n型半導体の伝導帯の電子密度nを求めるには

このQ&Aのポイント
  • n型半導体の伝導帯の電子密度nを求めるには、SiやGaAsなどの半導体の特性を利用して計算式を適用します。
  • 伝導帯の電子の有効質量や底のエネルギー、擬フェルミエネルギーは実験値を採用することが一般的ですが、具体的な値は見つけるのが難しいかもしれません。
  • n型半導体のホール密度を計算するための式は存在しますが、実際の値よりも小さくなるという問題があります。正確な式を知りたい方は、詳しい文献を参照することをおすすめします。
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n型半導体の伝導帯の電子密度nを求めるには

こんにちは、 「高校数学でわかる半導体の原理」(ブルーバックス)を読んで、n型半導体の伝導帯の電子密度nを求めようとしております。式は下記です。 T=300; k=1.3806*10^(-23); h=6.626*10^(-34); Nc=2*(2*Pi*me*k*T/h^2)^(2/3); n=Nc*Exp[-(Ec-Ef)/(k*T)]; 質問 1. Si,GaAs,GaP等のn型半導体のme(伝導帯の電子の有効質量)、Ec(伝導帯の底のエネルギー)、Ef(伝導帯の擬フェルミエネルギー)は、多分、実験値を採用するものと思われるのですが、どこかに値は記載されていないでしょうか? 2. 上記の式は、n型半導体の伝導帯の電子密度nを求める式ですが、n型半導体のホール密度を計算すると、実際の値よりもかなり小さくなってしまう旨のことが書かれています。ホール密度を計算する式を教えて下さい。

  • udonf
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質問者が選んだベストアンサー

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  • inara1
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回答No.8

>GaPの場合、真性半導体は2.26 eV ですから、Ec-Ef = Eg/2なので、Ec-Ef は1.13eV ですね? 真性半導体ではその通りです。でも、pn接合を構成する半導体は不純物半導体なので、p型のほうのフェルミ準位は Ec 付近に、n型のほうのフェルミ準位は Ev 付近に来ます(位置は計算できます)。 >電圧を印加した場合は、 EFn-EFpは、印加した値になるのでしょうか? 印加電圧が 2V のとき、pn接合の界面での擬フェルミ準位差は EFn-EFp = 2 eV になります。 半導体デバイスでは、エネルギーを eV (エレクトロンボルト)という単位で表わします。V [V] の電位差に相当するエネルギー E を J (ジュール)単位で表すと、E = q*V  ( q = 1.6E-19 )ですが、J の単位でエネルギーを表すと、それが何Vの電位差に相当するのか直感的に分かりにくいので、1V の電位差に相当するエネルギーを 1eV と決めて、その単位を使うことが多いです。 >GaPの場合、2Vを印加した時の自然放出の全割合(式。2.55)を計算しました ANo.7 のGaPのB係数の値は B = 1E-13 の間違いでした。私の計算では    Rsp = B*p*n       = B*ni^2*exp{ ( EFn - EFp )/( k*T ) }       = B*Nc*Nv*exp{ -Eg/( k*T ) }*exp{ ( EFn - EFp )/( k*T ) } --- (1) において、EFn - EFp = 2 eV としたとき、Rsp = 1.97E16 [1/cm^3/s] となりました。 この計算で、Eg や EFn - EFp の値に eV 単位の数値を使う場合は    Rsp = B*Nc*Nv*exp{ -q*Eg/( k*T ) }*exp{ q*( EFn - EFp )/( k*T ) } としなければなりません。なぜならボルツマン定数は J/K の単位で k = 1.3806*10^(-23) ですが、これで計算した k*T はJ 単位のエネルギーを表しているからです。分子側もJ単位のエネルギーにるために q をかけます(面倒ですが)。 Rsp = 1.97E16 [1/cm^3/s] というのはピンと来ないかもしれませんが、これは、1秒間に、1cm^3の体積から出てくる光子の数を表しています。体積は発光層の体積のことで、LEDの場合、V = 0.3mm×0.3mm×1μm = 9E-8 cm^3 程度なので、このサイズの発光層から出てくる光子数は Rsp*V = 1.77E9 個/secとなります。これでもピンと来ないと思います。通常のLEDは 1mWくらいの光強度が出ています。1W というのは1秒間に 1J のエネルギーが出ているということです。緑色(波長λ=555nm)の光子1個のエネルギーは E = h*c/λ= 3.6E-19 J になりますから( c は光速 )、1mWの緑色の光は、1秒間に 2.8E15 個 の光子が出ていることになります。したがって、GaPに2Vかけたときに出てくる光パワーは、1.77E9/2.8E18 = 6.3E-7 W ( 0.63μW )となります。これは非常に暗い光です。 しかし、印加電圧を 2V から 2.26V に上げれば、式(1)の exp{ -Eg/( k*T ) }*exp{ ( EFn - EFp )/( k*T ) } は1なので、Rsp = 3.4E25 と非常に大きくなります。このときの発光強度は、理論上 1.1W にもなります(これはまばゆいばかりの眩しさです)。実際には 2.26Vの電圧をかけると大電流が流れるので(電流の大きさは計算できます)、半導体の抵抗成分による発熱で結晶が溶けてしまうかもしれません。 印加電圧 E [V] と発光強度 P [W] の関係をまとめておきます。    Rsp = B*Nc*Nv*exp{ q*( E - Eg )/( k*T ) }    P = Rsp*V/( h*c/λ) V は発光層の体積 [cm^3]、h はプランク定数 = 6.626E-34 [J・s]、c は光速 = 2.998E8 [m/s]、λ は光の波長 [m] です。単位が cm と m が混合していますが、Rsp と 発光層体積 の単位がそれぞれ [1/cm^3/s] 、[cm^3] なら、Rsp*V = 1/s 単位なので問題ありません。Rsp の単位を cm 系にするには、B と Nc と Nv の単位も cm 系にあわせる必要があります。eV単位とかいろいろややこしいですが、これを間違えるととんでもない数値になりますのでしっかり理解してください。

udonf
質問者

お礼

いつもお世話になっております。 非常に申し訳ございません。一時中断させて頂きます。 年度末で業務が多忙になり、大好きな物理(今は発光ダイオードの光子エネルギ分布を求めること)をする時間が無くなりました。 手前勝手で、本当に申し訳ございません。 5月頃には、時間が作れますので、その時に必ず質問を再開します。 もうよろしければ、再度ご教示頂きましたら幸いです。 本当にすいません。

