ゲノム地図とマーカーとは?

このQ&Aのポイント
  • ゲノム地図とは、疾患遺伝子を同定する際に使用されるマーカーをたどって領域の配列を決定する方法です。
  • マーカーとしては、VNTRやマイクロサテライト、SNPsなどが使用されます。
  • マーカーはゲノムライブラリーによってゲノムの配列が分かった後でマッピングされ、使用されるようになります。
回答を見る
  • ベストアンサー

ゲノム地図とマーカー

分子生物学に関する質問です。 疾患遺伝子を同定する際に、その家系の患者に強く連鎖したマーカーをたどってその領域の配列を決定し、遺伝子を同定するということを知りました。その際に用いるゲノム地図は、制限地図からコンティグ地図、またマーカーはVNTRやマイクロサテライト、SNPsが用いられると書いてあります。これらのマーカーによる分解能の高い地図で遺伝子の同定ができることはわかりました。しかし、このVNTRをはじめとした各種マーカーはどうやってゲノム上にマッピングしたのでしょうか?これらのマーカーはゲノムライブラリーによってゲノムの配列がある程度分かった後でマッピングされ、用いられるようになったと考えて良いのでしょうか? どなたか教えて下さい。

  • haru84
  • お礼率93% (221/236)

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.4

もちろん、ヒトゲノム情報は、飛躍的・加速度的に増えてきましたから、いまでは、物理マップのされていない多型マーカーを使うことはまず考えられないです。ただ、質問者の方は、歴史的なことを尋ねていらっしゃるようでしたので、genome age以前から行われていたことを指摘したまでです。 補足すると、SNPsマッピングなんかは、完全にゲノム配列ベースの技術なので、genome age以降です。RFLPやマイクロサテライトのタイピングはサザンハイブリダイゼーションでやっていたのもですが、そういう多型マーカーの物理マップをする方法としては、そのプローブでFISHをしたり、ゲノムの各領域を代表するBACやCosmidクローンのコレクション(contig clones)にたいしてハイブリをしてみるなどがあります。 >ヒトの場合困難ですよね 個人や小さい研究室でやるのは、そりゃ、困難でしょう。 でも、現実そういうことをやっているのは、お金も人材もある大きな組織ですから。検体を集めるのも、調査・解析するのもおおがかりですから。 > そこで、連鎖不平衡解析といった手法が行われているようですが 連鎖不平衡解析という決まったフォーマットがあるというのは知りません。ひょっとして、QTL解析のことでしょうか。いずれにしても、目指すところが微妙にちがっているようにおもいますが(多遺伝子の相互作用で現れる現象について、それらの因子がそれぞれどこにあるかというような)。

haru84
質問者

お礼

haru84です。 ゲノムとマーカーの関係や利用の経緯、新規遺伝子の同定に関して詳しく説明していただいたおかげで、これらの用語についての理解を深めることができました。正にこれこそ私が求めていた回答です!親切にお答えいただきありがとうございました。  分子生物学分野の実験はキット化されたものもあり、操作も比較的簡便な場合が見受けられますが、その背景にある理論や歴史が大切と考えています。そういった意味で大変参考になる回答を頂きました。ありがとうございました。

その他の回答 (3)

回答No.3

うーん、どちらも正解なのでは?と思いますが。 もちろん連鎖解析で遺伝地図上にマップするというのが従来のやり方でしょうけど、ゲノム解読が終わった現在なら物理地図ベースのほうがより正確だと思いますよ。 私は植物相手なもので連鎖解析は割合簡単なのですが、ヒトの場合困難ですよね。 そこで、連鎖不平衡解析といった手法が行われているようですが、実際この解析手法はどう行うのでしょうか? 植物でも集団作出および維持管理が困難なものでの解析を考えております。 なにかわかりやすい参考図書などあればおしえていただけないでしょうか。 便乗質問になって申しわけありませんが、せっかく専門家の方が回答されていらっしゃるようなので。

haru84
質問者

お礼

お答えいただきありがとうございます。 おっしゃるとおり、ゲノム配列がほぼ明らかになった生物種については配列にもとづいて正確にマーカをマッピングをしなければゲノムシーケンスの意味がありません。ただ、それらの配列がわからない時代の手法について知りたかったのですが・・。とにかくご回答ありがとうございました。

