• ベストアンサー

米国債購入時の円はどこへいくの?

最近の円安で米国債を購入する人も多いと思います。 そこで、金融機関を通して購入した米国債の支払いに 円で決済した場合、この円はどこへいくのでしょうか? 知りたいのはよく米国債を購入するとアメリカに資金が 回り、アメリカの景気にプラスになると読んだことがあります。 ということは日本からみたら、本来日本で投資できたはずの 資金が米国に流出していると考えていいのでしょうか?

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • tiuhti
  • ベストアンサー率66% (447/668)
回答No.5

まず、↓の5ページ目(各頁の下にふられている元の頁番号では115ページ目)をご覧下さい。 http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/tyousa/tyou077-05.pdf ここには、以下のような記載があります。 国民経済計算において、以下の貯蓄・投資バランス式が成り立つ。 (S-I)+(G-T)=X-M これは恒等式であり、事後的には必ず成立する。 これは、「国際金融」でなくても、「マクロ経済」の授業であれば、あるいは、一般人向けのマクロ経済の概説書であれば、まず間違いなく説明されている超基本的な式です。 この式の意味は、一国に於いて、「民間の貯蓄と投資の差額」と「政府の支出と収入の差額」を合計した数字は、事後的には常に経常収支に等しい、という意味です。国内を民間と政府に分けないで考えれば、「国全体として投資>貯蓄だった場合、その差額は経常収支の黒字になる」という事になります。 さて、No.2の回答(+No.4の回答での訂正)に、「資本が流出するのは,経常収支が黒字となる場合。資本取引は,経常収支の裏の取引に過ぎない」と書かれています。より正確には、国際収支表では「経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏≡0」と説明される場合が多いです。誤差脱漏は、全ての取引を完璧に把握できない事からくる、計算の合わない部分に過ぎないから、これを無視して、外貨準備増減は政府部門の対外純資産の増減ですから、民間部分とあわせて考えてしまうと、「経常収支と資本収支は裏側の関係にある」と言えます。 この二つをあわせて考えると、国内の貯蓄過剰=経常収支の黒字=資本収支の赤字(ネットでの資本の『流出』)と纏める事ができます。 気をつけなくてはならないのは、「一つ一つの取引での現金の流れを追いかけて、こういう場合は資本の流出で、こういう場合は資本の流出ではない」といった議論をしているのではない、という事です。 例えば、無理にわかりやすい例を作ると、ある自動車メーカーが、アメリカに自動車を輸出したとします。その代金のドルを受け取って、それをそのまま米国債投資に振り向けたとします。その自動車輸出の結果、日本はアメリカに対して債券を持つ事になりました。ドルは、アメリカ→日本→アメリカと動き、結果的に日本が受け取った金融資産は国債とだけです。為替取引も必要ではありません。まさに、資本の輸出であり、経常収支の黒字の裏返しです。 しかし、資本の流出がこういうパターンの時だけ起きるわけではありません。自動車メーカーだって、代金をいつも米国債に変えている訳ではありません。受け取ったドルを日本人に売るかもしれないし、アメリカ人に売るかもしれません。しかし、日本全体としてみると、国内の取引をすべて相殺すると、必ず「資本の流出」があるはずです。(経常収支が黒字である以上、絶対にそうならざるをえない) さて、一般的に、米国債などの証券投資を、「資本の流出」あるいは「資本の輸出」と呼ぶのは、「外国に金を貸した」からです。国内の貯蓄過剰が、外国に対する債権の増加(=資本の流出)につながった、という風にも説明できます。一方、為替取引の場合は、単に等価値のドルと円を交換しただけだから、それ単独では、金を貸し借りした事にならず、「資本の流出」や「流入」は起きません。ですから、No.4の方の例では、「外為市場での資本流入はなく、国債市場での資本流出だけで、それが「ネット」における資本流出」となります。このように、資本収支の赤字=資本の流出を、国債などの証券投資から語るのは、マスコミに限らず、学者でもそうです。例を参考URLに入れておきました。 全く独自の定義を持ち出せば「ネットでは,資本の流出は0」と言う事も可能でしょうが、あまり意味があるとは思えませんね。 尚、蛇足に近くなりますが、「日本人自らは,せっせと米国債という貯金をし、アメリカ人は借金して車を買っている」のは、「経常収支の赤字(=国内で作っている以上のモノを消費する)を、資本収支の黒字(=資本の流入)で賄う」という一つの例に過ぎません。上に上げた恒等式は、どの国でも成立します。よって、これは「基軸通貨国の歪んだ特権」ではありません。ドルは基軸通貨だから、他の国はドルを(ある意味で)信用するしかないので、アメリカの経常収支の赤字が長期間続いても中々破綻しない、という事が特殊なだけです。国際金融論の試験で、もしこういう回答があったら、私は厳しいので及第点はあげません。

