熱処理の教科書的知識と実際
- 業種によって熱処理の知識の有用性が異なることに気付いた
- 熱処理の教科書的知識と現場の実際にはずれがある
- S45CやSCM440の焼入れに関して教科書的知識と現場の意見が異なる
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熱処理の教科書的知識と実際
同じ機械設計でも業種が違えば今までの経験の半分も役に立たないことが、転職してはじめて分かりました。 今の業種に合った熱処理について勉強しているのですが、教科書的な知識と実際の現場(社内の加工組立部門や熱処理業者)の間に少しずれがあるような気がします。 例えば、S45CやSCM440は焼き入れでHRC60近くまで硬くできると現場サイドでは言いますが、(条件 寸法Φ300 -L200 重さ240Kgf 高周波焼入れ、焼戻しなし )私の教科書的知識ではHRC52位までと思っています。また、焼入れと焼戻しは一連の作業と考えていたのですが、現場サイドでは高周波焼入した場合、焼戻しはしないことが一般的といいます。 この2点についてどちらが正しのか教えてください。また、このよう場合、図面上に記入するのはどちらにしますか?(設計者として、はずかしいのですが教科書的知識のウラズケ(データ)を持っていなく自身がありません。)
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この場であれやこれや言い合ってももう回答者さまの答えは出ているように思います。 m-sudoさんへ これで終わりにしたいと思います。もし、まだひっかるようでしたら、このサイトのコメントより弊社のホームページアドレスがありますので、私に直接メールしてください。 「設計としては基本的な立場を排除できません。」 私自信も設計をして現場もしています。設計の立場から見ればm-sudoさんのおっしゃる通りだと思います。(本質理論、理想) ですが、現場の意見は少し違います。本当に必要あるのかということを今までの経験より考えます。(現場実績、現場経験) 今回の言い合いは同じスタンスを持っていてもそれぞれのの経験(経緯)の違いより出た「ひずみ」みたいなものと解釈しています。 それと誤解されているみたいですが、私自身はどちらかというと理論派と思っています。 すぐに何でもかんでも計算式で出来ないか考えてしまうほどです。 以上です。
#4さんへ いわれていることはよく理解できます。(交渉で経験があります) しかし、 設計としては基本的な立場を排除できません。焼入れの場合、 歯車、カムなどの摺動部など用途が限られます。基本的なスタンス は熱処理は調質のみにとどめますが、必要があるからこそ高周波 などの熱処理を実施します。この際図面上で焼き戻し工程を省く ことは人身事故が生じた場合、機器の損傷の場合などの欠陥部品 の作成を設計者が指示していることになる場合もあります。 高周波焼入れの焼戻し工程の省略は一種の手抜き工事とさえみて います。現場の一存であれば設計サイドとしては関与しないだけで す。焼入れだけで済むと判断した場合は無論、その旨図面に記載しま す。#6さんのご指摘のような利用回数が少ないとかならば焼入れ 工程を省くことを検討しますね。
焼き戻しが必要か否か?硬度はどれ位いるか?を判断するのが質問者さんに 与えられた”仕事”ですよね(分かりきっていると言われそうですが) ですから、文献が・・・熱処理屋が・・・と言う前に、作る製品に見合った 処置を施すのが設計者の務め?? 1年で機種変更になり、負荷も稼動回数も少ない部品に半永久的に持つ 設計をするのが良いとは限らないと思いますし、いくら負荷・稼動回数的に 少ないと言っても、故障が人命に直結しやすい車や電車・飛行機は 安全を見て設計すると思います。 ですから、質問者さんが取り扱う製品に何が求められるかで、処置や 設計基準は変わるので、固有技術も大事ですが製品の本質を見極めることも 大事かと。 わざわざお礼すみません。 そうゆう私も1月から違う分野の製品の設計を始めた所で、 今回は精度より”力”がいる機械の世界で、大きさ・重さ・安全率の 考え方等やはり違います。 他分野の設計図や仕事をすると、色々な考え方・慣習があるので 嫌が負うにも基本的な考え方に力を入れる比重が大きくなるので、 その様なアバウトなコメントとなりましたが、頑張ってください。
