マシニングセンタの熱変位を抑制するための効果的な方法
- マシニングセンタの熱変位を抑制するためには、工場内の温度変化を抑制することが重要です。
- 工場内にエアコンを設置し、温度管理を行うことで熱変位を防ぐことができます。
- また、マシニングセンタを設置しているスペースの改善やエアフローの調整なども効果的な対策となります。
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マシニングセンタの熱変位の抑制方法
金型製造業の管理業務をやっています。 工作機械の熱変位は、「技術の森」でも度々取り上げられていますね。 「恒温室に設置する」とか、「温度管理が重要」とか… いずれも、工場内の温度変化を抑制することで、 熱変位による加工物の精度悪化を防ぐために必要だと思います。 では、具体的にどんな方法が効果があるのでしょうか? 当社は、創業60年になろうかという会社で、 工場もかなり劣化しており、気温の影響をモロに受けます。 工場内にエアコンは設置してあるものの、狭いスペースに11台のMC機が設置され、 空気のよどみがあちらこちらに見受けられます。 かといって、工場を建て替えるわけにもいきません。 過去に熱変位対策をされ、「こんなことをしたら効果があった」という、 具体的なアドバイスがいただけたらと、投稿しました。 どうか、お知恵をお貸し下さい。 ちなみに、加工物の必要精度は、±0.01mmです。 使用している工作機械は、1台を除き竪型MC。 メーカーは国内7台(マキノ・三菱)、海外4台(Litz・FulLand)です。
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熱変位が環境温度による(24時間稼働)のか、本体の発熱によるのか(毎朝電源ON)で対策は違ってくると思いますが、とりあえず、毎朝機械電源ONのケースで安価な対策案として・・。 立形MCとの事ですので、立て軸(Z軸)のモータに扇風機を向けてください。 熱変位は、 1.ボールねじ温度上昇のボールねじ膨張 2.スライド摺動による発熱のコラム膨張 3.モータ発熱によるコラムの膨張 (4.その他) と有ります。 1は短時間で膨張・収束する傾向。 3は長時間(数時間)かけて膨張・収束する傾向です。 (2はその中間) 「モータの熱をコラムに伝えない」という熱変位対策を取ってみてはいかがでしょう。 ※単純に、モータカバー等取り外して、上部から扇風機(空冷)で効果を確認した経験があります。
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Q.加工前のワークは工場の外に置いておられますか。 工場内との温度差で寸法のバラツキか発生します。 なるべく温度差の出ない保管方法をお勧めします。 Q.工場の天井部分と床の温度差はどうでしょうか。 天井と壁際に送風機(ファン)を設置して温度の均一化をする。 大型コンプレッサーが工場内にあると大きな熱の発生源となります。 コンプレッサーに排気切り替えのダクトを取付て、夏は排出 冬は室内開放で、電気代(空調代)の節約にもなります。 クーラントの温度コントローラーも、自作でラジエター式の 室温追従型でも効果はあります。(室温以上で作動) イニシャルコストもランニングコストも安くなります。 可能ならば、集中クーラントが設置できれば・・・・
お礼
A1…ワークは常に工場内に保管しています。 A2…天井部と床面との温度差ですが、正確に測定したことがないため、 不明確です。 体感的には、かなり温度差を感じます。(定量的ではないですが) いずれにせよ、工場内の温度分布にかなり差があるのは事実ですし、 空気を対流させることで、温度差を減らすことを考えてみます。 またコンプレッサーの件も、大変参考になりました。 集中クーラントは、難しいので、機械毎に温度コントローラーを設置する ことを検討してみます。 具体的なご回答、ありがとうございました m(_ _)m
加工物の必要精度は、±0.01mmといっても全体が何1000mmあるのかによって ちがいがありますが、鋳物で3000mm程度あると0.1mmくらいの誤差はでます。(温度および縦横の関係により) 平たいものを寝かせて加工して実際は立てて使う場合、誤差が大きくなります。 最終的にはその誤差の統計を取ってフィードバックするという形をとりました。 長時間(5時間以上)連続で加工していると、そのズレは顕著ということでしたら加工による熱膨張が考えられます。これはエアコンなどでは解決しません。誤差の統計を取ってフィードバックするというのがいいかと思いますが 加工の順番が変わるとだめです。
お礼