その他の回答 (7)

  • inara1
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回答No.7

>わざわざ「光通信素子工学」を入手して頂いた上に、ご親切な回答頂き有難う御座います この本は持ってます。会社に置いてあったので手元になかっただけです。これは半導体レーザに携わる人の必読書です(私はもう半導体レーザはやっておりませんが)。 >不明点をまた質問するかもしれません。その際はまたよろしくご指導願います この質問はずっと開いておいてください。 >2つの擬フェルミ・レベルに分かれると記載ありますね。すいません。ちゃんと理解しておりませんでしたが、ここでやっと理解できました。 擬フェルミ・レベルの考えは難しいですが、これは、ダイオードやトランジスタのpn接合にバイアスをかけたときのキャリア密度分布を説明するために導入された概念です(これが理解できれば半導体デバイスの理解がずっと深まります)。pn接合に順バイアスをかけると、pn接合付近のキャリア濃度は電子もホールも増えて n*p =ni^2 が成立しません。n型からp型に注入された電子は熱平衡状態より多くなり、p型からn型に注入されたホールも熱平衡状態より多くなります。こうなるのは、電子にとっては、フェルミ準位が伝導帯のほうにある状態(p.19の図2.2(b)の状態)と同じで、ホールにとっては、フェルミ準位が価電子帯のほうにある状態(p.19の図2.2(c)の状態)と同じになります。電子もホールも熱平衡状態より多いということを、2つの異なる状態が共存している状態と考えるわけです。実際にフェルミ準位が2つあるわけではないですが、電子とホールに対するフェルミ準位がそこにあるとすればp型領域での電子密度と、n型領域のホール密度が説明できるということです。電子とホールに対する擬フェルミ準位の差はpn接合で一番大きく、その値は印加電圧に相当するエネルギーになりますが、pn接合から離れるにしたがって熱平衡状態のキャリア密度分布に戻っていくので、電子とホールに対する擬フェルミ準位の差はゼロに近づいていき、それぞれ本来のフェルミ準位位置になっていきます(p.55の図2,17(b)の破線が擬フェルミ準位ですが、pn接合から離れるに従って差がなくなっていきます)。 これに関連して、半導体レーザで非常に大事な法則(反転分布則)があります。 誘導放出光(レーザ光)を発生させるには、43ページの式(2.42)にあるように    電子の擬フェルミ準位 - ホールの擬フェルミ準位 > E21(レーザ光のエネルギー) がとなる必要があるということです。X線レーザでも同じです。したがって、エネルギー E [eV] の電磁波をレーザ発振をさせるためにはE [V] 以上の印加電圧が「絶対」に必要です。光励起発振では、励起光のエネルギーは最低 E [eV] 必要です。しかし、発光ダイオードはそれ以下の電圧でも光ります。例えば波長630nmの赤色のエネルギーは 1.96eV ですが、ダイオードに印加する電圧が 1.96V 未満であっても発光します(それほど明るくはないですが)。これは熱エネルギーによって、キャリア密度の分布に幅ができるため、印加電圧が1.9V でも、E21 = 1.96eV という遷移(自然放出光)が存在するからです。 (B係数について) >式(2.54)を計算したいのですが、まず式(2.52)を求める必要があります。(この式を計算するのはいかにも難しいそうです。) その次の式(2.55)    Rsp = B*p*n を使えばいいのではないでしょうか。n と p の積 n*p は式(2.63)で与えられます。その式の EFn - EFp が上で説明した擬フェルミ準位差で、印加電圧を V [V] としたとき    EFn - EFp = q*V となります(EFn - EFp = 10eV なら 10Vの電圧)。したがって、印加電圧が分かれば、あとはB係数から自然放出の全割合Rspが計算できます。ANo.1の参考文献[1]-[3]のサイトに光学特性も出ています。例えば、GaPとGaAsとSiのB係数は          B [cm^3/s]    GaP    1E13 [1]    GaAs   7E-10 [2]    Si     1.1E-14 [3] となっています(GaPとSiがGaAsより3桁小さいのは間接遷移型だからでしょうか)。 Rspは、ANo.3で紹介したフォトルミネッセンス(​http://www.ishikawa-nct.ac.jp/lab/E/seto/www/files/PL.pdf​)の発光寿命からも実験的に求められます。電子通信素子工学の式(2.27)が、バンド間遷移による発光寿命τr とB係数との関係です、式(2.28)にあるように、p型半導体では    B = 1/( τr *p0 ) ですから、τr を測定すればBが分かります(p0は不純物密度)。資料 [1]にSiの発光再結合寿命のデータが出ていますが、これは物性値でなくいろいろな要素がからむので実験的に求めるしかないでしょう(英語サイトも検索していますが良い資料が見つかりません)。 M(E2,E1)の運動量行列要素は、私には理論が難しくてよく分かりません。半導体物性がご専門の大学の先生が「物性何でもQ&A」というサイトを開いています。運動量行列要素に触れている回答 [5]もあるので、この分野にはお詳しいと思います。[6]にサイトを紹介しますので、質問してみてはいかがでしょうか(主な半導体の運動量行列要素の経験式や実験データが出ているサイトや文献を教えてくださいという感じで)。 [1] GaPの発光再結合係数 http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/GaP/optic.html [2] GaAsの発光再結合係数 http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/GaAs/optic.html [3] Siの発光再結合係数 http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/Si/optic.html [4] Siのキャリア寿命の不純物濃度依存 http://books.google.com/books?id=COcVgAtqeKkC&pg=PA558&lpg=PA558&dq=%22radiative+recombination+coefficient%22+%22cm3+s%22+gaas&source=web&ots=tHM2hlLrpw&sig=QzsXxsOpFxqGysDuoesJFp3Unao#PPA564,M1 [5] ・質問423:吸収端決定のための吸収スペクトルの式 http://homepage2.nifty.com/bussei_katsuaki/nandemoQ&APart2.html [6] 物性何でもQ&Aトップ http://homepage2.nifty.com/bussei_katsuaki/nandemoQ&A.html