参考URL:
http://www.jbic.go.jp/japanese/research/report/review/pdf/28_03.pdf
gaplant2
質問者

お礼

皆様にお礼を言いたいのですが、代表してこの場にて 丁寧な回答ありがとうございました。 非常にわかりやすかったです。

すると、全ての回答が全文表示されます。

その他の回答 (5)

  • tiuhti
  • ベストアンサー率66% (447/668)
回答No.6

No.5で間違いがありました。 「国全体として投資>貯蓄だった場合、その差額は経常収支の黒字になる」は「国全体として投資<貯蓄だった場合、その差額は経常収支の黒字になる」です。貯蓄過剰→経常収支の黒字→資本の流出ですから…。 失礼しました。

すると、全ての回答が全文表示されます。
  • dynamic-m
  • ベストアンサー率65% (27/41)
回答No.4

No3さん,ありがとうございました. 経常収支の黒字の場合に,資本収支では資本の流出です. 一つ重要なことは,資本流出や流入というのは,ネットで見ないダメだという点です.国債を取引する裏には,当然,代金決済があるからです. 下では,単純に,米国債を買いたい人が,日本のドル預金をもっていた人からドルを買って,米国債を買う展開を書きました.しかし,ドル預金を持っている人が,アメリカ人でも,同じことが言えます. 外国為替市場で,円をアメリカ人のドルと交換すれば,日本人の円預金は減ります.つまり,日本へ資本が流入したとなります.その日本人はドルを手にしましたが,そのドルで米国債を買います.その人は,アメリカからドルを買ったが,また,そのドルを売って,米国債を買ったことになります.ここで何が起きているかといえば,ドルの動きは買った売ったで,相殺されて,米国債という対米債権のみが,増加したことになります.つまり,資本の流出です. したがって,外為市場での資本流入と国債市場での資本流出が一致して,「ネット」における資本流出はゼロとなります. アメリカは,ドル本位主義において,世界でただ一つのドルをいくらでも刷ることができます.貯蓄をせず,消費を大量に行ないます.その不均衡を,日本人や中国人が穴埋めしている格好になります. 日本人は,貿易で稼いだお金を,アメリカ人の消費のために,お金を課してあげているということになります.つまり,日本人自らは,せっせと米国債という貯金=アメリカ人は借金して車(日本車かも?)などを買っているということです.もちろん,その分の利息はしっかりとプラス所得収支としてもらっています. これは,基軸通貨国の歪んだ特権ということでしょう. もちろん,アメリカ経済にプラスになるばかりではなく,アメリカに経済に依存している日本もプラスであるといわざるを得ません.

すると、全ての回答が全文表示されます。
  • tiuhti
  • ベストアンサー率66% (447/668)
回答No.3

「資金の流出」(というか、「資本の流出」と言う方が一般的or厳密なような気がするが・・・)、米国債を買う時の円がどこにいくか、というのは、別の問題だと思った方がいいです。結局のところ、円が使えるのは(原則としては)日本国内なので、仮に誰かが直接アメリカ人から、Cash on Deliveryで円を払って、米国債を買ったとしても、その円は結局はまず間違いなく日本に帰ってきてしまいますから…。 次に、米国債を買う事=「資本のアメリカへの流出」と考えてよいかどうか、ですが「考えていい」です。 まず、「資本の流出」の定義ですが、参考URLの財務省の発表をご覧下さい。 ここに『対外証券投資における「処分」「取得」は、それぞれ資本の流入、資本の流出を表している。』と書いてありますね。つまり、日本人が外国の証券に投資する場合、売った場合は、それを「資本の流入」といい、買った場合は「資本の流出」と呼ぶ、という事です。私は、外債投資は「業」として行ったことがありますが、国際金融の専門家でもないし、国際金融論の授業をとった事もありません。しかし、対外証券投資での取得を「資本の流出」と呼ぶのは、財務省の発表のみならず、基本的な常識です。「日本が米国債を購入すれば,資金が流出する」というのも、こういう定義に沿って言っているのであって、少しも「間違い」ではありません。 No.2の方が「資本取引は,経常収支の裏の取引に過ぎない」と書かれていますが、これを具体的かつ思い切り乱暴に説明すると、以下のようになります。(尚、話をわかりやすくする為に、経常収支=貿易収支と仮定します。また、日本とアメリカの二国だけが地球上に存在すると仮定します。) 1.経常収支=貿易収支が黒字、というのは、「日本がアメリカにモノを売った金額>アメリカが日本にモノを売った金額」という事です。またまた、話を簡単にする為に、Cash on Deliveryだったとすると、日本は持っている金が増えます。 2.日本は、その持っている金をただキャッシュとして持っていても仕方が無いので、誰かに貸そうとします。個々人としては日本人に貸す事もできますが、何せ日本全体として持っている金が増えているので、結局はアメリカ人に貸すしかありません。その一つの方法が、米国債を買う事です。 つまり、アメリカ人との貿易で増やした金を、またアメリカ人に貸している、って事ですね。ただし、ここで注意しなければならないのは、説明の便宜上、まず貿易取引での黒字があって、その結果として、増えた金をアメリカ人に金を貸す(=例えば米国債を日本人がアメリカ人から買う=資本が流出する)と書きましたが、実際には、アメリカ人に金を貸したから、アメリカ人は日本人から自分が売った金額以上のモノを買えた、という風にも考えられます。経常収支と資本収支が裏返しの関係にあるのは、事後的に成立する『恒等式』であって、どちらが原因でどちらが結果か、というのはこの式からは判断しようがありません。むしろ、どちらの側から説明するか、といった方が正解に近いです。 「米国債を購入すると・・・アメリカの景気にプラスになる」というのは、No.1の方の説明の通りです。 ところで、No.2の方の「資本が流出するのは,経常収支が赤字となる場合」というのは、「経常収支が黒字となる場合」の単なる書き間違いだと思いますが、「ここでは単純に,外国為替市場でドルを円を持っている日本人と交換しましょう」というのが、今ひとつよくわかりません。もしこれが、「米国債を買おうとしている人が、ドル預金を持っていた日本人から、ドルを買った」という意味ならば、勿論、資本の流出はありません。国全体としては、ドル預金が米国債に変わっただけですから。しかし、それは、そのように仮定すればそうなるに決まっているだけで、現実に今日本で起きている事は、「国全体としては経常収支が黒字で、その裏返しとして、資本収支は赤字(=資本の流出)」ですから、日本人同士のやりとりだけでは賄えない部分が存在している、という事です。

