• ベストアンサー

コザック配列の必要性

実は、あるベクターにc-MycタグをつけてショウジョウバエのS2細胞で発現差背用としているのですが、その際にKozak sequenceは必要でしょうか? 文献等には、Kozak sequenceがあった方が細胞内でのタンパク質の発現レベルが高いとのことが書かれていましたが、実際にどれほどの重要性を占めているのか分かりかねています。 ただ、発現させるだけなら開始コドン(ATG)をつけておけばいいような気もしますが、どうなのでしょうか? 詳しい方がいらっしゃいましたら、ご教授願います。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.3

Kozak配列CCACCaugの中で、augの3塩基前がピリミジンになると翻訳がほぼ完全に起こらなくなるのだと記憶します。 ショウジョウバエではCavener (1987)が翻訳開始のコンセンサスを調査していて、 RNNaugで始まる例が95-98%であるのに対し、 YNNaugは2-5%で全く例外的、しかも YNNaugYは全くない という報告をしています。(R=プリン、Y=ピリミジン) Kozak配列そのものである必要はないかもしれませんが、 YNNaugにしてしまうのは無謀といえるでしょう。 >挿入した遺伝子にもタグがついておらず タグは発現させるタンパク質fusionにするものだと思いますが、C末端側につければ、入れた遺伝子がもつ本来の翻訳開始がそのまま使われるのでは。

oldravenclaw
質問者

お礼

大変詳しい説明をありがとうございました。 開始コドンの3塩基前がピリミジンになると、翻訳がおこらなくなるのですね。と言うことは、開始コドンよりもその部分の重要性の方がより大きいんですね。 C末端側につけると言うことも考えたのですが、入れる遺伝子が3’UTRも含んでしまっているので、終止コドンが入ってしまい、タグの配列まで読まれないと言うことになってしまうと思ったからです。

その他の回答 (3)

回答No.4

>C末端側につけると言うことも考えたのですが、入れる遺伝子が3’UTRも含んでしまっているので、終止コドンが入ってしまい、タグの配列まで読まれないと言うことになってしまうと思ったからです。 でしたら、今あるベクターにMyc配列を挿入するより、PCRでインサート+Myc配列を増やして、空のベクターに入れるのが確実で早いと思います。 3'側のプライマーを終止コドンより上流から設計して、それにin-frameでMyc-tag配列(+クローニングのための制限酵素サイト)を付加すれば良いと思います。Myc-tagは最低でも3コピーくらいほしいところですし、制限酵素サイトもつけるとなると、相当しっぽが長いプライマーで、オリジナルの鋳型に対しては不安定になります。そこは、2段階PCRで最初の数サイクルはアニール温度を低め、あとは高めにすればいいでしょう。

oldravenclaw
質問者

お礼

最初からインサート+MycタグをPCRで増やして、ベクターに入れると言うのは率直な方法ですね。ただ、相当長いプライマーになるので、うまくPCRで増えるかがポイントになりますね。 他のタグ、例えばヘマグルチニンタグ等でも大体3コピー位をつけて、同じような方法で目的の配列を増幅することも可能と言うことですよね。 早速試してみます。いつも丁寧なご回答ありがとうございます。

  • MIYD
  • ベストアンサー率44% (405/905)
回答No.2

追加です。 ベクターや発現させたい遺伝子やタグにkozak配列はついていないのですか? ぎりぎりのところで削っているので無ければ、どれかにはついていると思いますが。