udonf
質問者

お礼

ご教示頂いた通り、質問しました。 すると下記の通り、ご親切な回答を頂きました。 しかし、やはり難しくて理解できません。 先生のおっしゃる通り、別の先生にも質問してみます。 http://homepage2.nifty.com/bussei_katsuaki/nandemoQ&A.html#1041 追伸 明日から24日まで出張のため、お返事できません。悪しからず、お許し願います。

udonf
質問者

補足

色々とご教示頂き大変有難う御座います。 すいません。1個ずつ問題を解決していきたいと思います。 まず下記計算がわかりません。申し訳御座いませんが、ご教示頂きましたら幸いです。 >その次の式(2.55)    Rsp = B*p*n を使えばいいのではないでしょうか。n と p の積 n*p は式(2.63)で与えられます。その式の EFn - EFp が上で説明した擬フェルミ準位差で、印加電圧を V [V] としたとき    EFn - EFp = q*V となります(EFn - EFp = 10eV なら 10Vの電圧)。  GaPの場合、真性半導体は2.26 eV ですから、Ec-Ef = Eg/2なので、Ec-Ef は1.13eV ですね。これは、熱平衡状態の値ですが、電圧を印加した場合は、 EFn-EFpは、印加した値になるのでしょうか? GaPの場合、2Vを印加した時の自然放出の全割合(式。2.55)を計算しました。 下記でよろしいのでしょうか?ご指摘頂きましたら幸いです。 (*GaP eq.2.55*) T=300; k=1.3806*10^(-23); Nc=1.8*10^19; Nv=1.9*10^19; B=1*10^(13); Ec=2*1.602*10^(-19); sp=B*Nc*Nv*Exp[-Ec/(k*T)]; Print[sp]; 計算結果です。 8.669950963226095*10^17 ちなみに、10Vを入れますと、 3.580789418360894*10^-117 となります。 ではよろしくご指導願います。

  • inara1
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回答No.6

PC直ったようですね。 平日は仕事なので頻繁にお答えできません(ANo.5までは正月休みでした)。少しお待ちください。

udonf
質問者

補足

お返事有難う御座います。 >平日は仕事なので頻繁にお答えできません(ANo.5までは正月休みでした)。少しお待ちください。 お仕事でご多忙の中、ややこしい質問をしまして、非常に申し訳御座いません。全く急いでおりませんので、お時間の御座いますときに、ご回答頂きましたら幸いです。では、よろしくご指導の程、お願い致します。

  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.5

(3) ρc(E2-Ec)*ρv(Ev-E1)*(f2-f1)は、上記で教えていただいたn*pの計算と同じか ρc()やρv()の式の形はn*pの計算のものと同じです(式(2.2))。 f1 と f2 もフェルミ・ディラック分布関数の意味ですが    f1 = 1/{ 1 + exp( E1 - Ef1 ) }    f2 = 1/{ 1 + exp( E2 - Ef2 ) } と、擬フェルミ準位 Ef を2つ考えている点が違います。なぜ擬フェルミ準位が2つあるかというと、pn接合にバイアスをかけているためで、p.55の図2.17にあるように、pn接合付近では、電子が感じるフェルミ準位 Efn ( = Ef1 ) とホールが感じるフェルミ準位 Efp ( = Ef2 ) が違っているからです。 不純物半導体での n と p の計算式は、式(2.4)に書かれているように    n = ∫[ Ec→∞ ] ρc(E)*f(E) dE    p = ∫[ -∞→Ev ] ρv(E)*{ 1 - f(E) } dE で、これは電子とホールのそれぞれについて、状態密度と存在確率の積を全てのエネルギー範囲で積分したものです。ANo.2で「n や p の式を出す計算の過程でちゃんと積分が入っています」と書いたのはこの意味です。この式の f(E) は、式(2.3)に書かれているように、フェルミ準位が E のときの占有確率で    f(E) = 1/[ 1 + exp{ ( E - Ef )/kT } ] です。 一方、エネルギーE2 から E1 への遷移(E1 にある電子が E2 のホールと再結合)による誘導放出の割合 r21(stim)は式(2.31)にあるように     r21(stim) = B21*nph(E21)* ρc( E2 - Ec )*ρv( Ev - E1 )*f2*( 1 - f1 ) で表されますが、これは以下の存在密度の積    エネルギーE2 での電子の存在密度 ρc( E2 - Ec )*f2    エネルギーE1 での電子の存在しない密度(ホールの存在密度) ρv( Ev - E1 )*( 1 - f1 ) から出てきたものです。これは形式的にnやpの計算の式と似ていますが、状態密度が E1 と E2 の2つのエネルギー準位を考えている点が違います。 (n*p=一定の関係はpn接合で成り立つか) pn接合界面にできた空乏層では成り立ちません。n型半導体でもp型半導体でも全体の電荷は中性ですが、n型半導体では伝導帯に電子が多く、p型半導体では価電子帯にホールが多いので、これらを接合すると、伝導帯の電子はn型からp型に拡散していきます。価電子帯のホールは逆にp型からn型の方に拡散していきます。その結果、pn接合界面に空間電荷が発生して、ビルトインポテンシャルという内部電位が生じます(p.52の図2.16)。このため空乏層には電子もホールも存在しません。 一方、pn接合にバイアス電圧をかけたときは、p.56の図2.17(b) にあるように、ドリフトによってn型半導体側から電子が、p型半導体側からホールが注入されるので、空乏層に電子とホールが存在します、その濃度は式(2.62)で表わされます(EFは擬フェルミ準位)。そのとき n*p は式(2.63)のように    n*p = ni^2*exp{ ( EFn - EFp )/( k*T ) }となって n*p = ni^2 が成立しません(成立するのは EFn = EFp で、これは空乏層から離れた場所になります)。順バイアスでは EFn > EFp なのでn*p > ni^2 となります。

