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蒸留のときの温度計
himajin1の回答
- himajin1
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化学工学の分野の人でなく、合成化学の分野の人は、合成した化合物の同定の手段の一つに、沸点や蒸気圧を使うことがあります。 その時の、圧力と温度の計り方の決め事(ルール)と(私は)理解しています。 さて、気液平衡を論じる場合、どこの温度を測るのが正しいかというと、 液深ゼロの液温 を測定する必要があります。 特に、減圧蒸留の場合、液深ゼロというのは、大きな意味を持ちます。 フラスコの中の液体の深さに応じて、比重分の圧力が加わり、液体の表面の圧力は、 気相部の圧力と同じだとしても、実際加熱されて沸騰する底の方は、より圧力が高く、沸点(平衡温度)も、高くなるからです。 この液深による誤差を取り除き、気相部の圧力での、平衡温度(液深ゼロの液温)を厳密に測定するためには、以下の方法をとります。 「コットレルポンプ」と言われる液体循環メカニズム付きのフラスコで、気液混相の泡液を気相部の温度計にぶつけて温度を測定します。 そして、重要なのは、この時の組成は、液相部(釜)の組成に対応した気液平衡であると言うことです。 こういった、本来の手順を踏めない場合に、比較的簡易に、平衡温度を近似的に求められる方法として、気相部の温度を測定することがあります。 フラスコの枝のところの、気相部の温度を測っているのは、枝から出てくるガス組成での気液平衡(に近い)温度ですので、その瞬間の留出(液)組成に対応した気液平衡温度を測定して(いるつもり)だということです。 保温が不完全で、フラスコ内をガスが上昇するに連れ、フラスコ表面で分縮が発生している(通常のケース)で、有効な温度測定法です。 完全な保温がなされていたり、大きすぎるオイルバスでの加熱で、フラスコ内よりもフラスコの外の方が温度が高かったりする場合には、分縮が発生せず、フラスコの気相面がカラッとしてきます。この様な場合には、枝部分での気相温測定は意味を持ちません。
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