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フェノールはなぜ酸性を示すか

ベンゼン環内にある炭素原子の4番目の価電子は、ベンゼン環内を自由に動くことができる。この電子とフェノール類のヒドロキシ基の酸素原子にある非共有電子対とは同じ種類の軌道にあるため、自由に動くことができる範囲がヒドロキシ基まで広がる。その結果、ヒドロキシ基の非共有電子対がある程度ベンゼン環のほうへ移動し、その分だけヒドロキシ基は電子が不足することになる。フェノール類がアルコールと違って弱い酸としての性質をもつのは、ヒドロキシ基の酸素原子の電子が不足するため、O-H結合の共有電子対をより強く引きつけて、水素イオンを放出しやすくなっているからである。 とのことなのですが、非共有電子対とは(ベンゼン環-O-H)という図式のどの部分を指しているのでしょうか?

  • 化学
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noname#160321
noname#160321
回答No.3

こんばんわ。 >>ベンゼン環内にある炭… …イオンを放出しやすくなっているからである。 ひどい悪文ですね、その上正確でない。 >>「同じ種類の軌道」のsp3っていうのが、 はじめの文章の中にある「同じ種類の軌道」はベンゼン炭素の3つのsp2と1つのp軌道のうちp軌道の方です。酸素の非結合電子対は水では通常sp3に2組入っておりもう2つのsp3で水素と結合しています。一方、フェノールでは非結合電子対はベンゼン環のp軌道と相互作用しやすいように、混成が換わりsp2が3つとpとの組み合わせになり、1つのsp2が水素ともう1つのsp2がベンゼン環の炭素と、最後のsp2が非結合電子対となります。そして残ったp軌道に入っている二つの電子がベンゼン環のp軌道に流れ込みます。このためフェノールのOH結合はベンゼン環の面と同じ平面に近く縛り付けられます。 >>何がより強く引きつけるのでしょうか。 酸素を通じてベンゼン環が電子を引きつけていると言われています。するとO-H結合には電子が足りなくなり、水素イオン(プロトン、H+)が出て行き易くなります。 酸素上に電子が沢山あれば酸解離して水素イオンが出るときに酸素上の電子は非常に濃くなってしまい静電的にも不利になりますが、酸素上の電子密度が下がればフェノールイオン{Ph-O(-)}から水素イオンは離れ易くなります。 なお、ヒドロキシ基のO原子の非共有電子対にある電子は実際にベンゼン環に流れ込み、Oが付いている炭素の隣(o-、オルト位、2-位)向かい側(p-、パラ位、4-位)でベンゼン環の炭素上の電子密度が有意に上がります。特に電離したフェノール化合物はこの位置で酸化されるようになり、またフェノールの「親(求)電子置換・付加」もこれらの位置で起きます。

msndance
質問者

補足

ありがとうございます。後半の部分はわかりました。 軌道のsとかpとかいうのは、量子力学でいうところの方位量子数を表しているのでしょうか? 例えば主量子数2,方位量子数1の準位を2p準位と呼んだりしますが、sp2とかsp3というのはどういう意味なのでしょうか?

その他の回答 (4)

  • 1fan9
  • ベストアンサー率33% (209/622)
回答No.5

sとpの混成軌道を簡単に説明します。 球状に回転するs軌道と 8の字形の立体回転するp軌道が組み合わさって 混成されて新たな軌道ということです…。 電子の軌道はこんな感じです。 K殻 には1s軌道の電子が2個 L殻 には2s軌道の電子が2個      2p軌道 の電子が6個の合計8個 M殻…N殻… という感じです 水素は1s軌道に電子を1個、もっていますし、 炭素は1s軌道に電子を2個、2s軌道に2個、2p軌道に2個持っています。 入りやすい軌道から電子は入っていくのです。 このことについては、教科書何ページにもわたる内容なので、どんなに説明の上手な方でも(教えてgooでの説明では)限界があります。 東京化学同人のマクマリ-有機化学(上) などで勉強されるのがよろしいかと思います☆ 参考URL http://homepage3.nifty.com/junkchem/i/ichem022.htm http://www.keirinkan.com/kori/kori_chemistry/kori_chemistry_2/contents/ch-2/1-bu/1-1-2.htm http://www.bk1.jp/0200/02005650.html

msndance
質問者

お礼

どうやらかなり難しい話のようですね。 高校化学で、やや雑談的なかんじで出てきた説明なので、高校のレベルでは理解できない話なんですね。 おおざっぱですが、何となく話の筋はわかりました。 みなさんありがとうございました。

回答No.4

はい。sp2とかsp3とかはおっしゃってる主量子数とかのs,p,d,f...のsとpです。炭素でいえば、2s軌道と2p軌道が混成した、新たなsp軌道ができております。

msndance
質問者

補足

う~ん、混成っていうのがよくわからないです。 2つの軌道の間をいったりきたりするってことなんでしょうか? >はじめの文章の中にある「同じ種類の軌道」はベンゼン炭素の3つのsp2と1つのp軌道のうちp軌道の方です。 このようなsp2とかpっていうのは、どのようにして決まるのでしょうか?

  • 1fan9
  • ベストアンサー率33% (209/622)
回答No.2

♯1です。 この場合のある程度とは、ごくごく小さいです。 電子の偏りのことです。 ヒドロキシ基のO原子の非共有電子対にある電子はベンゼン環に本当に移動したりはしないと思います。 フェノールの静電ポテンシャルマップ(?)があれば電子の偏りが分かると思うのですが…

msndance
質問者

補足

だんだんわかってきました。 「同じ種類の軌道」のsp3っていうのが、まだわからないです。sp3っていうのは、あの量子力学に出てくる軌道の呼び名だったでしょうか? あと、「ヒドロキシ基の酸素原子の電子が不足するため、O-H結合の共有電子対をより強く引きつけて、H+を放出しやすくなっている」の部分ですが、何がより強く引きつけるのでしょうか。共有電子対を引き付けると、どうしてH+が放出されやすくなるのでしょうか。

  • 1fan9
  • ベストアンサー率33% (209/622)
回答No.1

非共有電子対はヒドロキシ基の中にあります。 ヒドロキシ基とは、-OH基ですよね。 その中の酸素原子は2対の非共有電子対を持っています。 6電子がもともと酸素原子の中にあり、炭素1つ、水素1つと電子を共有してオクテットになってますよね。 非共有電子対を持つ酸素原子は、非共有電子対を持たない炭素原子と同じように、sp3混成軌道を作ります。

msndance
質問者

補足

回答ありがとうございます。 そこで、非共有電子対が「ある程度ベンゼン環のほうへ移動」とは、どの程度なのでしょうか。ベンゼン環の中をぐるぐる回ったり、ときにはヒドロキシ基に戻ったりを繰り返すのでしょうか?

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