• ベストアンサー

低音の出方

HAL2(@HALTWO)の回答

回答No.4

ADSR (Attack Decay Sustain Release) という言葉を御存知でしょうか? 元来は 1 Pulse を ADSR ごとに調整する Analog Synthesizer の用語なのですが、Audio では 1 Pulse ではなく 1 音を ADSR で表現する事があります。 例えば Wood Bass の弦を弾いて基音 60Hz の音を出した時、Analog Synthesizer 用語での ADSR は 1/120 秒に収まるのですが、Audio では音の立ち上がり (Attack) から最小可聴限界まで消え行く (Release) までの 1 音を ADSR で表現する場合があります。 R (Release) 時間を延長すると Echo (Piano の Echo Pedal を踏んだような Echo) になってしまうのですが、D (Decay) を膨らませると音に厚みが出て、低音域では盛り上がって前に出てくるような聴感になります。 これを Speaker Unit ではなく Enclosure で行うのが Bass Reflex とか Back Load Horn といった Enclosure 方式で、Speaker Unit はとっくに Attack を終えて Decay から Release の状態になっているのに Enclosure の共鳴音が数十msec 遅れて出てくるので結局 Decay から Release までの音圧が上がって豊かな低音になるわけです。 Amplifier の Catalog に表記されている DF (Dumping Factor) は Speaker 制動力、つまり音が途切れた際に Speaker の振動版を中点位置まで引き戻す力と説明されますが、Dumping Factor が大体 10 以下になると聴感でも音の変化が判ってくるもので、DF が軒並み 10 以下となる Non-NFB (Negative Feed Back) 式真空管 Amplifier では、良く言えばゆったりとした、悪く言えば締まりのない低音感を味わえます(^^;)。 Speaker Unit に細工して低音感を作り出すのが A No.1 gunsin さんが紹介された 1 円玉貼り付け法です。 振動版を重たくする事により Attack を削って AD と SR の差を小さくしてしまい、音量の低下は Amplifier の Volume をちょっと右に回して補正すると低音が厚くなるわけです。 これを振動版全体に Lacquer を吹き付けるようにすると Full Range Unit は Woofer Unit みたいになるのですが、1 円玉を貼り付けるという場合は振動版が軽い部分が残っていますので高音の減衰が少なくて済み、Full Range Unit に近い特性のまま低音を厚くする事になります。 昨今の General Audio 市場では 10〜20 年程前から佐渡鬼太鼓のような低音打楽器音を Sampling したものと Vocaloid PC (Personal Computer) Vocal 音を MIDI (Music Instruments Digital Interface) Synthesizer 音と共に Mix して曲作りを行う DTM (Desk Top Music) 環境を容易く構築できるようになった事から曲作りは実際に歌手や演奏家が音を収録する前に MIDI と Vocaloid で全て出来上がってしまい、歌手はそのカラオケを用いて収録、楽器音も生演奏ならではの雰囲気が欲しい楽器だけを生演奏で収録して Mix するという手法が採られるようになりました……かく言う私も 10 年程前から MMD (Miku Miku Dance) という Vocaloid の初音ミクを踊らせる事から始まった 3D (Dimension) Animation Program に嵌って MIDI Keyboard と PC (Personal Computer) Synthesizer で演奏した曲で 3D Animation を作っているうちに低音楽器音の Sampling Data が市販曲に良く用いられている事に気付き、その音色も昔と違っている事に気付きました。 Consumer (曲 Media を買って聴く消費者) 側も A No.2 iBook-2001 さんが仰るように、PMP/PAP (Portable Music/Audio Player) に低音を増強させた 2way Balanced Armature 型 Stereo Earphone を挿して聞いたり FM Transmitter を介して Boomy な低音が多い Car Stereo で聴くという Style が普及した事から Home Audio 用 Speaker System もそのような音作りに変化して来ています。 半世紀前の Bass Reflex 方式で低音を増強した Bookshelf Speaker System や四半世紀前の Super Woofer で低音を増強した 3D (Dimension) Speaker System とも違い「どうせ Amplifier は Class D 方式で安価ながらも極低音域まで High Power で出せるし、高域は Tweeter で補強すれば良いんだから」と能率は低めにし (振動版を重くし) て低音を出し、20cmφ もない Full Range Unit 径の Woofer に Tweeter を加えたものが現代の主流となっているようですが、その Woofer も単に低音側に再生帯域を伸ばしたというだけではなく、Effector 用語で言えば Enhancer のような、Overshoot 気味の高調波歪を作り出して低音域にメリハリ感を持たせた高 Contrast 型の音にしているように感じます。 この高調波歪生成は振動版に細工しなくとも Frame や Enclosure の共振でも作り出す事ができ、例えば Metal Plate で Baffle に固定された Dome Tweeter の Metal Plate に制振 Sheet を貼り付けて Metal Plate の鳴きを止めると高域が引っ込んで情けない響きになったりします(笑)。 Enclosure を共鳴箱 (中の空気が共鳴する箱) ではなく共鳴版として、或いは Frame の共振を利用するという手法は Audio 市場の Consumer 層には煙たがれますので Maker としては説明を避けるものですが、楽器では「共振する共鳴版」無しには良い音にはなりませんので当たり前……と言うより必要不可欠な考え方です。 Audio では昔 Piano Maker で著名な Bösendorfer が共鳴版を組み込んだ Speaker System を出した事があるのですが、案の定 Audio Mania には見向きもされなったようですね(^^;)。……でも実は長年に渡って Speaker 作りをしてきた Maker ならば共振利用は当たり前に行なっていますので、鳴きを止めたらショボイ音になった経験を持つ Mania はたくさんいると思いますよ。 素敵な Audio Life を(^_^)/

