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誘導放射の原理について

yyz1974の回答

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  • yyz1974
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回答No.2

>ふと思ったのはどうして光子が照射されるとエネルギー準位が遷移してしまうのかということです。 誘導放射と言うのは外部電磁波によって電子が異なるエネルギー準位を持つ二つの軌道間を遷移するときにそのエネルギーを光として放出するということです。エネルギー準位が遷移するわけではありません。 >何が原因で放射させるのでしょうか?共鳴?それともエネルギーの収支が起こっている? “なぜ誘導されるのか”ということに一番興味をお持ちなのでしょうか。 量子力学で扱われるこの現象を直感的に理解するのはとても難しいことです。私も理解したいのですがうまい解説を見たことがなく私なりの考えを述べます。参考にしてください。 電子は固有状態にあるわけですから励起軌道からエネルギーが低い軌道に本来勝手に移ってもらっては困るわけですが、実は我々が通常用いる電子軌道は一つの核と一つの電子のモデルで求められたものです。しかし実際には原子には複数の電子が存在していてそれぞれが相互作用しています。また電磁波とも電磁気的に相互作用をしています。これらを無視して解かれた軌道名を第一近似として使っています。このために現実的にはそれぞれの電子は完全には固有状態にありません。それぞれの軌道は互いに弱く結合しているのです。 つまり電子遷移の問題は初期値問題として捉えることができます。時刻0において励起状態にある電子がどれくらいの速さでより低いエネルギー準位に遷移が起きるかという問題に置き換えられます。このときエネルギー保存のために誘導場から自由な電磁波(自然放射)が発生します。 近似固有関数系は電子間相互作用で歪められています。そのため一つの軌道にある初期状態の電子は正確には複数の量子状態の重ね合わせとして表す事ができます。言い換えれば各状態に時刻0で既に少しずつ存在確率は各軌道に分配されており、うまい分配のため波動関数を重ね合わせてみるとあたかも一つの軌道にのみ存在しているように見えるのです。最初は一つの軌道でもそれぞれの軌道の時間変化の早さが異なるためエネルギーを放出したり吸収したりしながら軌道間を行き来することが可能です。自然放射(吸収)はこうして起きます。 次に誘導放射について(自信はありませんが)半古典的なモデルで説明します。 外部から電磁波を与えると小さいながらもやはり軌道に歪を生じる原因になります。初期状態の電子は同様に波動関数の重ね合わせで表現できます。初期状態で二つの軌道にいる電子が作る合成電場強度はその時間依存性のため唸り電場を生じます。節時刻のところでは位相は互いに逆になっています。外部電磁波の周波数がこの唸り周波数に合致するとき外部電磁波は合成波の各成分にまったく逆の作用を与えます。つまりエネルギーを片方から吸収してもう片方に与えます。つまり存在確立が唸り周波数の周期単位で変化し、遷移が起きるのです。吸収したエネルギーの方が大きいため自らは太ります。このことは唸り周波数と外部電磁波の周波数が一致したときのみ起きるため誘導放射は二つの準位間のエネルギー差と共鳴するといっても差し支えないのではと思います。 私もこの問題については自身がありません。ご専門の方のご回答があればと思います。 質問者様の分からないところを理解しないままの回答になっているかも知れません。

kaginezumi
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。疑問は回答してもらった誘導放射のモデルで解決できました。やはり共鳴のようなことが起きて放射が誘発されるのですね。とてもわかりやすかったです。納得もできました。 本当にありがとうございます。

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