に故障が生じても、非同期変調回路が生きていれば、のろのろ運転ながら列車を動かす事ができ、危険回避できます。つまり二回路持つことはバックアップとしての意味もあるでしょう。もともとは、GTOのスイッチング速度が低速であることから生じたいろいろな技術的制約の中で、最もバランスの良い設計を追及したらこのようになった、ということではないかと思います。
その他の回答 (3)
- LCR707
- ベストアンサー率70% (95/135)
補足説明、ありがとうございます。 #2さんの参考URLも拝見しました。鉄道車両用インバータですか。私の知らない世界ですね。 知らないにもかかわらず、回答しようとしていますので、回路設計上の観点から見た、推測を交えた話になります。 鉄道車両用モータは、高電圧大電流なので、これをスイッチングできる素子は限られます。現実にはゲートターンオフサイリスタ(GTO)かIGBTでしょう。 2800V耐圧、600AクラスのGTOは、ターンオン時間、ターンオフ時間、テイル時間などを加えると、50μS位になります。1周期中のこれらの時間を1割にしようとすれば、スイッチング周波数は、2kHz位になります。実際はもっと低いかも知れません。どちらにせよ、もろに人間の可聴周波数範囲に入ります。 また、車両用モータは、60Hz定格なのか、あるいは400Hz定格位の高周波モータなのか知りませんが、車両速度が変わると、モーター電流の周波数も変わりますので、非同期変調であれば、キャリア周波数との間でうなりを生じます。これは乗客にとって、うるさい騒音になるでしょうし、モーターにとっても、電磁力の変動ですから、好ましくないでしょう。そこで、モーター電流の周波数を基準にし、キャリア周波数はモーター電流周波数のN倍にして追従させれば、うなりは生じません。モーター電流周波数が高くなって、キャリア周波数が高くなりすぎれば、Nを減らし、キャリア周波数を下げます。このような同期変調の仕組みによって、うなりも無く、またキャリア周波数もある範囲におさまる制御ができます。(詳しくは#2さんの参考URLを見てください) 同期変調は、比較的複雑な制御ですから、アナログ回路だけでは実現できないでしょう。N分周カウンタが必要ですから、どうしてもデジタル混在回路になり、回路規模も大きくなります。むしろ、マイクロプロセッサによる制御にしたほうが回路も簡単になります。キャリア周波数が低いので、処理時間の問題も無いでしょう。 IGBTになると、上記GTOと同等クラスでも、スイッチング時間は1桁短くなります。従ってキャリア周波数も1桁上げることができ、可聴周波数範囲ぎりぎりになりますし、遮蔽による防音効果も大きくなります。また、モーター電流周波数との周波数差が大きいので、うなりの心配もあまり無いでしょう。従って、IGBTによるインバータ回路で上記のような同期変調を行っているかどうかはわかりません。いわゆる非同期変調で充分という気もします。 ところで、制御用マイクロプロセッサに内蔵されているPWM発生回路は、カウンタや大小比較器などからできています。システムクロックを分周したクロックでカウンタを動作させ、キャリア周波数を作ります。PWMとなるパルス幅のデータは、ハードウエア割込みや、DMA転送によって与えます。普通はキャリア周波数を固定にし、パルス幅データの与え方やデータ自体を変えてモーター周波数を変えます。 ここで、もし、システムクロックの分周比を変えれば、キャリアとモータの周波数比が一定の同期変調ができます。ただし、一般にシステムクロックの分周比はあまり大きくないので、なめらかな周波数変化は期待できません。また、PWM回路自体、動作中にシステムクロックの分周比が変わることを想定していないかも知れません。つまり、最近の一般的なPWM発生回路は、非同期変調を前提にしているので、これで同期変調を行おうとすると、いろいろ複雑なことになりそうです。 将来、ハイブリッドカーや電気自動車がもっと普及して、エンジン音ではなく、インバータのノイズの音色にこだわるマニアが増えたとしたら、そのインバータに同期変調が採用されるかも知れません。単なる空想ですが。 以上、とりとめのない話になりました。いくらかでも参考になれば幸いです。
補足
大変ご丁寧な説明を頂きありがとうございました。また、ご連絡が遅くなり申し訳ありませんでした。 上記の補足で近年主流になりつつあるIGBTでの非同期変調を採用している理由はわかりました。しかし、スイッチング周波数の遅いGTOで、モータ起動時の初期から同期変調としない理由が今ひとつ理解できずにいます。モータ起動時から同期変調として、徐々にパルス数を減らす方法を採用せずに、モータ起動時のみ非同期変調で、ある周波数から同期変調としている理由がお判りでしたらお教え願います。
- Ichitsubo
- ベストアンサー率35% (479/1351)
灘高校鉄道研究部のページですが非常に分かり安説明がありました。 同期変調、採用されていますよ。
- LCR707
- ベストアンサー率70% (95/135)
こんにちわ。 「PWMインバータの制御方式における、同期変調と非同期変調」というのは、あいにく聞いた事がありません。 何と何を同期させるのでしょうか。補足説明をお願い致します。
補足
補足が遅れて申し訳ありませんでした。 質問の文章が適切でなかったことをお詫び致します。 信号波と搬送波が同期、非同期と言うことです。
関連するQ&A
- インバータの変調方式に関する質問
インバータの変調方法、特にPWM方式についての質問です。PWM方式には、三角波比較法と空間電圧ベクトル変調法がありますが、モータ制御の際にどちらの方式を用いるかによって、インバータから出力される電圧、 電流、周波数、モータの駆動に何か違いは生じるのでしょうか。また、モータ制御における三角波比較法と空間電圧ベクトル変調法のメリット・デメリットも教えていただきたいです。
- 締切済み
- 電気・電子工学
- PWMインバータについて
PWMインバータについて (1)回転速度えお周波数のむで制御するとどのような問題があるか? (2)V/f=一定制御法とは、どのような制御法か? (3)電圧も変化するがトルクはどのようになるか? できれば図や式いれてくれ説明してもらうとたすかります。
- ベストアンサー
- 物理学
- インバーター(PWM)の出力波形
(1) 書物から、電圧形電流制御型のPWM制御のインバーター出力は、電圧波形が方形波、電流波形がほぼ正弦波、そして、この方式が太陽光発電機のパワコンに多く用いられている、と学びました。 しかし、商用電圧が正弦波なのに、パワコンの出力が方形波では、同期が取れず系統連系できないはず、と思いますが、問題ないのでしょうか。 それとも、実は、電圧波形は方形波ではなく正弦波なのでしょうか。 (2) パワコン出力波形(電圧と電流)の分かるサイトも教示いただければ幸いです。
- ベストアンサー
- 科学
- 複合PWM方式とはなんでしょうか?
