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NMR装置の○○MHzの表記の意味

c80s3xxxの回答

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  • c80s3xxx
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回答No.5

まず,NMR の化学シフトは非常に小さいのです. 化学シフトのおこる原因は,核の周りにある電子による磁気遮蔽です.つまり外部磁場と核の感じる実効磁場の差が化学シフトを生むわけです. すでに挙がっている式により,磁場と共鳴周波数は比例関係にあります.そもそも NMR は磁場下での核のエネルギー分裂によるので,磁場が強いほど分裂幅が大きく,当然共鳴エネルギー (吸収される電磁波の光量子のエネルギー) も大きくなり,つまり電磁波の振動数が高くなる,ということになります. FTを使ったパルスNMRより,古典的なNMRの方がわかりやすいと思いますので,そちらで話をしますが,この共鳴条件を調べるためには磁場か周波数を連続的に変化させてどの条件で共鳴吸収がおこるかを調べればいいことになります.ただし,マイクロ波程度の波長になると周波数を微妙に,しかも安定かつ正確に変えるのは簡単ではありません.一定の周波数で安定に作るのでさえ,結構めんどうなのです.そこで,周波数は固定にします.その代わりに磁場を変えます.といっても,ごくわずかな変化を与えるので,通常の磁場を与える電磁石に流す電流を直接操作することはしません.こちらは一定電流で安定な強磁場を作っておきます.そして,それとは別に磁場を微小変化させるための別の弱い電磁石を組み込み,こちらを操作することで磁場をわずかに変化させるのです.この磁場の変化を精密に測定するには,もとの磁場が強ければ強いほど,同じだけの磁場変化でもより分解能の高い測定をしたことになるのです.100に対して1変化させるのと10000に対して1変化させることの違いです.同じ1のもつ重みが違うわけです. ということで,共鳴磁場を強くする=共鳴周波数を高くすることが,測定の分解能を上げるためには最も直接的であるのです.

koz7291
質問者

お礼

 ご回答ありがとうございました。  大変詳しいご説明ありがとうございました。意味はよく分かりました。何度 も読んで頭に入れたいと思います。複雑なのですね。  私の理解を申しますと、まず一定の周波数のマイクロ波を照射し、強い電磁 石で一定の強い磁場を作っておき、それとは別の弱い電磁石で磁場変化を精密 に測定していく、ということですね。最終的に私が知りたいのは、例えば400 MHzの装置ならば、何が400 MHzなのか、ということなのですが、ここで出てき た、「一定の周波数のマイクロ波」の周波数(1)が400 MHzなのか、「強い電磁 石で作った一定の強い磁場」を数式で周波数に変換したもの(2)が400 MHzなの か、がまだ解けないでいます。(1)と(2)は別物なのでしょうか? また自分で もぼちぼち専門書を読んで勉強していこうと思います。ありがとうございまし た。

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