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色の見え方は誰でも同じ?

HTsumakuraの回答

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回答No.4

心理学を学習中の者です。私は軽度の色弱があります。一応すべての色はわかるように思うのですが、ただ、色の組み合わせによっては「認識できない」ことがあります。 たとえば、垣根の緑の葉っぱが集まっている中に、小さく赤い花が混じっていたりすると、その花を認識できません。不思議なことに、他の人に「ほらここ」と指で示されると、そこに意識が集まるのか、急に見えるようになります。 同じように、色盲・色弱の検査で「色つきの小さい丸」が集まってなんらかの文字を表すものがありますが、私の場合は、ほとんどわかりません。ところが誰かに指でその文字の上を辿ってもらったりすると、見えるようになるのです。 これは、一般の人なら特に意識しなくとも「認識のフィルター」に引っ掛かるような刺激が、何らかのトラブル(例えば目から入ってきた刺激を脳の色を認識する箇所に伝達するのに必要な化学物質が十分に分泌されていなかったり、あるいはその化学物質を受け止める箇所が故障していたり)のために、私の場合は引っ掛かりにくくなっているということなのでしょう。日常生活には特に支障がないので、気にはしていません。 さて、このように「見える」という認識の働きは、メカニズムとしての生物学的観点から一つの説明ができますが、同時に認識するということは「意味を解釈する」ということに必然的につながります。ここでは後天的な学習の意味が重要になってきます。 例えば、俗にエスキモーと呼ばれる「イヌイット」の人々の言葉には、「雪」を表すのに何十種類もの違う呼び名があるのだそうです。それだけ細かく見分けられるということなのでしょう。日本語にも「雪」を表す言葉はいろいろありますが(例:こな雪、ぼたん雪、細雪、みぞれ・・・)、イヌイットの人々の言葉ほど多くはありません。イヌイット人の赤ちゃんも日本人の子供も人間としての「基本性能」は大差ないはずなのですが、イヌイットの人々の方がより細かく雪を分類し、認識できるのはなぜか・・・。簡単に言うと「そうするように生活の中で自然に学んだからだ」ということになり、ここに「特定の文化内での後天的な学習が、認識にもたらす影響」を見ることができます。 このように、大きくは同じように「雪」とか、あるいはご質問の中で取りあげられた「赤」だとかの言葉で言い表されている「概念(意味)」が、さまざまな人の間で「完全に同一なもの」かどうかというと、そうとは限らないのです。シンボルと意味のつながりは、実は誰にとっても万国共通なものではありません。 ただ誰でも、毎日の生活の中では、シンボルの意味する範囲をかなりおおまかに捉えているので、一応は話が合うのです。A君とB君がともに「赤」と言うとき、実際に彼らが思い浮かべる色は若干違うかもしれません(例えばA君は朱色に近い赤で、B君は静脈血のような赤)が、普通に会話をするうえでは広く「赤」と言ってあまり問題ないわけです。これに対して、シンボルと意味の指すところが人によって異なっては困る場面もあります。例えば印刷工場などではデザイナーのイメージした色と実際の発色が異ならないように、コードのついた色見本を使って、互いに確認したりします。もっともそれでも厳密に言えば、ちょっとは違うかも知れませんが(工場の人かデザイナーのどちらかになんらかの色覚異常があったりしたら、全然違ってしまいますよね)。 最後に、A君に見えている「赤」とB君に見えている「赤」が同じかどうかを確認する方法ですが、例えば以下の実験が考えられるのではないでしょうか。  二人の被験者に、実験室にはいってもらう。  二人に、同一の画面を見せる。  画面上で、グラデーションのように、  徐々に色が変化する。  「赤い色が見えたら、ストップと言ってください」  とあらかじめ指示し、  それぞれの被験者が  「ストップ」と言ったときの色を比較する。 ぱっと思いついた実験ですが、興味深い結果が出るかもしれません。いろいろな国の人が参加すると、国ごとに微妙な変化が出るかもしれません。 いかがでしょうか。お役に立てれば幸いです。

mori0309
質問者

お礼

HTsumakuraさん、とてもていねいなご回答、ありがとうございます。 私は普通の会社員なのですが、素人哲学思索にはまっておりまして、この 「教えてgoo」にも質問を連発させていただいております。 ご回答の後半にある実験についてですが、この方法ですと「赤」という 言葉の意味の個人間差異は検出できると思うのですが、「赤」の見え方の 個人間差異は分からないと思います。 「トマトの色はA君にもB君にも同じ見え方をしているか」 これを調べる方法は、panchoさんのおっしゃるように、やはり、ないので しょうか。これを究明しても実社会の約にはたたないでしょうけど、ひとつの 哲学問題として、非常に興味があります。人間の主観にとって真に実在する のは「光の波長差異」ではなく「赤・青・黄などの色そのもの」だと思うのです。 認識主体やその知覚能力を想定しない客観的世界像などは存在しないと考えます から、主観が世界をどのように感じ取っているかということ、つまり個々人が どのような知覚世界(さらには心象世界)のなかで生きているかということこそ、 人間が物事の意味や価値を考える上での出発点にしなければならないと思います。 私たちは本当に「世界」を共有しているのでしょうか。 (発想が人間中心主義過ぎますでしょうか)

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