制御方式の中の複合PWM方式とはどのような方式なのでしょうか? 正弦波三角波比較方式とは別ですよね? どなたか教えて頂けないでしょうか。 そういった説明のあるサイトなどもあったら教えてください。
- 締切済み
- 物理学
- ACモータのインバータとDCモータのPWM制御の違い
よくインバーターを付けると省電力とか聞きますが、 DCモータのPWM制御では省電力になるのでしょうか? 素人なもんでわかりやすい回答をお願いします。 また、PWM制御の簡単な説明みたいなものも出来たら お願いします。(参考URL、おすすめの本なども教えて ほしいです。)
- ベストアンサー
- 科学
- DCモータのPWM制御について
DCモータのPWM制御について素人でもわかるような説明(短所長所など)または参考本&URL等、誰かおしえてください。 ACモータでのインバータとなぜわけるのか?大きさ・容量等に制限があるのか? また、インバータではよく省電力等いわれているが、DCモータのPWM制御を しても省電力になるのか? 素人なので何を調べればいいのかわからないのでご教授ください。 よろしくお願いします。
- 締切済み
- 電気設計
- ACインバーター制御IC
ACインバーターの制御ICを探しています。 直流からPWM制御でフルブリッジを駆動して、LCを通して単相のAC出力を 得るものです。 通常はそれぞれ専用のCPUを使っていて、汎用品が見当たりません。 モーター用のインバーターではありません。 モーター用のインバーターは周波数を可変にするもので、電圧を変えたい ので、広範囲でPWMのDUTYを変える必要があります。 スイッチング・レギュレーター用の制御ICは直流用ばかりです。 交流ですので、リファレンス電圧に交流を加える必要があります。 よろしくおねがいします。
- 締切済み
- 電子部品・基板部品
- インバータの実験を行い、PWM波形を撮ったのですが、このPWM波形の方
インバータの実験を行い、PWM波形を撮ったのですが、このPWM波形の方形波が正弦波形となる理由とは何なのでしょうか? なぜこの波形が正弦波形なのかと聞かれて、理由がわからなくて困ってます。 回答よろしくお願いします。
- 締切済み
- 物理学
- PWMインバータにおけるデッドタイムの相電圧に対する影響
今回は、PWMインバータのデッドタイムが 「相電圧にどのように影響するのか」、 その原理を伺いたく投稿させていただきました。 PWMインバータは一般的にデッドタイムを考慮し スイッチング制御していると思います。 そこで実際に実験ユニットでデッドタイムを 設定し、測定をしてみました。 (正弦波・三角波比較変調にて) すると、出力相電圧がデッドタイム時間だけ 遅れて立ち上がり、「+1/2E」「-1/2E」の2レベルの パルス波形となっていました。 (電源の中性点をグランドに取った場合) これは参考書などの原理と合っています。 しかし、私はどうも納得できません・・・。 デッドタイムの間は「上スイッチ・下スイッチ」が 両者ともオフしているということは、その時間の 出力相電圧は零レベルになるのでは・・・?。 つまり相電圧は「+1/2E」「0」「-1/2E」の 3レベルとなるパルス波形になると考えていました。 なぜこのような現象が起きず、デッドタイム分だけ 綺麗に相電圧の立ちあがりが遅れるのでしょうか? この原理を知っている方がいれば、 教えていただけますでしょうか? 分かりにくい説明で申し訳ございませんが どうか宜しくお願いいたします。
- ベストアンサー
- 物理学
- PWMとPAMの違いについて
PWMとPAMの違いについて PAMは「パルス振幅の高さを変えて、平均電圧を制御する」であっているようなのですが PWMは「パルス幅変調の幅を変えて、平均電圧を制御する」では違うみたいなのです PWMについて どうかできるだけ詳しくお願い致します
- 締切済み
- その他(学問・教育)
お礼
ご連絡が遅くなりました。 ご丁寧な回答を頂きまして、有難う御座いました。前回の回答と併せて、よく理解ができました。