udonf
質問者

補足

度々、お世話になり大変有難う御座います。 >擬フェルミ準位 Ef を2つ考えている点が違います。なぜ擬フェルミ準位が2つあるかというと、pn接合にバイアスをかけているためで、p.55の図2.17にあるように、pn接合付近では、電子が感じるフェルミ準位 Efn ( = Ef1 ) とホールが感じるフェルミ準位 Efp ( = Ef2 ) が違っているからです。 了解しました。P40に、熱平衡状態では伝導帯における電子および価電子帯におけるホールの存在確率は(1つの)フェルミ・レベルによって規定される。 しかし励起された状態では、1つのフェルミ・レベルで規定されることは出来ず、2つの擬フェルミ・レベルに分かれると記載ありますね。すいません。ちゃんと理解しておりませんでしたが、ここでやっと理解できました。 > ANo.2で「n や p の式を出す計算の過程でちゃんと積分が入っています」と書いたのはこの意味です。この式の f(E) は、式(2.3)に書かれているように、フェルミ準位が E のときの占有確率で f(E) = 1/[ 1 + exp{ ( E - Ef )/kT } ] です。 了解しました。 >これは形式的にnやpの計算の式と似ていますが、状態密度が E1 と E2 の2つのエネルギー準位を考えている点が違います。 了解しました。ということは、n*p = Nc*Nv*exp{ - (Ec - Ev )/( k*T ) } = Nc*Nv*exp{ -Eg/( k*T ) }は積分済みでしたが、 ρc(E2-Ec)*ρv(Ev-E1)*(f2-f1)は積分されていないので、これから積分する必要があるのですね。 式(2.54)を計算したいのですが、まず式(2.52)を求める必要があります。(この式を計算するのはいかにも難しいそうです。) ここには、M(E2,E1):E1,E2間の遷移を支配するマトリックス要素と言われるものがあります。B0の計算のように簡単に計算する方法は無いのでしょうか? または、M(E2,E1)を使って計算した例は無いのでしょうか? 何冊か日本語の本を調べましたが、この当たりの具体的な計算式や計算例は記載されておりません。但し行列を使う難解な公式のみは本に記載されています。(実用的では無いです。) 度々、恐れ入りますが、ご教示頂きましたら幸いです。 >(n*p=一定の関係はpn接合で成り立つか) >pn接合界面にできた空乏層では成り立ちません。 >   n*p = ni^2*exp{ ( EFn - EFp )/( k*T ) }となって n*p = ni^2 が成立しません(成立するのは EFn = EFp で、これは空乏層から離れた場所になります)。順バイアスでは EFn > EFp なのでn*p > ni^2 となります。 わかりました。詳しいご説明有難う御座いました。

  • inara1
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回答No.4

回答していなかった質問について、内容が内容だけに即答できませんでした。 手元にある「光通信素子工学」を見ながら、私の理解している範囲で解説します。 (1) 「光通信素子光学」の式(2.41)の nph(E21) の実験値と計算式について nph(E21) の計算式は式(2.37)に出ているように     nph(E21) ­= 8*π*nr^2*E21^2/[ ( h*c0 )^3*{ exp ( E21/kT ) - 1 } ] となっていますが、この式の出典は、(http://okwave.jp/qa3420863.html)で紹介した「Heterostructure Lasers」という本です。 その本によると、nph(E21) の正確な式は    nph(E21) = 8*π*nr^2*E21^2*( 1 - E21/nr*dnr/dE )/[ ( h*c )^3*{ exp ( E21/kT ) - 1 } ] です。nr は媒質の屈折率です。この本には「屈折率の波長依存は無視して、 ( 1 - E/nr*dnr/dE ) の項は 1 としていい」と書かれています。それを1としたのが nph(E21) です。 この式で未知なのは屈折率 nr だけです。いろいろな物質の屈折率の光子エネルギー依存は例えば(http://www.ioffe.ru/SVA/NSM/nk/index.html)に出ていますので、この値を使えば、 nph(E21)のグラフを描くことができます(E21は光のエネルギーです)。 (2) 「光通信素子光学」の式(2.41)のB0 の実験値と計算式について B0 は式(2.40)に出ているように    B0 ≡ B21 = B12 で、式(2.48)に B0 の式    B0 = q^2*h*| M(E2,E1) |^2/( 2*me^2*ε*nr^2*E21 ) が出ています。これを計算するにはマトリックス要素 M(E2,E1) を知る必要がありますが、「光通信素子工学」ではそれ以上のことは書かれていません。 「Heterostructure Lasers」には、光吸収係数を α としたとき    α(E21) = B12( f1 - f2 )*nr/c0 の関係があることが書かれています。媒質の屈折率の虚部( http://www.ioffe.ru/SVA/NSM/nk/index.html のグラフのk)を k とすれば    α = 4*π*k/λ の関係があります(http://w3p.phys.chs.nihon-u.ac.jp/~takizawa/tex/ele_mag/node1.html)。λは光の波長でλ = h*c0/E21 なので    α = 4*π*k*E21/( h*c0 ) つまり    B0 = B12 = α*c0/{ ( f1 - f2 )*nr } = 4*π*k*E21{ ( f1 - f2 )*nr*h } となります。(1)と同様に、屈折率の虚部 k のエネルギー依存から、B0 のエネルギー依存が計算できるはずです。 (3) ρc(E2-Ec)* ρv(Ev-E1)*(f2-f1)は、上記で教えていただいたn*pの計算と同じなのでしょうか? これについてはちょっと考えさせてください。 >N型とP型半導体を重ねて電流を流すよりも、P型半導体に電子を照射した方が構造上すっきりするのでは無いか?と思っています。(但し、真空を作らないと駄目なのでコストがかかるかもしれませんし、他の問題もあるかもしれませんが、理論上可能なのでしょうか? 光ディスク装置の光源にするような用途では小型にする必要があるので、単に電流を流せば発振するpn接合のほうが適していると思います。電子線照射は真空が必要という問題の他に、効率の問題も「あると思います。半導体レーザは加えた電力(電圧×電流)のうち光エネルギーに変換される割合は大雑把に言えば10%程度ですが、電子線励起の場合、それよりはるかに効率が悪いでしょう。10mWのレーザ光を出すのに、1W以上の電力が必要となるでしょう。そうすると光にならなかったエネルギーは熱に変換されるので素子の温度が上昇してますます発振しにくくなるでしょう。でも、小型で高効率を求めず、放熱もちゃんとやるのであれば、電子線励起でも良いと思います。理論上可能かどうかというのは、電子線励起によるレーザ発振のことですか?それはとっくに実現しています。pn接合でない単なる結晶に電子線(細く絞ったビーム)を当てて誘導放出光が観測された例はたくさんあります。これは何かの応用を目指しているのでなく、レーザ発振が始まる入射電子線強度が小さいほど結晶の質が良いということを示しているので、結晶性の評価手段ですが。 >(中性の)物質(結晶)の場合、表面を電子が取り巻いていますので進入できませんが、(正電荷の)P型半導体の場合、電子が表面に少ない分、奥深く進入できるのでは無いでしょうか? 少ないといっても、ホールの密度は価電子数より何桁も小さい数なので、入射電子線のエネルギーが大きい場合(電子線励起でレーザ発振させるときの電子線の加速電圧は10kV以上(エネルギーで10keV以上))、p型でもn型でも浸入長はほとんど変わりないと思います。ただ、p型のほうが仕事関数(真空準位からフェルミ準位までのエネルギー差)が大きいので、入射電子線のエネルギーが低い場合は、p型のほうが反射する電子が少ないと思います。 >1月6日夕方以降、返信可能となります そうですか。では、その間に(3)を考えておきます。