  • MIYD
  • ベストアンサー率44% (405/905)
回答No.1

実験の目的がよくわかりません。 「発現させるだけなら」と書いてあるということは タンパク質の大量調整が目的ではなく、 微量でも発現すればいいという実験なのでしょうか。 kozak配列は無くても発現する”かも”しれません。 哺乳類細胞だとkozak配列が完全でなくても高発現するものがあります。 Drosophilaでkozak有り無しで翻訳効率を見ている論文は見たことがありませんが、 インビトロジェンで扱っているS2細胞のトラブルシューティングでは発現量が少ない、又は無いことの原因の一つにコザック配列が無いことをあげています。 http://invitrogen.com/content/sfs/manuals/schneidercells_man.pdf すでにkozak配列のないベクターが出来ているのでしたら試してみる価値はあると思いますが、 期待している発現量がどの程度であれ、あえてこれからkozak配列が無いベクターを作る利点はあまり無いと思います。 (kozakをつけるためのプライマー代がかからないことくらいでしょうか) vitroの系なので参考になるかわかりませんが、Fig.4にkozak有り無しの翻訳に与える影響がのっています。 http://www.promega.com/enotes/features/fe0009_print.htm

oldravenclaw
質問者

補足

少し説明不足でした。すみません。 S2細胞に発現させたタンパク質をウエスタンブロットと免疫沈降で用いるのですが、残念なことにベクターにも、挿入した遺伝子にもタグがついておらず、仕方なく自分でカスタムオリゴを頼んでMycタグを入れようという計画でした。そのオリゴを注文する際に、Kozak配列を入れるべきかを悩んでいたのです。

関連するQ&A

  • 1st メチオニンのコドン

    mRNAから蛋白ができる際に1st メチオニンはATG(AUG)のみでコードされてると思っていたのですが、例外的にCUGでコードされることもあるのですか?あるとすれば、この蛋白の発現ベクターを組むときにはスタートシーケンスはATGに書き換えないと発現しないのでしょうか。それともCTGのままでよいのでしょうか。ご存じの方おられましたら教えてください。

  • 遺伝子工学について質問します

    pET発現ベクターと大腸菌株宿主を用いて外来遺伝子発現を行う際、 同一ベクターの開始コドン下流に構造遺伝子を配しても、タンパク質により 発現効率が異なることがあるのはなぜですか?

  • シークエンスの信頼性

    また質問させて頂きます。 PCRで目的のインサートが増幅してくれたので、そのPCR産物をベクターに組み込み、ライゲーションして大腸菌に入れてプラスミドを調整するところまでこぎつけました。このインサートには、3’末端にMycタグをつけているので、ORFがあっていなければならないというので、シークエンスを行いました。 ところが、少なくとも数個の点変異や欠失が見られ、また同じクローンを数回読んだのですが、その度に変異や欠失の位置が違っています。もちろん、同じところもあるのですが。このベクターは細胞にトランスフェクションして、タンパク質発現に用いるので、やはり100%の正確性が求められるべきでしょう。どれくらいのクローンのシークエンスを読んで、検討した方がいいでしょうか?ただ、シークエンスに使用する試薬類が残り少ないこともあり、あまりどかどかとシークエンサーを使用できないという欠点があるのですが。あるいは、PCRの時点で100%のfidelityをもつ酵素を購入して、それで増幅させたほうがいいのでしょうか? ちなみに、PCRではKOD-Plus-、TaKaRa LA taqの両方を用いて、シークエンサーはベックマンコールター社のCEQ8000を使用しています。

  • インサートDNAにNdeIサイトがある場合

    大腸菌でタンパク質を発現させるため、pET21aをテンプレートに発現ベクターを作製します。 その際、NdeI/BamIサイトに目的遺伝子を導入しようと考えていたのですが、インサートDNAのど真ん中にNdeIサイトがありました。 Promoterおよびrbsと開始コドンの距離は重要であると考えられるため、 1. NdeI以外の制限酵素サイトに目的遺伝子を導入 2. Inverse PCRにより開始コドンの位置を調整 といった手法で発現ベクターを作製しようと考えているのですが、この方法に問題はあるでしょうか? また他に簡便な方法などはあるのでしょうか?

  • なぜメチオニンから始まるのか?

