• 締切済み

MO法について。。。

ryumuの回答

  • ryumu
  • ベストアンサー率44% (65/145)
回答No.3

すでに、inorganicchemistさんとrei00さんが説明なさってるので、少し違った観点から、定性的に水素分子の安定性を説明しましょう。 まず電子は負電荷を持ってるわけですから、正電荷の原子核にクーロン力で引っ張られ、くっつこうとします。 一方、不確定性原理、Δp・Δr>h(Δp;運動量の不確かさ、Δr;位置の不確かさ、h;プランク定数)は、粒子の位置を確定しようとする、すなわちΔrが小さくなると、Δpが大きくなり、結果的に運動エネルギーの上昇を招くということを教えてくれています。つまり、原子中の電子は、クーロン力による引力と不確定性原理から生じる斥力の釣り合いの位置に落ち着くことになるのです。 さて、水素分子の場合、正電荷を持つ原子核が2つ存在することから、電子にとっては居場所が”増えた”ことになります。これはつまり、Δrが大きくなることに対応し、結果的にΔpが小さくてもよいことになるのです。Δpが小さいということは、運動エネルギーが低くなることを表しているので、全体としては安定化することになります。同様の考え方は、2重結合、3重結合分子においても適用されます。つまり、電子の存在できる範囲が広いほど、安定化するのです。 これはある種、井戸型ポテンシャルの考え方に似ています(ただし、電子が、2つの核間を移動するとき、一方の原子核とのクーロン力に逆らう必要があるので、厳密には異なります。しかし電子はトンネル効果によって、核間を移動できます)。 つまり、二つの原子核間に電子が波を作るとき、一番安定なのは、一つ山を作るときでした。これは、電子密度が2つの原子核のちょうど間で最大になるときですね。この真ん中の濃い電子密度が、両脇の核を引きつけて、結合を安定化させているとも考えられます。これが、rei00さんがいわれている結合性軌道ですね。 次のエネルギー状態は、二つ山の波を作るときです。これは、原子核間のちょうど真ん中で、節が生じる、すなわち電子密度が核間の中心で0になることを表しており、このような軌道に電子が存在すると、結合が不安定であることを示しています。これがrei00さんがおっしゃられている反結合性軌道です。 さて、水素分子には電子が2つありますが、電子はフェルミ粒子なので、一つのエネルギー状態に2つまでは(スピンを反転させて)存在できることになります。従って、電子が先に論じた軌道に入るときは、2つとも結合性軌道に存在できることになり、水素分子は安定に存在出来ます。

関連するQ&A

  • MO法とVB法の差について

    大学の化学の講義で分子軌道法(MO法)と原子価結合法(VB法)を習いました。 そこで、課題を出されたのですが、さっぱりわかりません。私は高校で化学の授業をとっていなかったので初心者です。独学で頑張っていますが、そんな私にもわかるように回答をお願いします。 「MO法とVB法の差を、水素分子の場合について考える」 という課題です。協力お願いします。

  • VB法とMO法のちがいについて

    VB法とMO法のちがいについての説明を、水素分子についての例で教えてください。

  • 水素結合の実効距離

    水素結合の実効距離 生命科学系の学生. 脂質と結合する蛋白質の研究をしております. 水素結合の形成に関する質問をさせていただきます. 陰性原子に共有結合した水素原子と別の陰性原子が近づけば水素結合が形成されるのは自明だと存じます. 教科書ではこれら3つの原子が直線的に位置したときに形成されるとの記述を見かけます. 以下の疑問について,ご経験者の皆さまにおかれましてアドバイスいただけないでしょうか? よろしくお願いいたします. 1. Åレベルで,原子がどの程度近づけば水素結合が形成されるのか? 2. 結合が形成されるに足る距離であっても,陰性原子・水素原子・陰性原子が直線上に位置した場合のみ水素結合が形成されるのか?

