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ネピアの数

独学で勉強しています。 微分のところでネピアの数 e というものが出てきたのですが、  e = 2.7181… という数字は  (1+1/10)^10 = 2.5937…  (1+1/100)^100 = 2.7048…  (1+1/1000)^1000 = 2.7155… のように地道に計算して求めるしかないのでしょうか? 1000乗してもまだ小数第2位くらいまでしか合ってないので、 コンピューターのない時代にどうやって見つけたのか気になりました。 あと e^x の導関数を求めるところで  lim{e^(x+h) - e^x}/h = e^x lim{e^h - 1}/h まで変形したのですが、 あとは(e^h - 1)/h の h にどんどん小さい数字を代入すると1に近づいて行くから e^x の導関数は e^x になる、というようなことが書いてありました。 ネピアの数 e 自体の計算も大変なのに それの 0.1乗とか0.01乗とか計算して、 本当に (e^h - 1)/h が 1 に近づいていくと考えるなんて あやしいんじゃないかと思ったのですが、 昔の人はどうやって e^x の導関数が e^x になってることを知ったのかが気になります。 上のやり方とは違う導関数の求め方があるのでしょうか?

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  • kabaokaba
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回答No.2

特に数学の場合は,教科書というのは, 歴史的な経緯を反映した説明をしません. なぜなら歴史的な経緯を重視すると 論理の展開が煩雑になる場合がほとんどだからです. 教科書は,歴史的な経緯は無視して 整理された流れで記述されます. たとえば,歴史的には 積分のほうが微分よりもはるかに前に出てきていますが (アルキメデスの記述に積分の萌芽があるのは有名), 教科書では微分が先でしょう? で,自然対数についてもぜんぜん順序が違います.そもそもは log(x) = \int_1^x 1/t dt (1からxまでの 1/t の定積分) という形での登場が歴史的に一番古いそうです. この定義からすべてが導けます. 以下,それの概略を試みます. もちろん実際の歴史的経緯とは異なるものでしょう. この定義によれば,y=log(x)を微分すると dy/dx = 1/x となり,逆関数を考えると(log(x)の定義より逆関数は存在), dx/dy = x となるので,この逆関数をx=g(y)と表記すると g'=gつまり「微分しても変化しない関数」であることがわかります. また,y=log(x)の「積分による定義」より 0=log(1) ですので g(0)=1であることもわかります. g'=gかつg(0)=1であることから, g(x)=Σ x^n/n! であることが示せます.しかも,ある数 e を用いて y=e^x という指数関数になることも示せます. ここまでくると (1+1/h)^h のh->∞の極限や (e^h-1)/h のh->0の極限も明らかです. しかし,この論理展開はたくさんの一般論を使うので 初学者向けの説明ではないのです. そこで,いろいろな流儀がありますが,教科書に多いのは 対数の微分を考えるときにでてくる (1+1/h)^h のh->∞の極限をeの定義としまう方法です. これだと,この極限の存在だけをブラックボックスにすれば 後は比較的初等的に各種の公式が導けるのです. この極限の収束はご承知のとおりきわめて遅いので 実際の値の計算にはまったく向きません. しかし,eにはいろいろな表記があるので それらのうち収束の速さや計算のしやすさを考えて 適宜都合のよいもので実際の値は計算します. たとえば 1+1+1/2+1/6+1/24+1/120なんてのもeの近似値です.

monster54
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 > 教科書というのは,歴史的な経緯を反映した説明をしません. > なぜなら歴史的な経緯を重視すると論理の展開が煩雑になる場合がほとんどだからです. 予想外でびっくりしました。 漠然と簡単なものから順番に書いてあると思っていました。 となると、少し自分の勉強法を見直すべきかもしれません。 今まで1つのことに詰まると、それを理解するまでは その先はもっと難しいから理解できないと思って進まないようにしていたのですが、 場合によっては少し先まで見たほうが全体像がつかみやすくなるのかもしれないですね。 木を見て森を見ずのようなことになっていたのかもと思いました。 今回まさに > (1+1/h)^h のh->∞の極限をeの定義としまう方法です. > この極限の存在だけをブラックボックスにすれば > 後は比較的初等的に各種の公式が導けるのです. のように仰る通りで、このeの所さえわかれば 他の変形はうまくいっているのに、といった感じで止まっていました。 まだわからないことが多く、どこがブラックボックスなのかもわからないので、 また同じような質問をするかもしれませんが、 こりずに回答していただけると嬉しいです。

monster54
質問者

補足

わからないことばっかりで申し訳ありません。 > また,y=log(x)の「積分による定義」より 0=log(1) ですので まだ積分のところまでやっていないので、 今は解るかどうかあやしいですが、 0=log(1) となるのはどうしてですか?

