解決済みの質問
日本国内では
「憲法が条約よりも優位である(優先される)」
というのが通説です。
砂川事件最高裁判決(最大判昭和34年12月16日、刑集13巻13号3225頁)も、日本の裁判所が条約の違憲性を判定することができるという立場で示されています。
つまり、憲法を基準にして条約を評価するという考え方ですから、最高裁判例も憲法が条約よりも優位であると考えていることになります。
これに対して、国際法の世界では
「条約が憲法よりも優位である(優先される)」
という原則が既に19世紀には存在していました(1875年のモンテホ事件)。
判例としては、ダンチヒのポーランド国民の待遇事件(1932年)において、常設国際司法裁判所が
「国家は他国に対して自らの憲法を発動して国際法や有効な条約に基づく義務を逃れることは出来ない」
と明言しています。
また現在では、条約法に関するウィーン条約(=条約法条約)第27条において
「当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない」
と規定されています。
ここでいう「国内法」とは1つの国が有する全ての法体系を指すので、当然に憲法も含まれています。
上述した昔からある国際法の原則を条文化したものです。
なぜ国際法の世界において自国の憲法を理由に条約に違反することが許されないかというと、そもそも条約は自国の意思で自由加入するものであって、各国は条約に加入する前に自国の憲法・法令と矛盾しないかどうか確認するのが当然だからです。
条約に加入しておきながら、後から
「我が国の憲法に反するので、その義務は果たせません」
などと言い訳するのは、国家間の約束を反故にする行為であって、許されません。
条約加盟国は、条約の中に自国の憲法・法令と矛盾する条文があったならば、加入する際に
「この条文には従いません」
と断った上で加入することができる(「留保」といいます)ので、その時に何も留保を付さないまま、条約の内容をよく検討せずに加入する方が悪いのです。
以上の理由により、国際的な場面では、条約が憲法よりも明らかに優位です。
投稿日時 - 2010-04-09 10:20:09
お礼
ご回答ありがとうございました。
日本と世界の意見は違うのですね。基準は統一してほしいものです。
投稿日時 - 2010-04-10 15:45:57
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