udonf
質問者

補足

>手元にある「光通信素子工学」を見ながら、私の理解している範囲で解説します。 私のために、わざわざ「光通信素子工学」を入手して頂いた上に、ご親切な回答頂き有難う御座います。 (1)  >この式で未知なのは屈折率 nr だけです。いろいろな物質の屈折率の光子エネルギー依存は例えば(http://www.ioffe.ru/SVA/NSM/nk/index.html)に出ていますので、この値を使えば、 nph(E21)のグラフを描くことができます(E21は光のエネルギーです)。 了解しました。正直申しまして詳細な意味はよくわかりませんが、とにかく今は計算できれば良いです。(この部分は計算さえ出来れば良いと思っています。)何とか計算できそうです。有難う御座いました。 (2)  > B0 = B12 = α*c0/{ ( f1 - f2 )*nr } = 4*π*k*E21{ ( f1 - f2 )*nr*h } となります。(1)と同様に、屈折率の虚部 k のエネルギー依存から、B0 のエネルギー依存が計算できるはずです。 了解しました。これも何とか計算できそうです。屈折率の虚部 kは、absorption index(吸収率)なのですね。(この部分につきましては、いろんな本を見ましたが、このように実用的な計算方法は、どこにも記載されておりませんでした。助かりました。) ご教示頂き有難う御座いました。いきなりレーザの計算をするのは難しいので、ご教示頂いた点を参考にして、まずは発光ダイオードの計算をしたいと思います。「光通信素子工学」式(2.52)(2.54)(3.33)(3.34) 計算時の不明点をまた質問するかもしれません。その際はまたよろしくご指導願います。 (3) >電子線照射は真空が必要という問題の他に、効率の問題もあると思います。半導体レーザは加えた電力(電圧×電流)のうち光エネルギーに変換される割合は大雑把に言えば10%程度ですが、電子線励起の場合、それよりはるかに効率が悪いでしょう。 >p型でもn型でも浸入長はほとんど変わりないと思います。 わかりました。この部分は、個人的にすごく興味があります。ご教示頂いたことを考慮して再度考えてみます。 追伸 [3] 伊藤良一、中村道治「半導体レーザ」培風館(1989)326ページ [4] 伊賀健一編著「半導体レーザ」オーム社(1994)396ページ を本日、図書館で借用しました。この本も参考にします。

  • inara1
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回答No.3

>どなたからもご回答がなかったので、質問させて頂きました。 X線レーザの質問もありましたね。回答しようか迷ったのですが、回答者が多かったのでやめました。 >他に初心者もに解り易い本がございましたらご教示頂きましたら幸いです 「光通信素子光学」も決して初心者が読む本ではありませんので、それが理解できるのなら、私がこのサイトで紹介した書籍を↓に紹介します(今この回答を書いている inara1 と↓の inara は同一人物です)。    http://okwave.jp/qa3420863.html >いえ、この質問はここで初めてしました。(笑) 失礼しました。 この質問(http://okwave.jp/qa2973575.html)と勘違いしていました。 >剥き出しのn型半導体に、電子銃で電子をぶつけた場合、発光するのでしょうか? します。カソード・ルミネッセンス(http://www.jp.jobinyvon.horiba.com/product_j/cl/about_cl/02.htm)といいます。CRTと同じ原理です。 X線レーザができるかということが知りたいのでしょうか。X線の発生原理そのものが一種のカソードルミネッセンスです。 X線領域は知りませんが、紫外~可視光~赤外なら電子線でレーザ発振します(http://www.nims.go.jp/jpn/news/press/pdf/press78.pdf)。 高速(加速電圧の高い)の電子を物質に照射すると、物質中に電子-ホール対が発生し、これが再結合することで、その物質のバンドギャップエネルギーに相当する光が出てきます(金属の場合は内殻準位からの遷移による特性X線)。バンド間遷移以外の不純物準位や欠陥準位に由来する発光も出てくるので結晶の評価に使われます。ただし電子線は結晶の奥深くに進入しない(せいぜい数μm程度)し、電子線を使うので真空が必要なこと、結晶を低温(液体窒素温度)にしないと発光が弱いという制約があります。 また、これも結晶評価方法の1つですが、フォトルミネッセンス(http://www.ishikawa-nct.ac.jp/lab/E/seto/www/files/PL.pdf)というのもあります。これは、バンドギャップより大きなエネルギーの光を照射して電子-ホール対を発生させるものです。この方法でもレーザ発振させることができます(光励起発振といいます)。ちなみに、半導体レーザのように電流を流してレーザ発振させることを「電流注入による発振」といいます。電流注入発振はpn接合やダブルヘテロ接合、オーミック電極などが必要なので光励起発振よりも高度な技術が必要です。

