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細胞の老化について。

Wakefield_Blanの回答

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回答No.2

Cellular senescenceの定義をWikipediaから引きます。Wikiはレベルの低いソースですが、引用文献が記載されている分、個人のブログなどに書かれた情報よりは信頼できます。論文を探して提示するのが面倒なのでWikiの内容をペーストします。 Cellular senescence is the phenomenon by which normal diploid cells lose the ability to divide, normally after about 50 cell divisions in vitro. Some cells become senescent after fewer replication cycles as a result of DNA double strand breaks, toxins, etc. This phenomenon is also known as "replicative senescence", the "Hayflick phenomenon", or the Hayflick limit in honour of Dr. Leonard Hayflick, co-author with Paul Moorhead, of the first paper describing it in 1961.[2] In response to DNA damage (including shortened telomeres), cells either age or self-destruct (apoptosis, programmed cell death) if the damage cannot be easily repaired. つまり細胞老化とはそれ以上分裂できなくなった状態を指します。大事なのは2文目で、複製限界が来る前でも、DNA損傷などがあれば細胞老化は起こると書いてあります。3文目からは複製限界による老化、つまりHayflick限界と老化について書いてあります。 なぜテロメアの短縮が細胞老化を引き起こすのかを知らなければなりません。短くなったテロメアがシグナルを送る、というわけではありません(最新の研究結果は知りませんが、教科書的には違います)。テロメアが短くなったことで、DNAを保護できなくなりDN損傷が起こるのが細胞老化に引き金です。よって細胞老化を引き起こしている本当のトリガーはDNA損傷なわけです。すると前の2文目が納得いきます。DNA損傷を起こす現象なら複製限界に無関係でも細胞老化が起こるわけです。模式的に書けば下記のようになります。 テロメア短縮→DNA損傷→細胞周期停止のシグナル、細胞老化(Replicative senescence) 抗癌剤投与→DNA損傷→細胞周期停止、細胞老化(Premature senescence) 癌遺伝子の活性化→DNA損傷→細胞周期停止、細胞老化(Oncogene-induced senescence) だからCKIによる細胞周期停止によってテロメアの短縮が起こるなんてことは絶対に起こりません(上記の逆の現象になりますから、そんなめちゃくちゃなことは起きません) あと、一過的な細胞周期停止は細胞老化と呼べるのか?、ということですが、答えはNOです。細胞老化は少なくとも数ヶ月の細胞周期停止が観察されることが知られており、多くは不可逆で半永久的なものだからです。

perfectdocter
質問者

お礼

ご回答、並びに詳しいご説明をしてくださって、ありがとうございます。 ご回答してくださった内容に関して、恐縮ですが、もう少し教えて下さい。 結局、細胞老化の本質としては、テロメアの短縮というよりも、それに伴う、DNAの防御体制が脆弱化し、それによって、細胞老化が引き起こされるということですよね? それであれば、癌抑制遺伝子は、細胞周期こそ、停止させますが、DNAを修復し、DNAを保護するという点で、老化に近づくものではなく、老化とは逆の方向に向かう作用を有しているように思えます。 癌抑制遺伝子は、修復のために、一過的に細胞周期を停止させるかと思いますが、そうであれば、どうして、癌抑制遺伝子の働きが老化と相関するのかがよくわかりません。 すいませんが、教えて下さい。よろしくお願い致します。

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