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「電解水」を電気化学的に説明すると?

Zincerの回答

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  • Zincer
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回答No.7

久しぶりのZincerです。 かなり大変なことになってますね。若干のゴマカシを交えながら順を追って考察してみましょう。 1.陰極に電圧をかけて電子を送り込みます。(電極の電位が卑(-)な方向へ変化:電位=Ec) 2.電極の電位(Ec)が水の還元電位を超えた時点で水が還元され(電子が移動し)OH-が生成されます。 ※この時点では陰極側の水は負の電荷を帯びているはずですので、この水全体の電位をEwcとでも置いておきましょう。 2-1.さらに陰極には電子が送り込まれるため、「2」の反応が進む限り陰極の電位は水よりも低い事になります。(厳密に言えば、電位が低いから「2」の反応が進行します。:上記の説明は原因と結果を逆にしています。) OH-は負の電荷を帯びていますから、より電位の低い電極からは斥力を受けると私は考えました。 3.OH-やその他の陰イオンは拡散や電気泳動によって、陽極の方向へ移動します。これは電流が流れることになるので液体の電気抵抗(あるいは伝導度)に関係するオーム損が発生します。同様のことが陽極側でも考えられるので、これに伴う電圧損失をEiwとしましょう。 4.ついでに隔膜中での電圧損失をEiFとします。 5.反応「1、2」と同様の反応がH+や他の陽イオンと陽極間に起こっていますからこれらをEa、Ewaとします。 これらすべての電位差及びオーム損を合計したものが反応を進める為に必要な印加電圧です。 ケース1:両浴間に導通が無い場合 「EiF=∞」の場合と同様ですので、有限の電圧では反応は進行しないでしょう。 ケース2:純水の場合 非常に大きなEiwが必要になるため通常の水の電気分解では使用されない。 仮定1:両浴の電気的中性が崩れる(コンデンサーの応用) rei00さんの最初の疑問はここにあると思います。 確かにコンデンサーの考え方を導入すれば可能な系であると考えられますが、隔膜の導通が無い場合は「ケース1」と同様になります。ここからは物理屋さんのフォローを期待しますが、実際に反応が起こったと仮定して、反応が停止した時(i=0のその反応量と電圧(Ewa-Ewc)の関係は実際の系では実現不可能ではないでしょうか? ※参考式 反応量:∫idt=Q(∝反応モル数) 印加電圧:V=Ewa-Ewc 仮定2:両浴の電気的中性が崩れる(イオンが隔膜を通過出来る場合) イオンの移動速度は隔膜内の電位勾配に比例しますから、電気的中性が有意なほどバランスをくずすことは実際にはありえないと思います。 静電気も電子の偏りですよね。この電子が還元能を持つかは解りませんが、あの電圧は数千~数万Vのオーダーのはずです。電荷を物理的に蓄積するには非常に大きな電圧が必要であることは感覚的には理解しておられるからこのような疑問がわいたものであると思います。 rei00さんへ >触媒がないと水素分子による還元はあまり進まないように思うのですが。それとも,作用する相手が触媒的に働く? ということですが、私も同感です。おそらく電位の測定用に白金電極等の触媒能を持つ金属を使用しているのではないかと思います。 >H+ イオンも OH- イオンもそれ自身が移動するのではなく,水素結合の組換えでドミノ倒し的に移動するはずで,移動速度はかなり速いですよね。 確かにその通りです。ただ、イオンの移動度[×10-4 cm2/(s・V)at25℃]を比較しますと、通常の陽イオン及び陰イオンで4~8、H+で36.3、OH-が20.5とありますから、まあ移動速度は5~10倍といったところですのでこれをどう見るかではないでしょうか?

loveobo
質問者

補足

応答が遅くなって申し訳ありません。 Zincerさん#7や38endohさん#4@q=104209も参考に「ゴマカシを交えながら」 以下のように納得(することに)いたしました。皆様ありがとうございました。 (皆様に届くように補足欄に記載します) (1) 陰極で生じたOH- が電極近傍に溜まったままでは、電極界面の電位差が失われて、   水分子への電子移動が継続しない。 (2) 陰極と隔膜の間の電位勾配を推進力として、陰極近傍のOH- が移動することで   電極界面の電位差が確保される。 (3) 導通のない隔膜がコンデンサーとして機能するなら、OH- が蓄積する隔膜近傍が   低電位となり、電極界面のOH- を引き剥がす推進力が消滅してデッドエンド。 もうひとつの納得の根拠は水酸化ナトリウムの(過去の)工業的製法です。強電解水の 製法は隔膜法に酷似しているようですし、質問欄に書いた金属カチオンが0価に還元 されるケースは水銀法に相当しそうです。ソーダ工業を築き上げた原理なら、中身が 消化不良のままでも信じられる・・・ というところです。(^ ^;) いずれにせよ、「溶存水素に富んだ、NaOHまたはCa(OH)2の希薄水溶液」が強電解水の 本質のように思えます。水素について、調製直後の過飽和とか微小な気泡に意味がある のかもしれませんが、電解水を賞賛する情報の中に「化学的な誤認」も少なくないので しょう。洗浄作用にせよ、生理作用にせよ、単なるアルカリ溶液を対照に置かないデータ に基づいて効果を唱うのは如何なものか・・・という気がしてきました。

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