udonf
質問者

お礼

いつもお世話になっております。 実は、本日1月4日只今より1月6日まで、PC修理のため、返信できません。 ご回答頂きましてもお礼の連絡ができませんが、悪しからずご容赦願います。 1月6日夕方以降、返信可能となります。では、よろしくご指導の程、お願い致します。

udonf
質問者

補足

度々、お詳しいご説明有難う御座います。 >カソード・ルミネッセンスといいます。CRTと同じ原理です。 よく解りました。「発光の物理」朝倉書店でも確認しました。 >高速(加速電圧の高い)の電子を物質に照射すると、物質中に電子-ホール対が発生し、これが再結合することで、その物質のバンドギャップエネルギーに相当する光が出てきます(金属の場合は内殻準位からの遷移による特性X線)。 よく解りました。この場合、(中性の)物質中に電子-ホール対が発生するのですね。では、元々ホールを持っている(正電荷の)P型半導体(GaAs)に電子を照射した場合も、ホールと電子が結合してその物質のバンドギャップエネルギーに相当する光がでるのでしょうか?素人の単純な発想です。N型とP型半導体を重ねて電流を流すよりも、P型半導体に電子を照射した方が構造上すっきりするのでは無いか?と思っています。(但し、真空を作らないと駄目なのでコストがかかるかもしれませんし、他の問題もあるかもしれませんが、理論上可能なのでしょうか?)度々すいません。ご教示頂きましたら幸いです。 >ただし電子線は結晶の奥深くに進入しない(せいぜい数μm程度) (中性の)物質(結晶)の場合、表面を電子が取り巻いていますので進入できませんが、(正電荷の)P型半導体の場合、電子が表面に少ない分、奥深く進入できるのでは無いでしょうか? >バンド間遷移以外の不純物準位や欠陥準位に由来する発光も出てくるので結晶の評価に使われます。 自由励起子と呼ばれるものなのですね。「発光の物理」朝倉書店でも確認しました。勉強になりました。 >X線領域は知りませんが、紫外~可視光~赤外なら電子線でレーザ発振します。 >また、これも結晶評価方法の1つですが、フォトルミネッセンスもあります。これは、バンドギャップより大きなエネルギーの光を照射して電子-ホール対を発生させるものです。この方法でもレーザ発振させることができます(光励起発振といいます)。 了解しました。理屈で考えますと、光で励起させることも可能ですね。色々なことが研究されているのですね。 >「光通信素子光学」も決して初心者が読む本ではありませんので、それが理解できるのなら、私がこのサイトで紹介した書籍を↓に紹介します(今この回答を書いている inara1 と↓の inara は同一人物です)。 了解しました。下記の本も図書館で借りて読んでみます。(絶版で本屋に無いためです。)ご紹介されている本は、「わかる半導体レーザの基礎と応用」CQ出版でも、良書であると紹介されています。きっと素晴らしい本に違い無いのでしょうね。 [3] 伊藤良一、中村道治「半導体レーザ」培風館(1989)326ページ [4] 伊賀健一編著「半導体レーザ」オーム社(1994)396ページ では、何回もすいませんが、よろしくご指導の程、お願い致します。