  • 化学 ザイツェフ法が成り立つ理由

    有機化学におけるザイツェフ法は、大体で言うと「アルコールの脱水では、-OH基の結合した炭素原子の両隣りの炭素原子のうち、結合している水素原子の数の少ない方から水素原子が優先的に失われ、それが主生成物となる。」という法則だと思うのですが、 生成物の構造式を見ると、二重結合した二つの炭素原子それぞれに置換基が多い方が主生成物になっていますよね。これは置換基である炭化水素基が電子供与基であり、二重結合している炭素原子が電気的にプラスに偏っているため、電子を与えてくれる置換基がより多い方が安定するからメインに生成する、と考えてよいのでしょうか。だとしたら、-OH基の結合した炭素原子の両隣りの炭素原子に結合している水素原子が少ないという事は、脱水反応が起こった後に炭化水素基が(二重結合の片方の)炭素原子と水素原子に分解せず、より多く残りやすいということですか。 例えば下図のように2-ブタノールの脱水反応では、水素原子が多いオレンジの方が取れた場合CH2基が分解していますが、少ない水色の方が取れても二重結合している炭素原子に炭化水素基はそれぞれ残っています。

  • MO法のエネルギー準位について

    MO法のエネルギー準位について水分子などの場合、水素原子のAOのエネルギーが二通りの値を持つみたいなのですが、なぜでしょうか?また、COやN2のように2P軌道と2S軌道の間でエネルギーの干渉みたいなことが起こるのはなぜでしょうか?また、なぜO2とかでは起きないのでしょうか?また、COとN2のMOのエネルギー準位図の2S軌道が2P軌道に破線でつながっている箇所が違うのは何を表すのでしょうか?解答よろしくお願いします。

  • 化学結合

     イオン結合は非金属原子と金属原子の結合であると習いました。そうであるなら、炭素とナトリウムがイオン結合する事は、ありえるのでしょうか?(そのほかにも、窒素とリチウムなども同じことですが) また、メタンは炭素と水素の共有結合ですが、4個の水素が一個づつ電子を放出し、炭素が電子を受け取り、それぞれが、クーロン力で結合する考え方はできないのでしょうか?  すいません、いまいち共有結合とイオン結合の違いが理解できていません。

  • 水素結合について分からないことがあります

    水素結合は 電気陰性度の大きな原子(F,O,N)と結合した正電荷を帯びた水素原子が、近くの電気陰性度の大きい原子の非共有電子対の方向へ近づき、静電気に基づく弱い結合が形成されること。 ですが 非共有電子対の方向に近づくのですか?

  • なぜ水素原子は共有結合を起こすのか

    水素原子2個が共有結合で水素分子になりますが、 なんの力が2個の水素を結合させているのでしょうか? またなぜこの状態のほうがより安定なのでしょうか? 電気的に考えればそれぞれの電子同士が反発するのでないでしょうか?

  • 水素結合、配位結合

    水素結合 電気陰性度の大きな原子(F,O,N)と結合した 正電荷を帯びた水素原子が、近くの電気陰性度の大きい原子の 非共有電子対の方向へ近づき、静電気に基づく弱い結合が 形成されること。 5点満点中4点でした。 配位結合 一方の原子から非共有電子対が、他方の原子からはそれを受け入れる 空軌道が提供されて出来る共有結合。 5点満点中3点でした。 教科書で調べても、これ以上詳しく書かれていませんでした。 足りない点を教えてほしいです。 よろしくお願いします。

  • 化学結合について

    化学結合について よく電子と原子核との結合の強い順番として共有結合 イオン結合 金属結合 水素結合のような順番になりますが、NaClのようなイオン結合を水にいれるとNa+とCl-となり、水素結合をつくるようですがこれは最初の述べた順番と矛盾しないでしょうか?私はイオン結合が離れて 水素結合が優先されているように思います。これは水素結合の方が電子と原子核との結合が強いのではと思ってしまいました。どう思いますか?