状況説明が不足で、申し訳ありませんでした。 機械の稼働範囲は、1000mm以下が大半で、 対象ワークは、金型部品で300角程度、板物部品で1000角程度です。 ただ、今回の問題は、ワークのサイズに関わらず、 ワーク基準が加工中に変位してしまうこと(いわゆる芯ズレ)が問題で、 たとえばポケット加工では、ポケットの幅寸法は±0.01に入っているのに、 その位置関係がずれるという状況です。(ズレ量は、0.02~0.08程度) 総加工時間の短いものは比較的影響を受けにくいようですが、 長時間(5時間以上)連続で加工していると、そのズレは顕著に現れます。 「無人化・自動化」を進めるうえで、工場環境がこれほどまでに 大きな問題であることを、改めて感じている次第です。 ありがとうございました。
うちも窓が多いです。一応スリガラスになっているけど、朝日の赤外線は通すようです。冬に窓際の機械の東側は出勤時には暖かくなっていました。 それでブラインドをつけて一年中おろしてあります。 窓を開けると温度分布がばらつくのであけられないので、換気扇にするとか 冬だと夜間でもエアコンつけっぱなしにしておくとか。
お礼
具体的なお話、ありがとうございます。 当社もスリガラスですが、昔の名残で工場を明るくするため、 とにかく窓が多いです。 ブラインドをつけようか、いっそ目張りしてしまおうかと思っています。 それから、窓は開けないようにしていますが、 搬出入の入り口と工場中央通路が一直線になっており、 シャッターを開けるたびに、工場の真ん中に冷たい風が入り込みます。 温度管理の面からも、何ともお粗末な工場だと、 改めて感じております。 また、経費削減・エネルギー消費の抑制という観点から、 退社時にはエアコンを切るよう指示されていました。 こちらは、現状の問題の大きさを話、何とか説得して、 常時エアコンを入れるようにしています。 とにかく、できることからやってみます。 ありがとうございました。
経験上の話ですが、 回答 1)さんの補足としてお話します。 古い工場の場合、機械の近くに日光の入る窓などが有ると熱変位をしやすいです。 機械メーカーの多くは新工場を建てる際に無窓工場にされています。 窓を断熱材等でふさぐのも一つの案です。 湿式加工(クーラントを使う)ならば、後付が可能な範囲でタンクに 温度コントロラーを取付ける。 工場始業、30分とか1時間前にエアコンを入れ、機械も暖機運転を行う。 今後導入の機械は、熱変位対策や自動熱変位補正の機械を選ぶ。 以上、思いついたまま書きましたが又何か思い出したら投稿します。
お礼
回答ありがとうございます。 工場は、南側がたっぷりと窓になっていて、 ご回答の「無窓工場」とはかけ離れた状況です。 しかも、狭い工場スペースに機械を配置してあるため、 一部の機械は、かなり壁に近く設置されています。 >窓を断熱材でふさぐ これは、現在検討中で、見積を取っていますが、 まずは、ダンボールでもベニア板でもいいから、 窓を塞いでみようと思っています。 >タンクに温度コントローラを取り付ける これは試してみる価値がありそうです。 検討してみます。 >機械の暖機、エアコンの始動 これについては、ずっと実践していますが、 なにぶん工場内の空気の対流が悪いせいか、全体的に安定しないようです。 色々ありがとうございました。 また是非ご指導下さい。
現状を拝察する限りでは、効果ある対策が難しいように思います。 ●冶具ボーラ、冶具研など、数ミクロン以下を要するなら、恒温室が必須。 ●無人で連続稼働をさせるなら、人が介した補正が効かないので、レベルが上がる。 平研、成研、プロファイルなどを非NCで動かすなら、やや甘くても良い。 ●恒温室に限らず機械を詰め込むと、自身の発熱によって温度変動を拡大してしまう。 高能率で削り発熱の大きい機械は、高精度を要する機械から隔離する。 >加工物の必要精度は、±0.01mm 微妙ですね。。。ワークサイズによりますが、外すこともあるのでは? まず、現状で温度がどう変化してるのか測ることが必要だと思います。 これも費用をかければ連続自動観測ができる便利な機器がありますが、放射温度計なら数万円で買えます。 それで傾向が掴めれば、ある程度の対策は出てくるはずです。
お礼
ありがとうございます。 特に2項目めですよね。 今までは、「最後の仕上げは有人で…」だったものが、 無人で仕上るとなると、特に夜間の変位状態を抑制できません。 結果、工場環境の劣悪さが、浮き彫りになってきたわけです。 とはいえ、工場を立て直す費用が… (^^; ご指摘の通りですね。 実際に現状がどうなっているのか、また、対策した結果どうなったかを 知るためにも、測定が必要だと思います。 一定周期で温度測定が可能な機器を手配しましたので、 入手次第、現状を正確に測定しようと思います。 ありがとうございました。
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