noname#257017
質問者

お礼

興味深いありがとうございました スピーカーもノウハウの塊なんですね ありがとうございました

関連するQ&A

  • 低音がほとんどききません。

    はじめまして。車のオーディオについて質問いたします。H18年式のプレオで、ヘッドユニットはビクターのKW-SH800でスピーカーはカロッツェリアのTS-X350を板に載せて設置したリアだけです。どちらも中古なのですが、低音があまりにもきかないのでSH800に機能としてついているBBEを作動させたり、イコライザーで低音を上げたりしてみましたがあまり効果なく…いろいろいじっていて、バランスを試しに左右に振ってみたところとてもよく低音が出まして。また真ん中にもどすと出なくなります。仕方ないので現在は左か右に片寄らせて聴いていますがどうもしっくりこないです。どなたかお詳しい方がいらっしゃったらご教授願えませんでしょうか。よろしくお願いいたします。

  • よく低音がブーミーって表現ありますが、どんなイメージですか?

    最近オーディオに目覚めた者ですが、よく低音がブーミーな感じとか表現しますが、自分のイメージと一致しているかお聞きしたいのですが・・・ 私のイメージは、極端に言うと、あまり良くないスピーカーで無理に低音を強調したときに、耳障りに聞こえる感じですが・・・ 違いますか??

  • スピーカーから離れると低音は?

    ① https://souzouno-yakata.com/audio/2002/09/15/2192/ ② https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14224158249 スピーカーから離れた時、 ①が低音が少なくなると言っていて、②は相対的に低音が増えると言っています。 真相はどちらでしょうか? 理屈的なお話が聞きたいです。 よろしくお願いします。

  • スピーカーの低音が割れます。

    以前中古で購入したSONYのスピーカーを使っていたのですがある突然右側のスピーカーの低音がバリバリといった感じの音になってしまいました。アンプの接続を変えてスピーカーが原因であることは確認しました。分解もしてみましたがコーンの割れなどは見られませんでした。何が原因なのでしょうか。分かる方お願いします。

  • 高音がきんきんしない低音の出るスピーカー

    CDコンポを買ったら、高音がきんきんして耳にささるのと、低音がけっこう無いのが気になりました。 (ちなみにこのコンポです。 http://www.yamaha.co.jp/product/av/prd/hifi/mcr-e300/index.html) 1)スピーカーを変えるとしたらどんなものがお薦めですか? すごく太い低音が欲しいわけではなく、そこそこ出るものでいいのですが。 スピーカーを変えるときに気をつけることがあったら教えて下さい。 2)それともスピーカーを変えるのではなくサブウーハーというものを足した方がいいのでしょうか。 でもサブウーハーを足すと高音のきんきんも抑えられる、なんてことはないですよね。 3)明日かあさって秋葉原に行こうと思っているのですが、オーディオの品揃えがいいお店を教えて下さい。 やはり石丸電気でしょうか。他にもありましたら教えて下さい。 あるいは秋葉原以外に首都圏でこの町ならオーディオ製品のいっぱいある店が多いぞ、というのがありましたらお願い申しあげます。

