透析で発生する沈殿物に困っています

このQ&Aのポイント
  • 透析をしていると、4~5時間後に透析チューブの中に白い沈殿物が出てきます。
  • 沈殿物は目的のタンパク質であることが確認され、約70%が沈殿していることがわかりました。
  • 透析bufferの組成やpHを変えることで、沈殿物を少なくできる可能性があります。また、透析によるタンパク質の沈殿の分子機構についても知りたいです。
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透析をしているのですが・・・アグリゲーションをおこして困っています。

大腸菌から抽出したリコンビナントタンパク質の脱塩を透析を用いて行っています。 透析開始から4~5時間すると透析tubeのなかに白い沈殿が確認できるようになります。 tubeのなかのサンプルを遠心により、上清と沈殿にわけ、SDS-PAGEにかけると沈殿は目的のタンパク質であることが確認されました。タンパク定量の値から、透析前の約70%が沈殿していることが確認できました。 透析bufferの組成やpHをかえることにより、沈殿を少なく(なくす)することは可能でしょうか。また、透析によりタンパク質が沈殿する分子機構はどのようなものでしょうか。 よろしくお願いします。 以下の今回用いているbuffer組成を記します。 サンプルのbuffer組成 50 mM Tris-HCl 500 mM NaCl 500 mM imidazole pH 7.5 外液(透析液)のbuffer組成 20 mM Tris-HCl 50 mM NaCl 1 mM CaCl2 pH 6.5 皆様のsuggestionお待ちしております。

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  • Sbacteria
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回答No.1

塩濃度を下げると沈殿するタンパク質はあります。元々、タンパク質の水溶性は、塩濃度を上げるとそれに伴って増加し(これを塩溶と言います)、最適濃度(溶解という観点だけでみた場合)を越えると急激に減少します(これは塩析と言います)。 もちろん、タンパク質の性質でこのパターンがすべてにあてはまるわけではありませんが、例えば、好熱菌のタンパク質は塩要求性が高いものが多いですね。高分子が水に溶ける場合を考えると、そこにあるイオン性解離側鎖による、イオン的な溶解と、水酸基やアミノ基、ペプチド骨格のアミド、カルボニルの水との水素結合形成による溶解の双方を考える必要があります。しかし、透析外液には、50mM程度のNaClが入っているので、通常の表面電気化学ポテンシャルを抑えるにはほぼ十分(100mMなら大丈夫ですけどね)なように思えますが、それでも70%も沈殿すると言うことは、塩を要求するタンパク質と考えた方が良いでしょうね。ちなみにCa++はどうして加えているのですか? 二価金属イオンが凝集源になっている可能性はよくあります。むしろEDTAを加えた方が良いような気がしますが...それと、TrisバッファーでpH 6.5は緩衝能の期待はできません。もし、扱っているタンパク質の等電点が計算できるのなら、(そしてそれが6.5近辺なら)そこからはずして8.0付近で試される事をすすめます。 あと、もう1点。このタンパク質にはCysがありますか? イオン強度による沈殿では無くて、S-Sがかかっている可能性が考えられます。 沈殿が高濃度の塩溶液(もとのバッファー)で再び溶けるのなら問題なさそうですが、溶けなければ、透析外液に還元剤(DTT等)を加えられた方が良いです。 それでは、頑張ってください。

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