回答No.2

うーん、どちらも正解なのでは?と思いますが。 もちろん連鎖解析で遺伝地図上にマップするというのが従来のやり方でしょうけど、ゲノム解読が終わった現在なら物理地図ベースのほうがより正確だと思いますよ。 私は植物相手なもので連鎖解析は割合簡単なのですが、ヒトの場合困難ですよね。 で、連鎖不平衡解析なんてものが行われているとおもうのですが、実際この解析手法はうまくいくものなのでしょうか? ちょっと植物で解析することを最近考えておりまして。集団作出が困難なものとかで。 なにかわかりやすい参考図書などあればおしえていただきたいのですが。便乗質問になって申しわけありませんが、専門家の方が回答されていらっしゃるようなので。

回答No.1

>これらのマーカーはゲノムライブラリーによってゲノムの配列がある程度分かった後でマッピングされ、用いられるようになったと考えて良いのでしょうか? 結論から言うと、それは正しくありません。 家系調査、連鎖解析などから、原因遺伝子と連鎖度の高いマーカーを見つけ、診断に利用するという方法は、ゲノム配列情報や、クローニングされ同定された遺伝子があまりない時代から行われていました。 それは、 とにかく多型マーカをできるだけたくさん見つけておきます。 その上で、多くの患者や、家系について、各マーカのタイピングを行います。そして、問題の表現型(病気)と各マーカとの連鎖度を統計的に調べます(連鎖解析)。とにかく、連鎖度の高いマーカをみつければ染色体のどの位置にあるかとか、どの遺伝子由来だとかは、とりあえず置いておいても良いわけです。逆に、さらに連鎖度の高いマーカを探すとか、原因遺伝子をマッピング、クローニングするとかは、そういう解析の結果を踏まえて、追い詰めていったのです。 ひところ(1980年代)、NIHのポスドク仕事として、いかにたくさん多型マーカをみつけ、またためしてみて、特定の遺伝病と連鎖度の高いものを見つけるという、「犬も歩けば棒にあたる」的な仕事が、ずいぶんはやってたみたいですよ(運の悪い人は、いくらがんばっても成果があげられない、、、、)。

haru84
質問者

お礼

親切なご回答ありがとうございました。  geneticist12さんのような博識な方がいらっしゃると大変助かります。歴史的にゲノム地図よりマーカーが先行していることが分かりました。現在利用できる技術や情報は多くありますが、それらを理解した上で背景まで知りたいという素人の私に答えてくれる方はなかなかいません。本当にありがとうございます。  私の理解力不足なのかもしれませんが、初期の多型マーカーはやはり制限酵素によるRFLPパターンで見つけ、タイピングしてきたのでしょうか?基本事項で申し訳ありませんが、お時間ありましたら教えて下さい。

関連するQ&A

  • 遺伝子の同定

    ゲノム情報がない生物で、ある疾患の原因遺伝子を同定したいと考えています。 ESTの情報もほとんどない状況です。 ポジショナルクローニングも考えているのですが、 非常に時間がかかるので、何とか別の方法で同定できたらといろいろ調べまわっています。 当研究室にはコンジェニック系統がありまして、 cDNAをコンジェニック系統と掛け合わせ個体で比較し、 SNPs等がある連鎖している遺伝子のみを単離できないかと考えているのですが、 何かアドバイス等いただけないでしょうか。 よろしくお願いいたします。

  • 遺伝子の機能について

    DNAや遺伝子について調べていて分からなくなってしまったので質問します。 DNAやその塩基配列についてゲノム解析などで詳しいことが分かってきている、といろんなところで書いてあるのですが、遺伝子は具体的にどんな機能を持っているのですか? ゲノム解析が終わっても遺伝子の同定は出来てないところが多い、というようなことを読んだのですが、その同定できている情報が知りたいです。 素人なので出来るだけ簡単にお願いします。