  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.2

> n*pは、特定のエネルギー状態Ec,Evのみの値ですが、実際は、それ以外のエネルギー状態にも、nやpは存在します。厳密には積分をして求める必要があるのでしょうか? n や p の式を出す計算の過程でちゃんと積分が入っています。 n や p というのは、いろいろなエネルギー準位にいる電子(ホール)の密度(状態密度)に存在確率をかけて、全てのエネルギーについて足し合わせた(エネルギーで積分した)ものです。伝導帯の電子密度 n を計算するときには、伝導帯下端(Ec)より下には状態密度がないので、積分範囲は E = Ec~∞ としていますがちゃんと積分しています。 >半導体レーザについての質問ですが udonf さんはこれも質問されてますね。 私は以前、半導体レーザの開発エンジニアをやっておりました。「光通信素子光学」は今、手元にはありませんがよく読みました。手元に他にレーザの本が何冊かあるのであとで調べてみます(半導体レーザの理論は難しいのでお答えできるかどうかは今は言えません)。 >4.これまでの話と全く変わるのですが、半導体レーザの本を読むと、西澤潤一さんと言う方が、半導体レーザの特許(1957年日本国特許出願)を出願したと書いてあります。この時には、半導体レーザは完成していないはずです。物が完成していないのに、理論だけを特許出願することは可能なのでしょうか?不思議な気がしております。 これも記憶にある質問ですね。 特許というのは、権利であって、記載内容が事実でなくても取れます。 全然実験していなくても実験したかのように書いても全然かまいませんし、もちろん理論だけでもいいですし、その理論が間違っていてもいいのです(特許の審査官は書いてあることが事実かどうかなんて調べようがありません)。特許になるかどうか審査されるところは、過去の特許と比較して新規性があるかどうか(過去に同じような内容が公知になっていないこと)、自然の法則そのままでなく人為的に高度な工夫(ここは判断が難しいですが)がなされているかという点です。もちろん自然の法則そのままというのは認められません(それをつかってどういう装置なりができるかを言及しないとダメ)。 例えば、半導体レーザなら、屈折率の高い活性層を屈折率の低いクラッド層ではさむという構造は、それ以前にそういう構造を作ったという公の文献ななければ、十分特許となりうるものです(そういう構造は自然にできるものではないのでもちろん人為的な工夫です)。その場合、実際そういう構造を作っていなくても、明細書(本文)に、「その構造は例えばLPE法で作る。具体的には・・・」と書いても構いませんし、それが妥当な方法かどうか調べられることは普通ありません。ただし、誰も知らないような結晶成長法だとか、審査当時の技術では常識的にできそうもない方法が書かれていると、審査官の判断で特許として認めないということもありえます。1957年当時は質の良い結晶成長法がまだ確立していないので、実際にそういう構造を作ったとしても、レーザ発振など無理でしょう(半導体レーザにはそれ以外に必要な技術がいっぱいあります)。西澤さんの特許は読んだことがありませんが、「特許請求の範囲」に何が書かれているかが問題です。あまりに原理的な特許は公知と判断されて拒絶されることもあります。 >理論だけを特許出願することは可能なのでしょうか? 特許出願というのは、入学願書のようなもので、様式さえ整っていれば誰でも出せます(様式が整っていなくても出願できますが受理されないのも受験願書と同じ)。特許出願した時点では内容については何も審査されません。したがってよくある「特許出願中」というのは何の意味もありません。特許化したいのであれば「審査請求」というのを出願後に提出する必要があります(これは願書の後の受験になります。願書を出すだけで受験しないと合格しません)。受験と違うのは、出願して受理されたものは、1年半後に「公開特許公報」という公開資料として自動的に公にされることです。ただし、この段階でもまだ特許になっていません。「公開特許公報」というのはこういう特許願いが出されましたよという単なるお知らせです。したがって「特許出願中」も無意味ですが、「公開特許公報の特開2007-2346589」に出たというのも何の意味もありません。 権利が発生する本来の特許というのは「特許公報」という文書のことです。これは「審査請求」が出されたものについて、特許庁の審査官が内容を吟味して、特許性があると判断したものに対してその特許を認めるというお墨付きのついた文書です。これは「特開」でなく、「特許第3823421号」などという番号になっているので容易に区別できます。ただし特許化されても永久に権利が認められるわけでなく、(忘れましたが)10何年か経過すると効力が消滅します。権利が消滅すれば誰でも使って良い技術になります。西澤さんが1957年に出願して運良く権利化されたとしても、ずっと昔に期限切れになっています。特許というのは有効期間があるので、あまり早い時期に成立してしまうと、周辺技術が追いつかない(商品化されない)うちに権利が切れてしまい、結局特許料を取れないということもあります。それに、基本特許が取れたとしても、それ以外の他人の特許技術を使わないと現実に作れないもの(半導体レーザが好例)だとあまり意味がありません。

udonf
質問者

お礼

すいません。質問の言葉が足りませんでした。 質問2. 剥き出しのGaAs等の発光するn型半導体に、電子銃で電子をぶつけた場合、発光するのでしょうか?

udonf
質問者

補足

ご親切な回答有難う御座います。 >n や p の式を出す計算の過程でちゃんと積分が入っています。 すいません。これは、「光通信素子光学」P45の式(2.50)~(2.52)で積分した式が載っていましたので、質問させて頂きました。 >udonf さんはこれも質問されてますね。 実は、そうです。どなたからもご回答がなかったので、質問させて頂きました。すいません。 >私は以前、半導体レーザの開発エンジニアをやっておりました。「光通信素子光学」は今、手元にはありませんがよく読みました。 「光通信素子光学」は初心者には大変良い本だと思います。他に初心者もに解り易い本がございましたらご教示頂きましたら幸いです。 >手元に他にレーザの本が何冊かあるのであとで調べてみます(半導体レーザの理論は難しいのでお答えできるかどうかは今は言えません)。 お手数をお掛けしますが、よろしくお願い致します。 >これも記憶にある質問ですね。 いえ、この質問はここで初めてしました。(笑) >特許になるかどうか審査されるところは、過去の特許と比較して新規性があるかどうか(過去に同じような内容が公知になっていないこと)、自然の法則そのままでなく人為的に高度な工夫(ここは判断が難しいですが)がなされているかという点です。 有難う御座います。今まで、審査される内容を勘違いしていました。物理学や工学の専門家が、理論的に正しいか否かを判断すると思っていました。特許についてのお詳しいご説明でよくわかりました。 すいません。更に下記を教えて下さい。 質問1. 伝導帯の底から価電子帯の頂上に電子が落ちるときに電子の運動量が変化してエネルギーが減少します。GaAs等の発光は、このときの運度量とエネルギー保存則を満たす必要があります。(高校数学でわかる半導体の原理 P206) このときに、外部から高電圧を印加した場合、電子の運動量も若干増えると思うのですが、すると光のエネルギーも若干増えるのでしょうか?(半導体に高電圧を印加すると絶縁破壊する等は考えないものとします。) 質問2. 剥き出しのn型半導体に、電子銃で電子をぶつけた場合、発光するのでしょうか?

