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アメリカ上院の一票の格差

アメリカ上院の一票の格差 近年の参議院選挙のあとには必ずと行っていいほど一票の格差を理由にした選挙無効の訴えが提起されますが、米国において上院での一票の格差が問題にされることはあるのでしょうか。

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  • kusirosi
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回答No.1

アメリカは、 厳密な立憲政治の国なので、 アメリカの場合、 まず連邦下院については、(修正第14条で少し変更されているが)合衆国憲法第2条3項に、「人口に比例して配分する」という趣旨が書かれている。 連邦上院は「各州2名」(つまり人口比例ではない)ということが書いてある。 ので、 連邦上院については あまり、問題にされない。 対して州議会の上院については 連邦最高裁の判例が、示されている アメリカは連邦制であり、議会も「連邦議会」と「州議会」の2層制になっている。そして、連邦に上院と下院があると同様、各州議会も上院と下院を持っている(ただし上院の無い州が1州ある)。 実はアメリカでも、1900年頃から、徐々に議席配分や選挙区割りをめぐって訴訟が起こっていたが、裁判所はなかなかその訴訟を取り上げなかった。特に1945年の「コールグローヴ」事件判決が有名で、「(議席の)再配分に関する事件は“政治上の問題”であり、裁判所は政治の茂み(領域)に立ち入るべきでない」と、裁判所は門前払いを繰り返していた。 こうして裁判所が扱わないため、アメリカの議会の議席配分は非常に不平等な状態で放置された。例えば、1960年のアラバマ州議会では、「一票の価値」の最小最大比が、上院で41倍、下院で15倍と、現在の日本以上の格差があった。他の州も数倍~数十倍の格差があり、極めて不平等な議席配分であった。特に、農村部に多く配分され、都市部に少ない配分であった。1960年代までは、アメリカでもこのような状況で、都市部住民からの不満が高まって、多くの訴訟が提起されるようになった。 「レイノルズ」事件(1964年6月15日 連邦最高裁判決) アメリカのアラバマ州議会の上院の議席配分が連邦憲法に違反すると判断した「レイノルズ事件」で、ウォーレン裁判長の書いた多数意見は有名である。 「立法者は、木や土地ではなく、人民を代表する。立法者は、農場や都市や経済的利益によってではなく、有権者によって選出される。・・・住む場所のために投票のウェイトが薄められるのは、人種や経済的地位に基づく不愉快な差別とまったく同様に、修正第14条(平等保護条項)のもとにおける憲法上の諸権利を侵害するものである。」 「立法者は、木や土地ではなく、人民を代表する。」というフレーズは非常に有名であるが、これが、下院でなく、上院についての判決であることが重要である。 アメリカの最高裁の判例はこの頃ほぼ確定し、全国50州のうち約40州で70件ぐらいの訴訟が起こった。立法府もそれに応じて、約20ヶ月(2年弱)の間に、多くの州が定数を是正した。「再配分の嵐」と呼ばれている。

flameflame
質問者

お礼

上院に関する合衆国憲法の条文は第1条第3節ですね。 連邦上院の定数については国家制度の根幹のひとつであり、個人単位での平等という考えとは別の論理であるということが国内に浸透しているから、ということだと理解しました。 ありがとうございました。 下院の定数は第1条第2節でしたので補足として書いておきます (第2条第1節第3項は大統領選挙に関する規定)

その他の回答 (2)

  • simotani
  • ベストアンサー率37% (1893/5079)
回答No.3

米国上議員の定数は各州2名で、 任期6年、2年毎に1/3改選 (だから改選をしない州が毎回出る) 各州2名と固定だから問題無い。 日本の参議院も都道府県各2名の計94名なら違憲訴訟不能に。 それくらいの覚悟が政治家には必要だが、 日本には政治家は殆ど居ない。大半が政治屋だから無理。

flameflame
質問者

お礼

平等について考えずに回答を書いて政治家批判をしても恥ずかしいだけです

回答No.2

 ありません。 そもそも、日本国憲法と同じく、法の下の平等が規定されていますが、 アメリカ上院は、憲法上で定数が規定(各州2名:総数100人)され、投票較差は制度的に是認されています。 日本の参議院も法的に議員定数を制定し、議院の性格付けを立法化すれば、投票較差の問題は発生しないと解釈されます。 (私個人は、上記のような立法裁量権を肯定的に認める立場ではありません)  下院に関しては、格差是正訴訟は行われていて、1.2倍の較差すら違憲とする判決も出ている(連邦裁ではないが)  最高裁判例でも、アメリカ上院型(ドイツ参議院型)の自治体から数名選出する部類の議会制度も参考にする趣旨が指摘されていますし、参議院改革の諮問委員会でも指摘されている  議員定数に関しては、立法裁量権を憲法が認めていることからも、司法が明確な投票較差の憲法判断を下せないのが過去の支配的な司法見解だが、”較差是正の立法措置が見られない”ことから、参議院では違憲(違憲状態)判決が多発している状況です。    最高裁判例 http://www.doyukai.or.jp/kakusa/New/sun_hanketsu090930.pdf 金築誠志裁判官の個別意見にアメリカ上院の事例との比較論があるので参照 (PDFの17pから) <要諦> 投票価値にある程度の不平等が生じることは合理性を欠くものではないと認めてよいが,我が国の参議院は,連邦制国家における上院のような存在ではなく,組織原理を衆議院と全く異にするものではないのであるから,都道府県代表的意義という理由をもって較差を合理化することには,憲法上限度があるというべきである。  参議院改革協議会の見解(参議院憲法調査会 二院制と参議院の在り方に関する小委員会調査報告書より) http://www.sangiin.go.jp/japanese/aramashi/ayumi/zenbun.html  さて、長く書いたが、アメリカの投票較差に関しては、参考資料はそれなりに転がっている アメリカだけを取り扱った資料で日本語のものは少ないが、日本の投票較差をメインにした資料を紹介しておきたい http://www.doyukai.or.jp/kakusa/040426koen.htm http://www.kisc.meiji.ac.jp/~kokkaron/syoukai/ippyou.html

flameflame
質問者

お礼

参議院も法的に議員定数を制定し、議院の性格付けを立法化というのは、(そのあとに立法裁量権とあることから)通常の法律での制定を指していると思われますが、憲法14条の方が上位に有る限り、一票の重みの格差の問題がなくなるとは思えません。

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