人生に意味などないことは明らかで、それ故そろそろ死のうかと思っているのですが

質問

とても下らない質問です。
お忙しい方は、どうぞ無視してくださって結構です。

さて。
こんな状況を想定してください。

ある理系の高校生がいます。
唯物論的世界観を有する彼にとって、世界は極めてシンプルです。
彼にとっては、科学を前進させること、人の役に立つ技術を開発することのみが、究極的には唯一、真に意義があると思われる命題です。
なぜ彼がこれほど単純な世界観を有しているかと言えば、それは彼がそれまで「自分」や「世界」について真剣に考えたことが一度もなかったからです。
幸い彼は、数学、物理などの理系分野にそれなりの才能があったので、世間では一流大学と呼ばれている大学の工学部に進学します。

大学生活の中で彼は、「哲学」と言うものに初めて出会います。
これがあらゆる不幸の始まりです。
「哲学」と言う名のウィルスは、少しずつ、しかし確実に彼の精神を侵食し始めます。
彼は「哲学書」という書物を読み漁るようになります。
この「哲学」という名の凶暴な悪性ウィルスが、彼の薄っぺらな世界観をすっかり転覆させてしまうのに、それほどの時間はかかかりませんでした。
彼はたちどころにそれまで信じて疑わなかった、「人生の意味・目的」というものを失います。それどころか、今後二度と以前のような意味での「人生の意味・目的」を得ることはできないことを確信します。
これはもちろん彼にとって、受け入れがたい苦難でした。それ故、彼は何度もそれらの書物を読み直し、そして考え直しました。しかし、どのように考えても、存在論的な基盤の上にある西洋哲学からは、人生の意味や目的を見出すことは不可能のように思われました。そして、それを承知でなおもそれら解決不可能な問いを探求し続けるのが哲学だと言うことに、ようやく気付いたのです。

人生の無意味、さらに言えば、存在の無意味に気付いてしまった（と少なくとも当人は思っているようです）彼にとって、残された道は二つしかありませんでした。素知らぬ顔で、残りの人生を過ごすか、あるいは無意味、無目的に耐えながら日々を過ごすかです。不器用な彼がとることができる道は、後者のみでした。それ以来彼は、数年にわたりシューシュポス的な日常に耐え忍んできました。

もちろん、取り付かれてしまった病を克服する努力はしてきました。
論理を超えたところに光があるのではないかという淡い希望にすがりながら、彼は宗教書や文学を読み漁りました。あるいは西田幾多郎や鈴木大拙などと言った東洋の思想も読みました。

一時はそれらによって、絶望を打ち破ることができたように思われました。
しかし、ダメでした。
３年前に、彼はうつ病と診断されてしまいます。
それ以来、投薬治療や認知行動療法などを続けますが、そんなものが効くはずはありません。彼にはそれが誰よりもわかっていました。何故なら彼は、本当はうつ病ではないからです。うつ病だったらどんなに楽だろうかと思いました。うつ病ならば、抗鬱剤で快方に向かいますが、デンマークの哲学者が名付けた彼の病の特効薬は「死」しか存在しないからです。

それ以来彼は、死に対する憧れを抱くようになりました。
夜眠りについて、そのまま一生起きることがなかったらどんなにいいだろうかと思いました。ただし、自殺を実際に行動に移すだけの勇気も、気力も、彼にはありませんでした。

もちろん、彼が自殺を思いとどまってきた理由は他にもあります。それは、家族、友人の存在です。彼が自殺をすれば、友人は猛烈な自責の念に苛まれ、両親は今後一生立ち直れないであろうことは、彼にはわかっていました。それゆえ彼は、それらの人々の為だけになんとか生きているといってもいい状態でした。しかし、忍耐にもそろそろ限界が来てしまったようです。

彼はそろそろ死のうかと思っています。
もちろん彼の死に一握りの悲劇的要素もないことは、彼自身が誰よりも承知しています。
何よりも無意味な死、犬死です。

しかし、彼の悩みが彼固有のものであると思うほど、彼はバカでもうぬぼれてもいません。
それどころか、数え切れないほど多くの人が、同じような問いに悩み、それを乗り越えてきたことを知っています。しかし、数千冊の書物から彼が導き出された結論は、それらの問いを乗り越えることとは、結局妥協によってのみ可能だと言うことです。
ただし、これは彼の結論であって、あなたの結論ではありません。
彼は、レヴィナス風に言えば、少なくとも「他者」を「私」ではない「他者」として認識するだけの謙虚さは持っているようです。

