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オペアンプの仮想接地点について

オペアンプの仮想接地点について質問です。 この仮想接地というのはオペアンプの2つの入力のうち、片側が接地されていれば入力インピーダンスが∞であるのでオペアンプに電流が流れず、もう片側も接地されているとみなすことができるという認識です。 これは本当でしょうか。たとえ入力インピーダンスが∞であっても電流が1/∞流れれば電圧が生じます。 そして、この考えで行くとオペアンプは仮想接地によりバイアス電圧をかけられないということでしょうか。 理由はうまくいえないのですが私としては交流的には仮想接地というものを導入してよいが、直流的には導入できないものであるという考えです。 これらについて何かコメントがあればお願いします。

  • 科学
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  • ベストアンサー
  • inara1
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回答No.3

理想OPアンプを出発点とすると、どうもピンと来ないという人もいると思います。だったら理想的でないOPアンプを考えて、その場合にどうなるかを考えたほうが納得がいくと思います。 入力端子間の抵抗が Rin、電圧増幅率が A という理想的でないOPアンプを考えます( 理想OPアンプは Rin → ∞、A → ∞としたもの)。        V1 ┏━━━┓  非反転入力 ╂┐  ┌╂─ 出力           ┃Rin Vo┃    反転入力 ╂┘  ┷┃ Vo = A*( V1 - V2 )        V2 ┗━━━┛ とりあえず、入力オフセット電圧と入力バイアス電流と出力インピーダンスはゼロとします。非反転入力端子の電圧を V1、反転入力端子の電圧を V2 としたとき、OPアンプの出力電圧 Vo は、入力端子間の電圧( V1 - V2 ) を A 倍した電圧になります。このOPアンプと抵抗を1本使って、以下のような、電流-電圧変換器を作ったとします。      V1 = 0 ┏━━━┓         ┌─╂┐  ┌╂─┬─ 出力         ┷  ┃Rin Vo┃  │    i → ──┬╂┘  ┷┃  │        V2 │┗━━━┛  │          └── Rf -──┘             i - i0 → 非反転入力を接地(┷)して、反転入力と出力の間に抵抗 Rf を入れたとき、理想OPアンプなら、V2 = 0 となりますが、この場合はそうなりません。このあとそれを計算してみますが、その結果を見れば、どういうときにV2 = V1 (仮想ショート)とみなせるのかが理解できると思います。 OPアンプの入力間抵抗は∞ではないので、反転入力に i という電流を流したとき、Rin には電流が流れます。それを i0 としましょう。すると、 Rf に流れる電流は、入ってきた電流 i のうち i0 を差し引いた電流になるので、 i - i0 になります。この電流は、Rf の両端の電圧差を抵抗値で割ったものなので     i - i0 = ( V2 - Vo )/Rf となります。V2 は反転入力端子の電圧で、今は未知です。反転入力端子の電圧が V2 なら、i0 = V2/Rin ですから、上式の i0 を V2/Rin で置き換えれば    i - V2/Rin = ( V2 - Vo )/Rf --- (1) と書けます。最初の図に書いてあるように、OPアンプの出力電圧 Vo は入力端子間の電圧( V2 - V1 ) を A 倍したものですが、今は V1 = 0 なので    Vo = A*V2 --- (2) です。式(1)と式(2) から    V2 = Rf*i/( 1 + Rf/Rin - A ) --- (3)    Vo = Rf*i/{ ( 1 + Rf/Rin )/A - 1 } --- (4) となります。これが、理想的でないOPアンプを使ったときの電流-電圧変換器の端子電圧です。 仮想接地( V2 = 0 )が成り立つとうのはどういう場合か、式(3)を見れば分かると思います。それは式(3)の右辺の分子が小さい場合や分母が大きい場合(あるいはその両方)です。分子はOPアンプ外部の条件なので、とりあえず考えないとして、分母の 1 + Rf/Rin - A が大きいというのは    1 + Rf/Rin << A が成り立つということです(A は正の数です)。ですから、別にRinが小さくても( Rin = Rf でも)、A が 1 + Rf/Rin に比べて非常に大きければ、V2 は非常に小さくなります。A は実在のOPアンプでは、低周波では10^5 ~10^7 と非常に大きい値です。A = 10^5、Rf*i = 10V、Rf/Rin = 1 としたとき、V2 = 10V/99998 = 0.1mV という値になります。つまり仮想ショートといっても、入力端子間の電圧差はこれくらいはあります。A がもっと大きなOPアンプ(高精度OPアンプ)を使えばμV オーダにまで下がりますが、1nV などというとても測定できないような小さい電圧ではありません。 上の計算は交流でも同じですが、周波数が高くなると A が小さくなるので、周波数が高いほど仮想ショートからはずれてきます。交流で仮想ショートからずれるというのは、DC電圧(平均電圧)は0Vに近いけど、交流成分が大きいという状態になります。

printempsk
質問者

お礼

回答してくれた皆様へ とてもわかりやすい説明ありがとうございます。 仮想接地は入力インピーダンスではなく増幅率が非常に大きいことから近似することができ、計算を楽にでき、オペアンプを周波数に依存しない理想的なものであるとすると直流交流は関係ないということですね。ありがとうございました。

その他の回答 (2)

回答No.2

「仮想接地」よりも、「仮想短絡(バーチャル・ショート)」の方が一般的です。 オペアンプの「仮想短絡」の概念は、オペアンプの開ループ利得が無限大と考えても差し支えないほど大きいとゆうことに立脚し、負帰還をかけて閉ループで使用するときに使えば、回路計算が簡単になります。 計算は、「仮想短絡」つまり「オペアンプの2つの入力が同電位」になることを回路の動作条件に入れて行います。 あくまでも「仮想(バーチャル)」ですから、嫌いだったら使わなければエエだけの話です。 計算力のない人が、複雑な回路(例えばこの図2 FDNRとか)で「仮想短絡」を使わないと大変ですよ。 http://www.ednjapan.com/content/issue/2006/12/idea/idea01.html

  • foobar
  • ベストアンサー率44% (1423/3185)
回答No.1

仮想接地(二つの入力端子間の電圧eiは0)、と、入力インピーダンスが無限大、は分けて考えるべきでしょう。 (負帰還回路を構成したときの)ei=0はオペアンプの利得が理想的には無限大、というところからきています。 出力電圧をeo、オペアンプの増幅率をAとすると、eo=Aeiよりei=e0/Aになって、理想的にAが無限大ならある有限のeoになるためにはei=0でなければならない、です。(負帰還回路+オペアンプ自身によって、ei=0になるように自動調節されている) これは、直流、交流どちらでも成立しています。 したがって、+入力を接地したときに、-入力が接地電位になる、仮想接地は交流、直流どちらでも成立します。 また、あくまで仮想接地はオペアンプが線形な領域にあるとき(eo=Aei,Aは十分大きいが成立しているとき)だけ、成り立ちます。

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