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調査捕鯨について、日本は正当なの?

Ganymedeの回答

  • Ganymede
  • ベストアンサー率44% (377/839)
回答No.11

(1) 異常な食生活 第2次大戦後、GHQは日本に、マッカーサーラインを越えて捕鯨することを許可した。食糧事情悪化を打開するためである。国内市場の動物性タンパク質生産のうち、鯨肉の割合は 1947年(昭和22)には 47%を占めた(平凡社『世界大百科事典』による)。下記のサイトではグラフ化されている。 くじラブ/クジラと捕鯨 第3話 http://www.whalelove.org/whales/facts/fact3 このパーセンテージの高さを、異常と思わないだろうか。クジラに偏りすぎだ。食肉生産は貧弱だったし、輸入するためのお金も乏しかったので、日本人はクジラを集中攻撃して飢えをしのいだ。 しかし、集中攻撃されるクジラの身にもなってほしい。養殖しているわけでもないのに。「マッカーサーラインを越えて」とは、遠洋まで出かけて獲りまくったということである。それは、「日本は古(いにしえ)より鯨食文化があって……」などという美しい話ではなかった。 クジラが占める割合は47%をピークに49年以降低下していくが、量としては増えて63年ごろピークに達した。戦後二十年間ほど、日本人は鶏・豚・牛よりも多く(または並ぶほど)クジラを食べた。上記のサイトはグリーンピースによるものだが、このグラフは日本政府の統計資料などに基づいた確かなものだろう。 なお、シーシェパードは1977年に「グリーンピースのやり方は生ぬるい」と脱退したポール・ワトソンらによって設立された。 http://www.greenpeace.or.jp/info/faq/a_seashepherd_html (引用開始) メディアなどで、彼の暴力的な活動がグリーンピースの活動として間違って報道されることがありますが、シー・シェパードの活動および彼の言動は、1977年以降グリーンピースとは一切関係がありません。 (引用終り) (2) 乱獲競争の果て かつては「捕鯨オリンピック」などという言葉もあって、日本も勇んで毎年参戦したものだ。当事者は苦労してご尽力なさったわけだが、振り返ってみれば「いい気なものだった」とも言われている。「今年は日本が優勝するぞ!」などと乱獲してたんだから。 くじラブ/クジラと捕鯨 第5話 http://www.whalelove.org/whales/facts/fact5 くじラブ/クジラと捕鯨 第6話 http://www.whalelove.org/whales/facts/fact6 (引用開始) 「あのオリンピック捕鯨はやり過ぎたと思う。獲れて母船が処理できずに捨てたこともある。肉もいいところだけとってあとは海にすてたものだ。(中略)」 (和歌山県太地町出身の砲手の話「捕鯨II」 山下渉登 法政大学出版) (引用終り) 日本以外では鯨肉をあまり食べないのは事実だろう。また、日本にクジラを余すところなく利用する術があったのも事実である。 しかし、「日本は鯨油を絞って後は捨てるなんてことはしなかった」と言うとウソになる。「クジラは余すところなく利用しなければならない」と義務付ける法律があったわけじゃなし、要するに経済(儲け)の話である。船内で解体し、(食糧難は過去のものになっていたので)安い部位は海に捨てる。引用文中の「母船が処理できずに捨てた」は例外的なことだろうが、「肉もいいところだけとってあとは海にすてた」は、「ものだ」という記述になっており、常態だったことがうかがえる。 (3) 禁忌 クジラは激減し、種類によっては絶滅が危惧されるまでになった。自然保護のシンボルと化し、今や多くの国で「食のタブー」に属しているらしい。「食べる習慣がない」に留まらず、「クジラを食べるなんて忌まわしい、おぞましい」という禁忌が広まったのである。 (4) 海の中のことは科学を以てしても厳密には分かってない クジラの各種類が何頭存在しているか、科学的に調べれば分かるはずという「科学信仰」は非科学的である。分からないからこそ、捕鯨反対派は「クジラの数は今なお捗々(はかばか)しく回復していない」と言い、推進派は「すでに増えすぎて、獲らないと害があるくらいだ」と言っている。 (5) 妥協 世の中は妥協で成り立っている。「調査捕鯨」とは、科学調査に名を借りた(小規模の)半商業捕鯨だとも言われる。国際捕鯨取締条約第8条に基づき、認められている。(4)の論争に勝たなくてもよく、論争に決着が付かないからこそ、「調査」を続けられる。 反対派はこの調査捕鯨さえ縮小させたいようだが、これがあるから「商業捕鯨の規制」も維持されている。 (6) まとめ ― 拙劣なナショナリズム 鯨食を野蛮よばわりされる謂(い)われはないが、(1)のように甚だしい鯨食は日本の伝統からも逸脱しており、誇れたものではない。しかも、食糧難を脱した後も日本は(食べる以上の)クジラを乱獲した。クジラ激減の罪が日本にないというのは、日本のみにあるというのと共におかしい。 捕鯨は(1)のように一大産業だったので、今も日本では圧力団体として政府を突き上げ、「捕鯨停止反対」を言わせている。ナショナリズムを煽って利用している節(ふし)さえある。 しかし、(2)のように日本も脛に疵持つ身であることを忘れて、虫のいいことばかり言っても国際的に通用しない。また、(3)の禁忌の感情をなめてかかったら、逆に日本の文化を否定されても文句をいえないだろう。どちらも「文化」で、互いに尊重されるべきだ。 結局、妥協を図るしかないのである。(4)、(5)のように、科学さえ妥協に利用できる。短期的には日本の負けだが長期的には日本の勝ちだろう。何百年も捕鯨規制が続けば、さすがにクジラも増えるから。それまで(調査捕鯨などで我慢しつつ)待てないなら、日本に思慮が足りない。

chacha71
質問者

お礼

お礼が遅くなりました。 沢山の情報有難うございます。参考になりました。 有難うごあいました。

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