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大気による放射の吸収
初歩的な質問かもしれませんが、よろしくお願いします。 大気は、太陽からの放射(電磁波)を吸収します。 それは、大気の中の物質の特徴、細かく言えば、 各分子・原子のもつエネルギー準位に対応した放射を吸収します。 振動モードだったり、回転モードだったり、いろいろなエネルギー準位が ありますが、それらに対応した吸収をします。 また、吸収したエネルギーを電磁波として放出したりもします。(赤外放射) それは、吸収と同様にエネルギー準位に対応した放射をしそうです。 そこで、質問です。 これと黒体放射はどのような関係にあるのでしょうか。 放射の仕方は、各物質のエネルギー準位に対応するように思うのですが 黒体放射に従うならば、各物質のエネルギー準位など関係なく温度のみに 依存するはずです。 各物質が、完全な黒体ではないとしても、赤外放射が黒体放射でよく近似できるのは事実だと思います。どう考えればよいのでしょうか。
- ooita-ken
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専門家による回答がつかないようですので、ひとつの推測を。 黒体放射は完全に不透明な物体による放射です。完全に不透明というのは、その物体の内部から周囲を見ると、どの波長の電磁波で見ても物体の内部しか見えない(外部は見えない)ということです。つまり、その物体内ではどの波長の電磁波に対してもそれを吸収する準位間遷移がひんぱんに起こっているということです。 束縛状態のエネルギー準位が離散的であるのに連続的な電磁波吸収が可能である理由はいくつかあると思います。 ひとつは、連続的なエネルギー状態が存在することです。連続-連続遷移、束縛-連続遷移によって、連続吸収が可能です。 また、連続的エネルギー状態の近くの束縛状態はエネルギー的に密に分布しているため、他のもっと離散的に分布するエネルギー準位との間のエネルギー差も密に分布しています。よって、それらの準位間の遷移はエネルギー的に連続しているかのようにみえます。 さらに、離散的エネルギー準位とはいっても、そのエネルギーは平均値の周りに連続的に分布しています(不確定性原理などを思い起こしてください)。もちろん、平均値からのずれが大きくなるにつれて、そのエネルギーを持つ分子、原子の割合は減少します。しかし、分子、原子の総数が多くなると、平均値からずれたエネルギーを持つものの数も増え、それらが関与する吸収も多くなります。分子、原子の数がじゅうぶん多くなれば、あるスペクトル線と「隣の」スペクトル線が重なるようになって、線吸収の集合は連続吸収のようになります。 以上のような理由(他にもあるでしょうが)で、じゅうぶん多数の分子、原子から成る物体では、離散的エネルギー準位にほぼ関係なく、どの波長でも電磁波の吸収が可能になるのではないでしょうか。 熱力学的平衡状態では、ある吸収過程とその逆の放射過程は詳細に釣り合いますから、吸収が可能ということは放射も可能ということです。 いま、その不透明な物体が等温であるとすると、その中の電磁波は不透明な等温壁で囲まれていることになります。そのような状態において放射(空洞放射)のスペクトルがプランク分布になる理由については、適当な本を参照してください。
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