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短調など、悲しい曲はなぜ悲しいのか

neil_2112の回答

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  • neil_2112
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回答No.5

まず短調、長調の違いをはっきりさせるべきではないでしょうか。 12平均律では、オクターブ(周波数が倍になる間隔)中に12の音が均等分布しています。つまり、ある音よりひとつ高い隣の音は、周波数で見れば12乗根倍の周波数を持っているということになります。 その12音のうちの7つから(ドからシのような)音階が作られます。1オクターブ上の基音を入れて8つの音、その相互間の「距離」が長短を分けるのです。 長音階では、基音から順に次の音までの「距離」が、次のように表されます。 全・全・半・全・全・全・半 (半:直前の音の周波数に対して「2の12乗根」を乗じる  全:直前の音の周波数に対して「2の12乗根倍」の2乗を乗じる) 一方で短音階の場合には、 全・半・全・全・半・全・全 となります。 このような各音の間の関係は、いわば「構造」として変化しません。 基音から見て第3音までの「距離」が、長音階では「全・全」なのに対して、短音階は「全・半」と短くなっています。一般にはこの「欠落感、不足感」が短音階の「憂愁感」を生み出すものと解釈されています。 こういった音階の長短から受けるイメージが、文化に根ざすいわゆる「刷りこみ」なのかどうか、という問題ですが、必ずしもそうは言えないのではないでしょうか。 「刷りこみ」は次世代にその感覚(エートス)が受け継がれる理由にはなっても、「なぜそもそも短調が悲しい時、長調が楽しい時に使われるようになったのか」を説明していないからです。つまり世代間の継続を仮に説明できても、その起源、なぜそうなったのかという蓋然性とは無関係でしょう。 音の「高い・低い」という言葉と、(山などが物理的に)「高い・低い」という言葉は、多くの言語で共用されているそうです。山が高いことと音が高いことには実質的に何ら因果関係はないのですが、日本語やラテン系の言語を始め、世界の多くで共通しているということは、音の高低の認識イメージにある程度普遍なものがあることをうかがわせます。 また、メロディ理論の基礎で、音が「低→高」とつながると緊張感をもたらし、「高→低」となると緩和されますが、これは比較的世界的に一般の感覚だそうです。高い音は周波数が高い、つまりより高エネルギーであるわけで、自己の生命維持にとっていろいろな意味で有意な存在に対し、動物としての人間の反応が「緊張」を示すということはむしろ自然な反応ではないでしょうか。 一方、刷りこみ理論の例証として、子供たちの長短の音階に対する反応を調べる実験はよく知られていますが、常に信用性の問題が残ります。というのも、幼児は基本的に快・不快という原初的かつ個人的な情緒は発達が早いけれども、嬉しい・楽しい、悲しい・不安という、ある程度社会性を持つ感情はやや遅れて発達するからで、その感情を有するということ自体、ある文化の影響下にあることに他ならないからです。 逆に、例えば幼児向けのいろいろな音楽教室で、長短を理解させるために「ちょうちょ」など簡単な長調の歌をわざと短調にして子供に聞かせたり(あるいはその逆を)すると、一様に「死にそうなちょうちょ」「暗いちょうちょ」といった反応を幼児が示すそうです。 何百年も前の西洋音楽を聴いて、現代の日本人である私達がその意図に共感できることを考えても、ある程度長短のイメージは普遍的な部分があるのではないでしょうか、というのが私の考えです。 (全く素人なのにもかかわらず長くなって恐縮しております)

jun1038
質問者

お礼

いえいえ、たくさん書いていただいて、私の方こそ恐縮しております。 大変ありがとうございます。 「ちょうちょ」の話は、なるほどと思いました。 ある程度は、(たんなるすりこみだけでは説明できない) 短調のもつ本質的な問題がありそうですね。 私が本来嫌いな、胡散臭い・思いつきの話で恐縮ですが、 我々は、同じ人間として日常会話の中で知らず知らず 話し相手の声の基本周波数と調和した高さの声で 話していませんかねえ。(ホントか???) 「健康な」ハーモニーは、全・全なのに対して、 若干それを下げることにより、 「オレは病気なんだ」「オレは悲しいんだ」というシグナルを送っているのでは。 とすれば、そのような周波数構成が、寂寥感・憂愁感をもたらしても 納得しちゃいますが・・・

jun1038
質問者

補足

こんばんは。 回答をお寄せいただいた皆様に、この場をお借りして一言お礼申し上げます。 短調がなぜ悲しいのか、という私の疑問に対して、「すり込み説」と「NOTすり込み説」の大きく2つの意見が寄せられ、それらはそれなりにもっともらしいものでした。もうすこし議論を深めたい気もするのですが、最近のこのサイトは新規の投稿(?)がすごく多くて、しばらく時間が経つと大変な「昔のページ」に行ってしまいます。管理者からのメールも頂きましたし、ここはひとまず質問を締め切らせて頂いて、自分でももう少し考えてみることにします。もしまた同じ様な質問をしたときには、またお付き合いいただければ幸いです。 ポイントは、全くの主観です。皆様平等に差し上げたいのですがそういうわけにもいかないようですので。ポイントをどなたにも付けないというのも失礼になると思いますので。回答いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。 ありがとうございました。ではまた。

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