  • スピーカー自作において、低音増強を電気的に行うアプローチは

    スピーカー自作において、低音増強を電気的に行うアプローチは ロクハンを試してみたいと思い、FE166Enを買いました。 しかし木工加工技術がないため、フォステクス純正の出来合いのBOX(バスレフ)を買おうと思います。 しかし、FE166Enはバックロード向けのユニットでして、WinISDでバスレフでの特性をシミュレーションしてみると、低音はかなりダラ下がりになり低音不足が予想されます。 少し話をずらしまして、 スピーカー自作の本やネットの情報を見てみると、低音の特性を得るための手法はバスレフだったり、ダブルバスレフだったり、バックロードだったりします。 実際にスピーカー自作をやっておられる方の例を見てみても、そういった方々の設計プランの中には、不足する低音を電気的に補正する(トンコンやイコライザー)という発想はあまり無いようです。 話を戻しまして、 FE166Enと純正バスレフBOXの組み合わせの低音不足をトンコンやイコライザーで補正しようと考えているのですが、このアプローチはどうなのでしょうか。 電気的に低音をブーストするよりも、バスレフやバックロードで低音増強を行った方が良い結果(高音質)が得られるから皆さんはバスレフやバックロードでやってらっしゃるのでしょうか? もしくは、バスレフやバックロードを駆使して(アンプによる増強に頼らないで)スピーカー単体で良い特性を出すことに醍醐味があるのか? また、所謂オーバーダンピングのユニットを電気的に補正するやり方のデメリットなどもありましたらお聞かせ頂けないでしょうか。 ご意見のほどよろしくお願いします。

  • ツィーターを取り付けたら低音が出なくなってしまいました。

    ツィーターを取り付けたら低音が出なくなってしまいました。 車はホンダ キャパです。 中古で購入したためか、元々装着されていたアルパインのコアキシャルスピーカー(型番不明)にカロッツェリアのツィーター(TS-T40)を追加したら、低音が純正スピーカーレベルしか出なくなってしまいました。 配線としては、元々の配線にツイーターに付属していたハイパスフィルターケーブルを繋ぎ、片方はアルパインへ。もう片方のフィルターがついてる方をツイーターに繋ぎました。 一つの線を二つに分けた関係で低音が出なくなってしまうのは仕方ないのでしょうか? 何か対策やアドバイスなどありましたらお教え頂ければ幸いです。

  • BOSE101の低音が出ません・・・

    BOSE101の低音が出ません・・・ 現在中古で購入したBOSE101MMGをアンプ経由でパソコンに繋いで使用していますが、あまり低音が出ていないように感じます。 アンプのボリュームを上げても音量が大きくなるだけで、低音は弱いままです。 パソコン側に内蔵されてるグラフィックイコライザを弄ることで不自然な低音を出すことは出来ますが、出来ればイコライザに頼らずに低音が出るようにしたいです。 アンプはBOSEの1705IIを使用しています。 PC側のヘッドホン端子(3.5mmステレオミニプラグ)や、DVDプレーヤーからアンプ側の入力端子に繋いでおります。 設置場所としては、床に発泡スチロール製のブロックを置き、その上にスピーカーを載せております。 スピーカーケーブルの接続(+、-端子など)は正しく行っているつもりです。 (今までは、BOSEのcompanion 2 series IIを同じような環境で使用しておりました。companion2の方が現在の101よりも低音が出ているように感じました。) 問題点は多々あることかと思いますが、是非ともご指摘と、解決策、ヒントなどをお教え下さいますようよろしくお願い致します。

  • プリメインアンプの低音の出方の違いは?

    最近、昔のタンテと昔のアンプでLPを楽しんでいます。 ナット・キング・コールなんかもいい感じに聴こえます。 アンプで遍歴がありまして、 PMA-500Z PMA-850II CA-2000 ←いまここ です。 いずれも古いアンプをどうにか修理してDCもBIASも調整して正常に使えています。 850は片chが連鎖してトランジスタがダメになって苦戦しました(汗 最近CA-2000のジャンクを入手し、各部クリーニングで音が出るようになったのですが、どうも低音が響かないのです。 何が違うのかなと見比べたらラウドネスがCA-2000にはついていないです。 ラウドネスは低音と高音を若干持ち上げて小音量でも聴きやすくする機能ですね? この違いなのか、コントラバスのズンズンいう音がいまいち出なくて・・・ CA-2000だと、もともとこういう音の設計ということなのでしょうか? 中・高音はすごく良いです。 いわば、これが余計な味付けをしない本当の音 と思ったらよいのでしょうか? スピーカーはパイオニアの180IIIとONKYOの古いコンポの比較的ズンズン低音の出るブックシェルフ型を繋いでいます。 今まで味付けし過ぎた音で聴いていたからこんなにも低音が物足りなく感じるのかな・・・??

  • ウーファーの低音のバランスについて

    車にアンプとウーファーをつけたのですが、 逆に低音が一人歩きしているような感じがあります・・・。 中古7千円の安物CDデッキですが低音と高音の上下7段階の調整機能(?)のようなものがあるのですが、低音を上げると一人歩きし、逆に下げると物足りない感じがします。 中音(?)とでもいうのでしょうか? なにやらウーファー以外の真ん中の音が弱いような・・、そんな感じがするんです。 厚みの無い感じです。 現在 フロントスピーカー&ツィーター×2 リアスピーカー×2 アンプ&ウーファー といった形です。 何かこうした方がいい。 というアドバイスがありましたら是非聞かせてください! お願いします!!

専門家に質問してみよう