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もともと日本語には「ん」の発音はなかったのでしょうか
いろは歌でも「ん」は最後にとってつけたように置かれていますが、漢語には「ん」がたくさん出てきます。音便で神田のカンダのような例はありますが、やはり日本語には「ん」の発音はなかったのでしょうか。
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- SPS700
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#3です。 ちょっと忘れていたのですが。上代には嚼む(かむ)という4段動詞の活用形「加美而(カミテ)」が記の神代に出ています。これが平安になると撥音便でカンデになります。 同じ過程で、もとはカミタ(神田、多分収穫した米を神に供える田んぼのことでしょう)が平安時代になると、カンダになり、今の地名になったのかもしれません。 山口県にトンダという地名がありますが、当てた漢字が「富田」ですから、同じような過程を経たのかな、と思います。 漢字音は三内鼻音といって、m、n、ng の三種の終わりがあり日本語に輸入されたときは三つ区別されていました。 -m 例えば「三」は m の両唇鼻音に終わり三位を「サンミ」と読むのにその名残りがあります。同じ両唇音ですが閉鎖音に転じた例には「三郎」を「サブロウ」と読むのに残っています。 -n これは主として「ニ」と母音を付けて取り入れられ、数少ない上代の例では婆羅門が「バラモニ」、檀越が「ダニヲチ」となっています。 -ng はおおく「う」または「い」と書かれ、「ん」とは縁の無いものが多くなりました。「東」(とう)「英」(えい)などはその例です。 纏めますと「ん』は、撥音便か、-m と -n で終わる漢字音がその源流で、上代にはなく、平安になって音便と漢字音の普及とともに出来た、と言ってよいかと思います。
上代に「ん」が存在しなかった、平安以降に誕生した仮名である、というところまでは答えが出ていますので、ほんの少し書き足してみたいと思います。撥音から発生した「ん」ももちろんのことですが、「観音(くゎんのん)」など一般名詞の中にも「ん」という発音自体は存在していたわけで、上代には万葉仮名としては、つまり文字表記としての「ん」は無かったということでしょう。平安時代に「毛」という文字から平仮名の「ん」が生まれました。平安時代は「ん」は「む」や「も」のかなで表していましたが、藤原俊成や藤原定家らが「ん」を撥音専用のかなとして用い始めました。その頃以前には撥音専用のかなはありませんでした。なので、文字表記としての「ん」は平安後期に生まれたものなのです。
お礼
音の発生と、それを現す字の発生とは時間がずれるということですね。ありがとうございました。
- SPS700
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古い日本語の記録は万葉仮名によりますが、その表、例えば三省堂の『時代別国語大辞典上代編』の890-903ににある万葉仮名一覧表には、「ん」がありません。 平安時代になると音便が現れますが、「このような音便の増加は、平安初期における漢詩文の隆盛、漢語(字音語)の使用と無関係ではなかった。象徴音(擬声語・擬態語)としては存在したであろうが、音韻として定着することのなかった撥音(=「ん」)」と上記辞典、21ページの上代語概説にあります。 これで上代に「ん」は音韻としては存在しなかったことが分かります。
- kogotokaubewe
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> もともと日本語には「ん」の発音はなかったのでしょうか どうもそのようです。中国語の影響で用いられるようになったということでしょうね。 ウィキペディアの「ん」の項には、歴史的なことは余り触れられていないように思いますが、ネット検索してみると以下のような記述がありました。 ◆http://myhome.cururu.jp/letsfun/blog/article/61001499921 > 撥音はいつできたのか (途中略……ぜひ元のページをご覧ください。) > 撥音は音声的には存在していたかもしれないが(奈良時代)、音韻的には存在し > なかったそうです。そして撥音と促音は平安時代になって確立したようで、音 > 韻として定着したのは平安末期以降と見られているようです。 音声的? 音韻的? ウィキペディアの「音韻論」には以下のような記述があります。 > 音韻論(おんいんろん、phonology)は、言語学の一分野。言語音が、言葉の構成要素としてどのような働きをするかと言う、機能の側面を研究する分野である。音声学に依拠する研究分野だが、音声学との相違は、音声学があくまである言語音(発話に基づく)の「音」そのものに焦点をあてるのに対し、音韻論は、音声のより抽象的な側面に焦点をあてる点にある。 ◆ http://japaneseteachertext.seesaa.net/article/120132372.html > 日本語は基本的にCV構造だったのですが、漢語(昔の中国語)の影響を受けて >「拗音」や「撥音」や「促音」が生まれました。 ご存じとは思いますが CV構造=子音と母音の組み合わせ 拗音=「ゃ・ゅ・ょ」の付く音、撥音=「ん」、促音=「っ」 ですね。 ◆http://blogs.yahoo.co.jp/woodyaware/10024547.html > 『日本語の歴史』を復習していると、奈良時代には撥音・促音・拗音は無かった、 > という記述があります。 取り急ぎご報告まで。詳しい方の説明を私もお待ちしております。
お礼
勉強になりました。どうもありがとうございます。
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