北朝鮮の衛星打ち上げ、と日本の衛星

質問

北朝鮮の衛星打ち上げが日本の上空を飛ぶことが問題になっていますが、一方日本の衛星が他国上空を飛ぶことについては、どうなっているのか、教えてください。

回答No.10

DDRSDRAM

衛星については、世界各国の衛星が世界各国の上空を回っています。その辺は問題になっていません。
　問題になっているのは打ち上げ時のロケットが燃え尽きた後、どこに落ちるかです。北朝鮮の場合、打ち上げ途中で燃え尽きた１段目と２段目が他国の近くに落ちるので問題になっています。

　一般に、ロケット打ち上げ時は、発射場付近や下段ロケットが落ちる可能性があるところを前もって通知します。打ち上げ失敗時にはロケットを途中で自爆させ変なところに燃えカスが行かないように工夫します。
　ところが、北朝鮮のロケットは性能が悪く、前回は燃え尽きたロケットの落下場所が発表された地点より数百キロずれました。今回は、北朝鮮はできるだけ他国を通らないようにルートを工夫したものの、韓国の直ぐ東に１段目が落ち、石垣島付近の上空を通過してから２段目を切り離し、２段目はフィリピンのすぐ西に落下する予定です。これではちょっとでもルートがずれると韓国、日本、台湾、フィリピンのいずれかに燃え尽きたロケットが落ちる可能性があります。それで騒いでいることが問題点の１つ目です。
　北朝鮮は、北にロシア、西に中国、南に韓国、東と南に日本があって、他国の上空を通らずに衛星を打ち上げることがほとんど不可能です。普通は、こういう場合、他国の打ち上げ発射場を使います。あるいは、他国のロケットで衛星を打ち上げることもあります。
　他国の上空にロケットが落ちる可能性があるのに打ち上げを強行するのは、ロケットの開発が目的では？と疑われる理由の一つになっています。

　日本の場合は南と東には国は無いので、宇宙に上がるまで他国を通りません。H2の１段目とM５の１、２段目は太平洋上に落ちます。（H2ロケットの２段目は宇宙に上がってしまいます。)打ち上げに失敗しても全て太平洋上に落下します。
　H2の打ち上げ失敗時には自爆して全て太平洋上にロケットが落下しました。中国では打ち上げ失敗時に自爆できず、ロケットが村に落下し死者が出ました。北朝鮮のロケットは自爆装置があるかどうかも怪しいところです。

　普通、ロケットの打ち上げ場は東側が海（大海）のところが選ばれます。日本は種子島と内之浦（鹿児島）、アメリカはフロリダに、ESA（ヨーロッパ宇宙機関）はフランス領の南米ギニアに発射場があります。北朝鮮の場合は自国に発射場に適したところがありません。もっとも、発射場を貸してといっても「そんな金あったら米買え！」といわれるのがオチでしょう。飯を恵んでもらってロケットなんか打ち上げる必要があるのか？ということが問題点の２つ目です。

　そして、３つ目は、衛星の替わりに核弾頭乗せるのでは？という疑念です。日本は自国開発のロケットがあるもののアメリカやヨーロッパに衛星を打ち上げてもらうことが結構あります。北朝鮮の場合には食糧援助を受けながら自国開発のロケットにこだわっているのでやっぱりミサイル開発をしているのではと疑われる理由になっています。衛星打ち上げロケットと核弾道ミサイルはロケット部分が同じで積んでるものが違うだけです。

お礼

詳しい回答ありがとうございました。

よく解りました。