ステンレス素材へのめっき後の耐食性
- ステンレス素材へのめっき後、パラジウムの有無により耐食性が異なる理由を明解にご教授願います。
- ステンレス上に施される順次のめっき層が耐食性にどのような影響を与えるのか、具体的なメカニズムを教えてください。
- パラジウムめっき層が有ると無しに比べて、腐食が極端に進行する理由について、電気化学的な観点からも説明してください。
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ステンレス素材へのめっき後の耐食性
素材ステンレス上に順次、ニッケルストライクめっき層(めっき密着性確保)、ニッケルめっき層(5μm以上ピンホール極小化)、パラジウムめっき層および金フラッシュめっき層を施し、塩水噴霧試験を行いました。この構成でパラジウムの有無により、耐食性が異なります。パラジウムめっき層が有ると無しに比べて、極端に腐食(赤茶けた鉄さびが発生)します。何故でしょうか?電気化学的(電位差)に見ても理解できません。どなたか明解なメカニズムをご教授願います。
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?について 腐食関係で基本としている参考書は、「腐食反応とその制御」というものです。初版は1968年ですが、今でも基本となっている本です。 ?について ニッケルを母材とする合金鋼を耐食材としてはあまり用いていないというのが、私の感覚です。高いのがその理由です。単に耐食性を持たせるならば、チタンの方が良いと考えています。 Alloy800の様にニッケル合金を用いることも実際には多々あるのですが、この場合は、耐食性よりも耐熱性に重きを置いたものと思います。 したがって、ニッケルパラジウムなる合金が存在しているのかはよく知りません。ただ、ニッケルチタン合金は、形状記憶合金として有名だそうです。
感覚的には、パラジウムが多すぎる為に過不動態域に入った為に不動態皮膜が破壊され、腐食速度が上昇したものと思います。 ステンレス鋼の不動態皮膜は、ある程度の腐食電流が流れる事によって活動態域から不動態域に入る為、ある程度のカソード領域が必要です。電位が貴なパラジウムが少量含まれているとカソード領域として機能する為、不動態皮膜がより安定になると考えられます。 ところが、あまりにカソード域が多いと電位が上昇してしまい、過不動態域に入ってしまうものと思います。 尚、チタンにパラジウムを入れたものは非常に耐食性が優れていますが、この量は0.1%程度です。パラジウムの量をパラメーターとして変化を見ると、面白い結果が得られるかもしれません。
補足
hasshさん、早速ご回答頂き、誠に有り難うございます。早速、トライしたいと考えますが、追加質問させて下さい。 ?ご回答頂いた内容を更に詳しく知りたいのですが、 文献、書籍等ご存知であればご紹介下さい。 ?『チタンにパラジウムを入れたものは非常に耐食性 が優れている』ということですが、チタンの代わ りにニッケル(ニッケルパラジウム合金めっき) でも対応出来るでしょうか。 以上、宜しくご教授願います。
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