その他の回答 (2)

  • kabaokaba
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回答No.3

>0=log(1) となるのはどうしてですか? 積分というのは面積です. つまり log(x) = \int_1^x 1/t dt (1からxまでの 1/t の定積分) というのは, y=1/tとt=1とt=xとx軸で囲まれた部分の面積です. したがって,x=1とすると,囲まれる部分は線分なので面積0です. #本当は面積のような直観的なものを使わずに #「積分の定義」の帰結なのですが,それはごまかします. >漠然と簡単なものから順番に書いてあると思っていました。 「歴史的に最初に見つかったもの」 がすなわち「一番簡単なもの」「一番基礎的なもの」 だということはまず普通はほとんどありえません. 「最初に見つかったもの」は「表層に現れたもの」であることは よくあるとは思いますが,その背後にあるかもしれない 「よりシンプル・一般的な原理」はずっと後になって やっとわかってくることのほうが一般的です. その意味では「ユークリッドの原論」はすさまじいですが, さらにその背後にあるものは, 18から20世紀にかけてやっと見えてきたのです (今現在もまだまだ進展中です). >場合によっては少し先まで見たほうが全体像がつかみやすくなるのかもしれないですね。 そのとおりだと思います. たとえば,中学校のときにいくら考えても分からなかったものが 高校生になったらいつの間にか分かってたというような 経験はありませんか? 分からなかったら放置して,ある意味「こういうものだ」と ブラックボックスを自分で作っておいて 先に進んであとで戻ってみるというのは 実際の研究でもよく見られる方法です (仮説を立ててそれをもとに進んでいく態度と同じです). ちなみに,「(e^h-1)/hの極限」を証明する方法は 結構いろいろあります.が, 何を定義とし,何を定理として使用できるのかを整理しないと 循環論法になります.

monster54
質問者

お礼

再度の回答ありがとうございます。 > y=1/tとt=1とt=xとx軸で囲まれた部分の面積です. > したがって,x=1とすると,囲まれる部分は線分なので面積0です. 何とかイメージできました。 > 「歴史的に最初に見つかったもの」 > がすなわち「一番簡単なもの」「一番基礎的なもの」 > だということはまず普通はほとんどありえません. 頭に置いておいてうまく勉強を進めていこうと思います. No.1 さんのお礼欄でも貼り付けたURLですが http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honma/napier/napier.htm によると e が出てきだした頃は 小学校で習う小数でさえ一般的ではなかったみたいですね。 リンク先で紹介されていた 『不思議な数eの物語』(岩波書店) という本も面白そうなので注文してみました。 > ちなみに,「(e^h-1)/hの極限」を証明する方法は > 結構いろいろあります.が, > 何を定義とし,何を定理として使用できるのかを整理しないと > 循環論法になります. 調べてみると lim(e^h-1)/h が 1 になるような数字を e とする という定義もあるようでした。 この場合は e^x の導関数が e^x になるのは定義からそのままなんですね。

monster54
質問者

補足

低レベルな質問にお付き合いくださりありがとうございました。 お二方とも挙げておられました  e = 1 + 1 + 1/2 + 1/6 + 1/24 + 1/120 + … という式ですが、  (1+1/n)^n = 1 + nC1(1/n) + nC2(1/n)^2 + nC3(1/n)^3 + … + nCn(1/n)^n = 1 + n/n + n(n-1)/{2n^2} + n(n-1)(n-2)/{6n^3} + … のように変形して、各項で n→∞ とすると  1 + 1 + 1/2 + 1/6 + 1/24 + … と出てきたので、自分なりに  e = 1 + 1 + 1/2 + 1/6 + 1/24 + 1/120 + … のように書けることがなんとなくわかりました。 展開するときは有限なのに最後に n を無限にしたり あやしいところがあるかとは思いますが^^; マクローリン展開まで進んだ時にもう一度考えてみたいと思います。

  • proto
  • ベストアンサー率47% (366/775)
回答No.1

eの値は、e^xをマクローリン展開した   e^x = 1 +x +(x^2)/2 +(x^3)/6 +(x^4)/24 +...     = Σ[n=0~∞]{(x^n)/(n!)} にx=1を代入して計算することが出来ます。 具体的には   e = 1 +1 +1/2 +1/6 +1/24 +1/120 +1/720 +... を計算します。 右辺の級数は収束が非常に早くeの値を計算するのに適しています。 e^0.1やe^0.01も同様に、先ほどの展開式にx=0.1やx=0.01を代入することで求めることが出来ます。 またlim{{e^h - 1}/h}=1は具体的に計算して確かめるだけでなく、ちゃんと証明することも出来ます。 というか、数学の世界では「具体的にやってみたらそうなるから多分正しい」では認められません。きちんとした証明がされて当たり前です。 ただこの方法を用いても、コンピューターも無かった時代にe^xを計算するのは確かに大変だったでしょう。 おそらくは計算尺などを用いてあらかじめ細かく区切った様々な値に対するe^xを求めてから表にまとめておき、計算の中で必要になったときにその表を参照していたのではないでしょうか。 つまり、対数表や三角関数表と同様に指数表が用意されていたのではないかと思います。

monster54
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 マクローリン展開はまだ出てきていなかったのですが、 教科書の先を見ると載っていたので、 そこに来たときにprotoさんのご回答をもう一度読み直してみたいと思います。 > コンピューターも無かった時代にe^xを計算するのは確かに大変だったでしょう。 今日1日自分なりに調べてみました。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%82%A4%E3%83%94%E3%82%A2 http://www004.upp.so-net.ne.jp/s_honma/napier/napier.htm これらのページを見ると、20年の時間をかけて表を作ったようですね。 やはり最初の人はひたすら計算するしかなかったみたいですね。

monster54
質問者

補足

重ねての質問で申し訳ありません。 > またlim{{e^h - 1}/h}=1は具体的に計算して確かめるだけでなく、ちゃんと証明することも出来ます。 この式を証明する方法はεδ法というやつであってますか?

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