参考URL:
http://www.mof.go.jp/shoutou/montha0502.htm
すると、全ての回答が全文表示されます。
  • dynamic-m
  • ベストアンサー率65% (27/41)
回答No.2

結論から述べると,流出はしていない,となります. ちょっと,不思議からもしれませんが,よく新聞などで,「日本が米国債を購入すれば,資金が流出する」と書かれることが多いですが,これは,国際金融を一面から捉えていないからこうなります.記者自身が知っているか,知っていないかは分かりませんが,直感的に,読者に分からせるために,こう書かれることが多いと思います. 大学等の国際金融論を採った方ならば,こういった間違いは犯しません. まず,米国債を日本側が買うということは,資本収支上,対米債権の増加ですから,資本の流出となります.と同時に(新聞ではこれからの文脈を無視しているから上述のような解説になります),米国債を購入するには,日本円をドルに変えなければなりません.ここでは単純に,外国為替市場でドルを円を持っている日本人と交換しましょう.そうすると,ドル預金を持った米国債購入者は,そのドル預金をもって,米国債を購入することになります.国際資本収支上,日本人の米国におけるドル預金が減少することになりますから,対米債権の減少です.すなわち,資本の流入となります.結局,資本の流出と資本の流入が一致しますから,ネットでは,資本の流出は,0なのです. 資本が流出するのは,経常収支が赤字となる場合です. 資本取引は,経常収支の裏の取引に過ぎないので注意が必要です. 結局,円自体は,マネーサプライは資本取引だけでは,日本にとどまります.簡単に言うと,円を持っていた人が円ではなくて,アメリカ国債を買った.ドルをたまたま持っていた人が円が欲しかったので買った.だから,まだ円は日本にありますよね.その円を持っているひとは,日本国内で投資をするかもしれません.それは,その人にしかわかりません.

すると、全ての回答が全文表示されます。
回答No.1

米国に流出している事になります。 米国債は基本的にドル建てですので、日本円で買うということはドルに換えてから米国債を買う事になると思います。 手数料等を無視して考えると、ドルに換えるということは円を売ってドルを買うのでドルの需要が増えた事になり、ドル高に貢献します。実質的にアメリカ資産の対外流出を抑える効果があります。 また、米国債は米国政府の借用証書ですので、これを買うとアメリカ政府に金を貸している事になります。貸しているいるといっても一時的にアメリカに税金を払っているようなものですので、アメリカの予算に貢献、つまりアメリカの景気対策に使われる可能性も含めるとアメリカの景気にプラスに貢献します。

すると、全ての回答が全文表示されます。
このQ&Aのポイント
  • アクリル透明波板に塗装して外部からの視線を遮りたい場合、透明性を損なわずに効果的な塗料を選ぶ必要があります。
  • 一般的には、アクリル専用の塗料やガラス用の塗料が適しています。
  • これらの塗料は透明な表面を保ちつつ、外部からの視線をブロックする機能を備えています。また、耐久性や耐候性も高いため、長期間にわたって効果を発揮します。
回答を見る

専門家に質問してみよう