条件 寸法Φ300 -L200との事ですし、高周波焼入れということもあり、最表面の残留応力はかなり高いと思います。最終的な製品特性にもよりますが、割れが生じなかったりするのでなければ焼戻しは必要ないと思います。 熱処理業者から言わせれば、使用上の高負荷などによる割れ発生を恐れて焼戻しを薦める思います。 私としても焼入れ後のアンバランスな金属組織で使用するよりも、焼入れ後焼戻しをすることをお勧めしますが、実際のところ板ものではないので必要ないと思います。
お礼
usrkitaさんご回答ありがとうございます。 熱処理業者さん側からのアドバイス、なるほどと思います。立場が違うと考え方も色々あるものですね。 そのなかで、丸ものに比べて板ものの方が焼戻しが必要になる理由がよく判りません。よろしければ再度ご教授ねがいます。
回答(1)です。 ウチではプレス金型の設計製作をしています。 S50CでHRC55~58と書いたのはあくまでも実測値です。 「S48C 高周波焼入れ焼戻しの場合 HRC>56.3となっています。」ということは、ウチのS50Cでの熱処理に関してはほぼ標準通りと思っていいのではないでしょうか。 m-sudoさんが言われるとおり、理論的には内部応力を除去するため歯車のようなものは焼き戻しをするのがより良いとはおもいますが、現実問題としては焼き戻し(S50C)をしないと言う意見も少なくないと思いますが、どうでしょうか? ちなみにウチでは金型屋で、かなり重要と思われる部品はS50Cでは作りません。SS400では少し不安、SKD11まではいらないという時にS50Cを使いますのでこのような答えになっています。
#1 さんへ 手元の資料では S48C 高周波焼入れ焼戻しの場合 HRC>56.3となって います。高周波焼入れのみの規定はありません。 ご参考に(あくまでも設計の立場からですが>(以上)という条件 が記載されています)。
設計の立場からは 例 S43C の場合 高周波焼入れ(約850度 水冷) 焼戻し(約180度 空冷) HB>約250以上 HRC>約53以上 高周波焼入れ、焼戻しを指示しています。 >焼入れと焼戻しは一連の作業と考えていたのですが そのとおりです。焼入れと焼戻しは一体と考えますが、 重要でない部品ならば焼入れのみで済ませてもOKとしています。 焼戻し は 焼入れ後の脆さをなくすこと、及び焼入れによって 生じた内部応力の除去を目的としています。 従って歯車の歯面などは必ず高周波焼入れ 焼戻しを指示して います。
お礼
m-sudoさんご回答ありがとうございましす。 私も、m-sudosさんと同じような内容で図面上に指示してました。 今の仕事(機械の設計)の前は歯車関係の仕事でしたので、焼入れ焼戻しは判を押すような感覚で図面に書いていました。 そういう事から焼入れ後焼戻しをしないと言うことを聞いて、一瞬はてな(?)思ったしだいです。 今回は硬度が必要な部品ですが、現場のやり方でやってみて硬度を測定するつもりです。(年はくっていますが、新人です)
現場の意見を言います。(理論的には違うかもしれません) ウチでS50Cで高周波で焼きいれすると、条件によるとは思いますが、HRC55~58と焼きいれ屋から聞いています。 焼き戻し(S50C)についてはウチでは普通しません。 実際に調べたわけではないので、なんとも言えませんが、私の予測では、もし、焼き戻し(S50C)をしたならばHRC52ぐらいになってしまうのかな?という印象です。 参考になれば幸いです。
お礼
tara555さん、ご回答ありがとうございましす。 金型関係の仕事をやってらっしゃるとのことで、うちとは違う業種の現場の声が同じことが判りました。(私のところは、1t以下のリサイクル関係の機械をやっています。その前は歯車、減速機などの仕事です。) 参考になりました。
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