    蛋白は、ATG(まれにCTG、TTG)を開始コドンとして、メチオニンを1番目のアミノ酸として用います。進化上、そうする意味合いはあったのでしょうか?ほかのアミノ酸でなかった理由は なんなのでしょうか? 皆さんのお考えをお聞かせください。

  • 大腸菌ベクターのタンパク質生産について

    私は今大学生なのですが、遺伝子工学でヒトのあるタンパク質遺伝子を発現ベクターに組み込んで大腸菌で発現させようとしているのですが、可溶性の画分に目的のタンパク質が得られなかった場合に考えられる原因と解決策を知りたいのですが何があるでしょうか? 自分なりに考えてみたものとしては、1、細胞毒性を示すタンパク質のため。2、コドンの使用頻度の違い。3、タンパク質の不溶化。4、翻訳後修飾が行われない。等があると思うのですが、これらの解決策としては何があるでしょうか? 不溶化については尿素で可溶化したり、分子シャペロンを用いたりする方法があるかと考えましたが、他の要因に対する解決策があまり思い浮かびません。 どなたか分かる方がいらっしゃいましたらご指導の程よろしくお願いいたします。

  • 遺伝子!?

    ヒトのあるたんぱく質遺伝子を発現ベクターに組み込んで大腸菌で発現させようと試みたが、可溶性の画分にそのたんぱく質がほとんど見られなかった。どのような原因が考えられるか?複数の原因を考え、それぞれの原因に対する解決策を示しなさい。(ただし、発現ベクターは入っている、ちゃんとmRNAあり、SD配列でも入れて、開始・終止コドンもある。)←発現ベクター自体には問題がないということです。 以上の質問に誰か答えていただけないでしょうか? いま、学期末で切羽詰ってます。 ちなみに、図書館に行けとはいわないで==== テストとレポートで図書館に欲しい本がほとんどないのです。 先に借りられたようです。(泣) 締め切があったりして2/5の24時までに回答を願います。 ほんとに自分勝手で、人頼りでごめんなさい。

  • 遺伝子とその転写

    細胞内のゲノムDNAのある部分がそれぞれ、決まったタイミングや場所で転写されることが、細胞、器官の形や機能を作り上げる主要因と理解しています。タイミングや場所に関するシグナルが、プロモーターに伝わり、転写が開始されると考えるのですが、うまくイメージできません。 プロモーターはシス配列としてゲノム中にあるとして、そのトランス因子はどこから来るのでしょうか?転写因子がありますが、それはゲノムの別の位置にコードされているのだとしたら、転写因子のプロモーターがあるはずで、ということは転写因子の転写因子があって・・・のようにこんがらがってきます。 さらに例えばタンパク質の翻訳はATGから終止コドンまでという制御がされていて非常に分かりやすいのですが(転写は決まったときしか起きないけど、転写されたmRNAは基本的に全部タンパク質に翻訳される?)、mRNAとなる転写領域とはどこからどこまでなのでしょうか。遺伝子とはどの範囲のことをいうのでしょうか。(スプライスされた後のATG~終止コドンまで?それともその上流、下流を含めるなら端はどこ?) つまり細胞があって、それがそれぞれ役割をもつ過程が不思議だということと、「遺伝子」という定義がわからないということです。分かりにくい質問ですが、どなたか教えていただけないでしょうか。お願いします。

  • 発現ベクターのしくみ

    遺伝子工学等の実験で発現ベクターをよく見かけますが、どういった原理なんでしょう?例えばGFP融合タンパク質だったりとあると思いますが。組み換えしなくても環状の発現ベクターを細胞内に入れるだけで機能するのはなぜでしょうか?

  • コントロールベクターには何を使うべきでしょうか?

    培養細胞へあるタンパクを過剰発現して、どのような作用があるか検討しようと考えています。 その際、コントロールベクターには何を用いるのがよいか、アドバイスをいただけると幸いです。 発現ベクター作製キットにはLacZがインサートに入った発現用コントロールベクターが入っていました。それよりも、インサートの無いベクターを作製してコントロールとすべきでしょうか? よろしくお願いいたします。