  • 生物 連鎖地図(染色体地図)の実験法

    生物の連鎖地図の実験方法(↓)がよくわかりません。 <手順> (1)連鎖の有無を調べる。同じ連鎖群に属する形質の遺伝子は、同じ相同染色体上にある。 (2)同じ連鎖群に属する3対の形質について交雑を行い、組み換え価を計算する。 (3)組み換え価が遺伝子間の距離に比例するとして、遺伝子の配列を決める。 (4)(2)と(3)を繰り返して、連鎖群全体の遺伝子の配列を決める。 (5)染色体の構造を考えて補正する。 特に(1)「同じ連鎖群に~相同染色体上にある」がひっかかります。 あと、どうして調べるのは3つの遺伝子間なのですか? それと連鎖している2つの遺伝子間では距離が遠くなるほど組み換えは起こりやすくなることから、組み換え価は2つの遺伝子間の距離に比例している、と考えられるのはどうしてでしょうか? 質問攻めの文章ですが回答よろしくお願いします。m(_)m

  • 連鎖不平衡解析

    申し訳ありません、どなたか連鎖不平衡解析について詳しい方、もしくはわかりやすい資料をお持ちの方教えていただけないでしょうか? ちなみに連鎖不平衡とは、組み換えがおこるときに後代に伝わってくる領域が調査した集団内の期待比と一致するかどうかを指標に、原因遺伝子を特定する手法のようです。ハプロタイプ解析ともいうようです。 主に、ヒトの遺伝病において、家系集団などから特定不可能な場合に用いられる手法のようです。 この程度以上のことをご存知の方、よろしくお願いいたします。 特に、SNPsといったシークエンスデータにもとづかなくても、アクリルアミドなどを用いたSSRなどの情報で 解析可能かどうか教えてください。 なお、交雑後代の集団を作成して、連鎖地図にもとづいて行うQTL解析とは異なった手法です。連鎖不平衡解析のメリットは集団を作出不要なところにあります。なお、QTL解析やゲノム情報の利用といった点については、当方専門分野のため説明不要です。 教えていただける方、よろしくお願いいたします。

  • 多型マーカーについて

    申し訳ないですが訂正をさせていただきたく再投稿させていただきました。不快に思われる方がいらしたら申し訳ございません。 多型マーカーを使ってある劣性遺伝の病原変異遺伝の遺伝子座を特定するのは、 1.その症患を発症している家族のうち、子供に発症者がいて、両親共にその病原変異遺伝子をヘテロに持っている家族を選定し、 2.特定の多型遺伝子と病原変異遺伝子が分離して遺伝する頻度を調べる。 3.同様の症患の家族でサンプル数を増やし、より正確な組み換え頻度を求めていく 4.遺伝子座の推測 となっている(分子細胞生物学 上巻 H.Lodish氏他 東京化学同人:8章 細胞生物学における遺伝学的解析)ようですが、質問は 1.人間の場合検定交雑が出来ない上に、目的とする病気を発症しているという表現型以外に利用できる手法がないことから発生する疑問なのですが、そもそもどのように遺伝子地図を作るところにたどり着くのかが分かりません。  また、おそらく塩基配列は分かっていてもどこに病原遺伝子があるか分からないという状態かと思うので、4本の相同染色体のどの2本に病原遺伝子があるか分からず、結果4種類あるであろう多型マーカーのどれがそもそも病原遺伝子と一緒にあったかが分から無い気がするのですが、これもどのように遺伝子地図を作るところにたどり着くのかが分からないもとになっています。 2.多型遺伝子はある特定のものと判断できる程の相同性があるのか。つまり、とある二人を採ってきてある特定の多型遺伝子がだいたいこの位置にあると分かるだけの何らかの相同性が見出せなければ位置的根拠になりえないのではないか。ということです。 どなたか答えていただけるとありがたいです。お願いします。