そこで彼は、インターネットと言う媒体を使って、「他者」にたずねてみることにしました。

彼の病を克服する「知恵」を、教えてあげてください。

回答No.22

winngu11

もう一度回答させてくださいね。

あなたは別に姑息ではありませんよ。
今の日本の環境は物質至上主義で、人間に関して本当に考えなくなりました。
あなたが大学生と聞いて、それでいて死を考えると言えば、「親のすねをかじって」「やりたくないなら働け」そのようなことしか返ってこないのは、その悪辣な至上主義のなせる技でしょう。

でも、それを本当は本人が全く望んでないとしたら？
幼少期から、自分の好きなことは何もできず、他人の言いなりになり続けたとしたら、そこは監獄や地獄ではないでしょうか？
なぜ大学生だと恵まれて見えるのでしょう。
好きでもない道を進み、その費用をまかなってもらってるからでしょうか？ご飯を食べさせてもらってるから？

まるでブロイラーです。こうあれと言われた以外、つまり食肉となる以外の人生は用意されてません。
それが今の日本社会です。
人間は、人間としての教育、そして人間としての生き方があります。
それは他人に干渉されずに、暖かくバックアップしてもらうこと。
質問者さんのように、若い方は地域社会や親の教えが偏る場合、そこから抜け出すのは悪質な宗教から抜け出すようにつらいことなのです。
場合によっては周りのすべてからこう生きなさいと洗脳を受けているのですから。

そんな時に哲学や宗教本など読めば、世の中が嫌になって当然です。
宗教や哲学の本には「他人のために身投じる」ようなことが書いてあるのですから。今までさんざん我慢してきたうえに、自我がやっと形成されてきたと思ったら出会った本がこれだからバツが悪すぎです。

あなたは岡本太郎さんが好きなんですね。
私も好きですよ。自分の好きな芸術を、あれだけのパワーで描いている人はそうはいないでしょう。

私の会社という洗脳施設から、脱皮するのにそれは苦しかったことがありました。
あなたのように、すぐれたところがなかったからまだ私はよかったのでしょうが。

今私は主婦ですが、この歳になって好きだった洋裁を本格的にやっています。たぶん家の人のものを直したり、知りあいに作ってあげる以外なんの役にもたたず、功績もゼロですが、自分の中では作るものひとつひとつが人生の山道です。
好きだった絵もこれから始めます。

私があなたと同じ歳の頃は、あなたのように死こそ思いませんでしたが、プチ家出くらいは繰り返してましたよ。
あなたより全然モノシラズだし、考えナシです。
１０代後半から２０代前半までは放浪の時期です。
今は苦しいでしょうが、必ず生きる限り希望の光は見えてくるはずですよ。

お礼

ありがとうございます。

多くの回答者様がご指摘の通り、おそらく自分は余りに社会を知らなすぎるのだと思います。それ故、過度に潔癖で、完全主義で、人間の醜悪な部分を見ることに耐えられないようです。もちろんその厳しい視線は、自分の内に対しても向けられ、余りに破滅的な人格を創り出しているのかもしれません。

社会を知るということは、１か０かと言う思考を捨てて、１と０の間にあるものを全て許容することなのかもしれませんね。しかし、何かを「信じる」とか、何かを「受け入れる」というのは、思考を身体性にまで昇華させることです。それは私が予想していたよりずっとずっと努力と忍耐の伴うことのようです・・・。私はもう疲れました。

これもまた多くの方のご指摘の通り、今後大学を卒業し、仕事を得て、人様の為に汗水たらして働けば、このような悩みなど忘れてしまうであろうことは予感しております。
だからこそ、今しかないのです。
今自分の命をかけて向き合わなければ、今後二度とそのチャンスは来ないような気がしてなりません。
だから私はいたって真剣です。
生きるに値しないと確信すれば、本当に死ぬ気です。

そしてこれは蛇足ですが、こういった悩みを持つ同年代の若者は、いま非常に多いのではないでしょうか。この原因は、あくまで単純な仮説ですが、右肩上がりの「何も考えなくても済む時代」が終わったことと少なかず関係があるのではないかと思われます。私たちの世代は、このような問いなど抱かずに、あるいは抱いていてもそれを胸の奥深く隠して、汗して働く大人たちを見てきました。そして、彼らがたどり着いた帰結も多く目撃してきました。毎日のように彼らの辿った軌跡を目にしながら、それでもなお疑問を抱かずに盲目的に生きることは、果たして正しいのでしょうか？　いや、正しい正しくないそれ以前の問題として、そんなことが許されていいのでしょうか。私は間違っていますか？