  • inara1
  • ベストアンサー率78% (652/834)
回答No.1

udonf さんはいろいろな質問をされていますが大学生でしょうか。 質問文にある有効状態密度 Nc の式は間違っています(2/3乗でなく 3/2乗)。 (Ef について) Ef を擬フェルミエネルギーの意味で使うのは、熱平衡状態にない場合(pn接合にバイアスをかけたときなど)です。熱平衡状態の場合、Ef は単なるフェルミエネルギーの意味になります。 (Ec について) この計算ではEcの絶対値を知る必要はありません。計算に出てくるの量は Ec - Ef や Ef - Ev ですので必要なのはエネルギー差です。真性半導体のEf は Ec と Ev の中間になります(厳密には [1] )。真性半導体の n の値を真性キャリア濃度といって ni で表します(i はintrinsicの頭文字)が、真性半導体では Ec - Ef = Eg/2 なので半導体のバンドギャップ Eg が分かれば ni は算できます。主な半導体のバンドギャップエネルギーと有効質量など以下の通りです。これ以外の半導体の値は [4] に出ています。    半導体 バンドギャップ   me    mh   Nc [1/cm^3] Nv [1/cm^3]  出典    GaP   2.26 eV    0.79*m0   0.83*m0  1.8e19     1.9e19     [1]    GaAs  1.424 eV    0.063*m0  0.53*m0  4.7e17     9e18      [2]    Si     1.12 eV    0.36*m0   0.81*m0  3.2e19     1.8e18     [3] (n型半導体のホール密度) 真性半導体でも不純物半導体でも、伝導帯にある電子の密度 n と、価電子帯にあるホールの密度 p は、以下のように同じ式で表わされます。    n = Nc*exp{ -( Ec - Ef )/( k*T ) }    p = Nv*exp{ -( Ef - Ev )/( k*T ) } ただし、真性半導体と不純物半導体では Ef の値が異なりますので、n や p の値は真性半導体と不純物半導体では違ったものになります。しかし、n*p を計算すると    n*p = Nc*Nv*exp{ - (Ec - Ev )/( k*T ) } = Nc*Nv*exp{ -Eg/( k*T ) } --- (1) となって、Ef に依存しません。つまり、Ef が異なる真性半導体でも不純物半導体でも n*p は一定です(√(n*p) が上の ni になります)。したがって、不純物半導体の n の値が分かれば、ホールの密度 p は式(1)から計算できます。 例えばSi (温度300K) の場合、Nc =3.2e19 [1/cm^3]、Nv = 1.8e19 [1/cm^3] 、Eg = 1.12 [eV] = 1.79e-19 [J] なので、n*p =9.6e19 [1/cm^6] となります(半導体分野ではcm を使うことが多いのでその単位で書きました)。 >実際の値よりもかなり小さくなってしまう旨のことが書かれています 実際の値と何でしょうか。 一般に、n型半導体の電子密度 n は不純物濃度 ND に等しくなります。したがって、Si でND = 1e18 [1/cm^3] のとき、式(1) から p = 96 [1/cm^3] と非常に小さな値になります。 [1] GaPのバンドギャップ・有効状態密度・有効質量・真性キャリア密度(英語) http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/GaP/bandstr.html [2] GaAsのバンドギャップ・有効状態密度・有効質量・真性キャリア密度(英語) http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/GaAs/bandstr.html [3] Siのバンドギャップ・有効状態密度・有効質量・真性キャリア密度(英語) http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/Si/bandstr.html [4] その他半導体のバンドギャップ・有効状態密度・有効質量・真性キャリア密度(英語) http://www.ioffe.rssi.ru/SVA/NSM/Semicond/

udonf
質問者

お礼

すいません。No.2の質問 訂正します。 質問2. 剥き出しのGaAs等の発光する(n型(誤)→P型(正))半導体に、電子銃で電子をぶつけた場合、発光するのでしょうか?

udonf
質問者

補足

詳しいご説明有難う御座います。 よく解りました。 >n*p = Nc*Nv*exp{ - (Ec - Ev )/( k*T ) } = Nc*Nv*exp{ -Eg/( k*T ) } --- (1) 意外と簡単に計算できるのもなのですね。この式を覚えておけば、Ef が異なる真性半導体でも不純物半導体でも n*p は一定ですので、計算できるのですね。非常に便利ですね。初めて知りました。 >一般に、n型半導体の電子密度 n は不純物濃度 ND に等しくなります。したがって、Si でND = 1e18 [1/cm^3] のとき、式(1) から p = 96 [1/cm^3] と非常に小さな値になります。 そうなのですか。色々と(初歩的なものばかりですが)本を読みましたが、このことも初めて知りました。 すいませんが、下記についても教えて下さい。 質問 1.n*pは、特定のエネルギー状態Ec,Evのみの値ですが、実際は、それ以外のエネルギー状態にも、nやpは存在します。それ以外の値は無視してもよろしいのでしょうか?厳密には積分をして求める必要があるのでしょうか? 2.半導体レーザについての質問ですが、「光通信素子光学」(米津宏雄 著)を読みますと、正味の誘導放出量を計算するには、下記式により計算できると書いてあります。 B0*nph(E21)*ρc(E2-Ec)* ρv(Ev-E1)*(f2-f1)   式(2.41) B0:光と電子の相互作用に基づく遷移確率 ρc(E2-Ec)*f2:エネルギー状態E2での電子の存在数 ρv(Ev-E1)*(1-f1):エネルギー状態E1でのホールの存在数 nph(E21):光子密度 とあります。 B0(光と電子の相互作用に基づく遷移確率)とnph(E21)(光子密度)は、実験値があるのでしょうか?また、実用的な計算式があるのでしょうか? 3.ρc(E2-Ec)* ρv(Ev-E1)*(f2-f1) は、上記で教えていただいたn*pの計算と同じなのでしょうか? 例えばSi (温度300K) の場合、Nc =3.2e19 [1/cm^3]、Nv = 1.8e19 [1/cm^3] 、Eg = 1.12 [eV] = 1.79e-19 [J] なので、n*p =9.6e19 [1/cm^6] となるのでしょうか?(但し、Siは、光は発しませんが。。。) 4.これまでの話と全く変わるのですが、半導体レーザの本を読むと、西澤潤一さんと言う方が、半導体レーザの特許(1957年日本国特許出願)を出願したと書いてあります。この時には、半導体レーザは完成していないはずです。物が完成していないのに、理論だけを特許出願することは可能なのでしょうか?不思議な気がしております。

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