FTIRで未知の高分子を測定
- 学生実験でFTIRを用いて測定した未知の高分子試料について、解析結果から得られた情報に疑問が生じています。
- 解析ソフトを用いてピークの類似性を調べたところ、ポリエチレンやPET、SBSの可能性が示唆されましたが、一部の結果に疑わしい点があります。
- さらに、ポリエチレンのピークの出現位置や該当性についても疑問があります。今回の測定結果と、別の測定方法(KBr法)のデータを参考にしてもよいのか、また分別チャートとの一致しない結果についても説明を求めています。
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FTIRで未知の高分子を測定
学生実験で、未知の高分子試料(といっても、ビニール袋やスズランテープ等)をFTIRを用いて測定しました。(ちなみに高分子は専門外で、今回初めてサンプルを測定しました) 解析ソフトは測定後、類似のピークを検索してくれるのですが、それを用いたところ5つのうち3つはポリエチレン(LDPEが1つ,LLDPEが2つ)、1つはPET、最後の1つはSBSと出ました。 勉強不足で何も疑わずに結果報告をしたところ、間違っていると指摘されて、「SBSはありえない。この中にポリスチレンは無かったか?」ときかれました。 「有機化合物のスペクトルデータベース」というサイトでポリスチレンのIR(KBr法)を見たところ、SBSと出たもののピークが類似していました。 今回行った測定方法は、ATR法といわれるものだと思うのですが、このKBr法の見本データを参考にしてもいいのでしょうか? また、ポリエチレンとでたものはいずれも1490cm-1あたりにピークがあるのですが、これは芳香環による吸収なのでしょうか?そうだとすると、高分子の分別チャートによればポリエチレンに該当しないのですが、これはどうしてなのでしょうか? 長々となりましたが、アドバイスお願いします。
- hanamogeru
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- 化学
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>今回行った測定方法は、ATR法といわれるものだと思うのですが、このKBr法の見本データを参考にしてもいいのでしょうか? 参考にして大丈夫です。ATR法でもKBr法でも、ピーク位置がずれることはありません。ただし、ピーク強度は両者で変わってくるので、注意してください。なぜ、ピーク強度がずれるのかというと、ATR法は測定波数によって測定するサンプルの量が変わってくるからです。エバネッセント波のもぐりこみ深さの数式を見れば、分かると思います。 >また、ポリエチレンとでたものはいずれも1490cm-1あたりにピークがあるのですが、これは芳香環による吸収なのでしょうか? 1490cm-1のピークは、それだけでは何由来か判別が難しいと思います。この辺りは指紋領域とよばれ、色々なピークが出てくるからです。他のピークとの比較により、推測することしかできません。 CH伸縮振動を見るほうが、他のピークと重なることが少ないので、分かりやすいかと思います。2800~3100cm-1の領域に、CH伸縮振動由来のピークは出ていますよね。そのピーク位置を見れば、芳香族由来かどうか判別できると思います。
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お礼
ありがとうございます。参考になりました。