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マティーセンの法則
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格子振動による抵抗も、不純物等の点欠陥による抵抗もどちらも 実際には、温度依存を持ちます。ただし、前者は温度が下がると抵抗率 も下がるのに対し、後者は温度が下がると逆に抵抗率が上昇します。 前者の温度依存性は、温度があがると格子振動が激しくなることに よります。一方後者の温度依存性は、電子の平均移動速度が関係して います。温度が下がると平均移動速度も下がるので、電子はゆっくり 移動することになります。点欠陥の場合、すぐ近くを通っている場合に しか影響を受けませんので、速く動いている電子は、点欠陥の近くを 速く通り過ぎてしまうので影響を受けにくく、遅く動いている電子は 影響を受けやすくなるのです。 更に細かい話をすると、電気抵抗率は移動度とキャリア密度の 関数ですが、半導体では後者も低温では強い温度依存性を持ちます。 これは、ドーパントからキャリアが離れる為に必要な熱エネルギー が得られなくなるためです。したがって、キャリア密度の変化からも 電気抵抗は大きく変化します。またこの温度域では、ドーパントが 帯電しているか、中性になっているかが強い温度依存性を持ちます。 不純物が帯電しているか、中性かで電子の散乱が大きく異なりますから、 この経路を通じても点欠陥由来の抵抗の温度依存性が生じます。 なお、不純物散乱に温度依存性が無いという話は、かなり大雑把な 話と思えばいいと思います。 なお、格子欠陥の数の温度依存性についてですが、熱平衡の議論 からすると、欠陥の数は温度に依存します。しかし、熱平衡論は どれだけの時間が平衡に達するかまでは触れていません。他の方も 述べられていますが、融点より十分低い温度ですと、なかなか熱平衡 に達しません。(こういったことがあるから、「熱的死」になかなか おちないわけですが)
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- Akira_Oji
- ベストアンサー率57% (45/78)
格子欠陥などの生成には温度を変化させたのち、拡散や熱平衡に達するのに時間がかかります。 抵抗の測定をしているのはかなり短い時間の間です。したがって、第二項が温度に依存しているとしても、それはサンプルの作成に関係したことで、測定しているあいだに格子欠陥などが生成されるかは疑問です。
お礼
測定時間の観点からとは、考えたこともありませんでした。 どうもありがとうございます。
- leo-ultra
- ベストアンサー率45% (228/501)
ご主張は正しいと思いますが、普通の場合はそうなりません。 格子欠陥の生成エネルギーWは数eV、つまり換算すると数万度です。 とは言っても数百℃以上にならないと、格子欠陥は熱的にできないと思います。非熱的にはできているが、数は温度変化しない。 一方、マチューセン則が問題にするのは、室温かそれよりも低い温度じゃないでしょうか? 数百℃になったら、格子振動が支配的になって、格子欠陥の抵抗は無視できるのでは。 むしろ低温では、温度が変わると、格子欠陥や不純物の電荷状態(中性だったものがイオン化するとか)が変わるので、温度変化するように思います。
お礼
マティーセンの法則は低温領域限定でしたか。 どうもありがとうございます。
- eatern27
- ベストアンサー率55% (635/1135)
>しかし、格子欠陥の数は温度に依存すると習ったことがあるので、 前後の文脈をどうぞ。
補足
マティーセンの法則がρ=ρ(T)+ρimp で第1項目が、格子振動に由来する抵抗率で温度Tの関数で表現されて、第2項目が不純物や格子欠陥に由来する抵抗率で温度Tに依存しないものです。 ショットキー欠陥の密度nはexp(-W/kT)に比例し、不純物原子が自己拡散によって格子間に割り込む時の拡散係数も、exp(-U/kT)に比例するとあります。(Wはショットキー欠陥の生成エネルギー、Uは不純物の原子移動のための活性化エネルギー)つまり、いくつかの格子欠陥は温度に依存するはずです。 これはマティーセンの法則の第2項が温度に依存しないと表現されていたことと矛盾するのではないでしょうか。
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