  • ゲノムサザンのコピー数

    職場の研究でゲノムサザンをすることになりました。 その際のコピーマーカー数を決めなければならないのですが、よくわかりません。 研究自体は初めてで、サザンブロットという言葉すら先日初めて聞いたぐらいです。 大変申し訳ありませんがご指導のほうお願いします。 条件 元々のDNAは1μg/μlで約6000bp 元々のDNA 0.5μgを使って切り出しましたた 切り出したDNAは約1000bp 切り出して回収したDNAは現在TEに溶かしてあります 上記の中には何コピーあるのかということを悩んでいます。 自分で調べたり考えたものでは、 アボガドロ定数と1bpの分子量が650ということです。 アボガドロという知識が全くなく、考えあぐねています。 もし、全くぜんぜん違うおかしい事を言っていたらすみません。

  • 翻訳される遺伝子検索方法

    実験をする際、困っています。 初歩的なことですが、ご回答お願いいたします。 ゲノム解析で得られた長大な塩基配列の中から、翻訳にいたる遺伝子を探すには、どうすればいいでしょうか。着目すべき塩基配列上の特徴を教えてください。

  • ★マイクロサテライトのアレルサイズの疑問★<再質問>

    大変困っておりますので、皆様、ご教示のほど、宜しくお願いします↓  大学の実習でマイクロサテライト(SSR)を使った実験を何度か続けてきました。2bp(例えばACACAC…とか)のある配列の反復…と原著論文には書かれているマーカーで、ABIシーケンサーでジェノタイピングをするのですが、その際にアレルと思われるピークの出てくるサイズが2bpごとに綺麗に出るものがある一方で、所々1bpしか間隔を置かないで、次のアレルが出現する遺伝子座(マーカー)もあります。  マイクロサテライトはいわゆる「反復配列」ですので、普通は2bpごととか、3bpごととか、ある一定の間隔を持った周期性のあるアレルの出現が期待できそうですが、このように不規則な間隔を持って(例えば、サイズ100、102、104、105、107、108、110、113、114…といった位置にアレルが出てくる)出現するのは、どうしてでしょうか(こういうマーカーでも再現性はあるみたいですが)?  そしてこういうマーカーを使って研究を進めても特に問題は無いでしょうか?分からない事だらけなので、是非お教え頂けないでしょうか? ※以前、同内容に質問をしたものの、殆ど回答が得られなかったため、 再質問とさせていただくものです

  • ★マイクロサテライトのアレルサイズの疑問★

    大変困っておりますので、皆様、ご教示のほど、宜しくお願いします↓  大学の実習でマイクロサテライト(SSR)を使った実験を何度か続けてきました。ABIシーケンサーでジェノタイピングをするのですが、その際にアレルと思われるピークの出てくるサイズが2bpごとに綺麗に出るものがある一方で、所々1bpしか間隔を置かないで、次のアレルが出現する遺伝子座(マーカー)もあります。  マイクロサテライトはいわゆる「反復配列」ですので、普通は2bpごととか、3bpごととか、ある一定の間隔を持った周期性のあるアレルの出現が期待できそうですが、このように不規則な間隔を持って(例えば、サイズ100、102、104、105、107、108、110、113、114…といった位置にアレルが出てくる)出現するのは、どうしてでしょうか(こういうマーカーでも再現性はあるみたいですが)?  そしてこういうマーカーを使って研究を進めても特に問題は無いでしょうか?  分からない事だらけなので、是非お教え頂けないでしょうか?

  • 遺伝学の問題です。

    よくわからないので教えてください。 全長8000bp制限酵素地図を持つゲノムDNAがある。ただし、問題となる部分以外のゲノム領域、プラスミドベクター由来の配列などは無視するものとする。 この遺伝子を発現する組織から、cDNAライブラリーを作成した結果、約3000bpのフラグメントと、約5300bpのフラグメントの2つの長さの発現領域を持つcDNAを得た。なぜこのような結果が生じたのか説明しなさい。