有機化学の要点解説
- 水素化アルミニウムリチウム(LAH)は、エステル、カルボン酸、アルデヒド、ケトンを高収率で還元することができます。
- アルケンを四酸化オスミウムで酸化すると1.2-ジオールを生成します。反応機構では、四酸化オスミウムの酸素が炭素と結合し、オスメートエステルという中間体を生成します。
- ジカルボン酸のpKaは、モノカルボン酸のpKaより小さいです。また、HO2C(CH2)nCO2H型のジカルボン酸のpK1とpK2の差はnの増加とともに減少します。
- ベストアンサー
有機化学
1.水素化アルミニウムリチウム(LAH)は、エステル、カルボン酸、アルデヒド、ケトンを還元できる。 また、カルボン酸を高収率で第一級アルコールに還元することができる。 と教科書に書いてあるのですが、 例えば、2-pentanoneをLAHで還元すると、第1級アルコールである1-pentanolになるのですか。それとも第2級アルコールである2-pentanolになるのですか。 2.アルケンを四酸化オスミウムで酸化することで1.2-ジオールを生成する反応で、教科書を見ると、四酸化オスミウムの酸素が炭素と結合してオスメートエステルという中間体を生成しています。反応機構を自分なりに考えた時、C=Cのπ電子が、Osに攻撃していくと思ったのですがそれではオスメートエステルはできないですよね。反応機構を教えていただけませんか。 3.すぺてのジカルボン酸のpKaは、同じ炭素数のモノカルボン酸のpK1より小さいのはなぜですか。 また、HO2C(CH2)nCO2H型のジカルボン酸のpK1とpK2の差はnの増加とともに減少するのはなぜですか。
- yuhirosi
- お礼率98% (84/85)
- 化学
- 回答数4
- ありがとう数5
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
2.反応機構は諸説あるそうですが、有力なものはネットで検索してもすぐ出てくるはずです。電子はあくまで酸素の方に寄っている点は誤解されないよう。 3.pKaよりも小さなpHでは、分子型の「割合」が高くなります。pKaはプロトン1個の放出のみが問題となるので、例えば分子内にカルボン酸を100万個持ったような分子では、そのうち1つがイオン化すればよいので、pKa値はかなり低くなります。 カルボン酸は電子求引基としてはたらくので、もう1つのカルボン酸が近くにあればあるほどプロトンの放出を促進します。炭素鎖が長いほどこの効果はうすれるためpKa値は高くなります。
その他の回答 (3)
- NiPdPt
- ベストアンサー率51% (383/745)
補足ですけど、電気陰性度の面では確かに酸素が電子過剰に思えるでしょうけど、この場合にはOsに4個のOが結合しており、それぞれのOが自分の方に電子を引き寄せようとしているわけです。ところがそれが実際に起こるとすればOs上の正電荷がかなり大きくならなければなりませんが、そういった状態は大きな電荷の偏りが生じることになるので不安定です。結果的に、個々のO原子からすれば、本来よりも低めの電子密度で妥協せざるを得ないことになります。こういったことが酸素原子上の電子不足の原因になり、酸化力の原因にもなります。
お礼
ありがとうございます。
- NiPdPt
- ベストアンサー率51% (383/745)
2.この反応は基本的に求電子付加ですのでπ電子がOsO4のOを求核攻撃します。つまり、OsO4ではO原子が比較的電子不足になっているということです。π電子がOを求核攻撃して、O=Osの電子対が移動して、もう片方のO原子から二重結合の側に流れるような機構を書くことができます。 3.たとえばn=0のシュウ酸であればCOOHの電子求引性共鳴効果によって、酸性度が高くなります。nが1~3程度であれば分子内の水素結合の影響があるかもしれません。また、そういう話とは別に、COOHが2個あれば統計的に考えて、H+の取れる確率は2倍になりますので、その分だけ酸性度が高くなります。
お礼
わかりやすい回答ありがとうございます。 1つだけお聞きしたいことがあります。 OsO4ではO原子が比較的電子不足になっているとおっしゃられましたが、オスミウムと酸素の電気陰性度を調べてみたところ、前者は2.2、後者が3.5だったので酸素が電子を引き寄せているので、酸素が電子過剰状態でオスミウムが電子不足なのではと思ったのですが・・ 何度もすいません。
- aceticacid
- ベストアンサー率0% (0/1)
こんにちは薬学部の学生です。 (1)ですが2-pentanoneをLAHで還元すると2-pentanolになると思われます。確かにアルデヒド、エステルをLAHで還元すると第一級アルコールになりますが、ケトンの場合は第二級アルコールになります。反応機構を考えると理由がわかりやすいですよ (2)ですが、四酸化オスミウムがオレフィンに[3+2]付加を起こしオスメートエステルができると考えたほうがわかりやすいですよ。でも反応機構はいまだ議論の段階らしいですよ (3)ですがジカルボン酸は二つのpkaを持っていると思われます。2つの中で小さいほうのpkaは炭素数の同じモノカルボン酸のpkaより小さいはずです(大きいほうのpkaはモノカルボン酸のpkaより大きいと思われます)。理由は1回目のプロトン放出では,置換基はCOOH基で強い電子吸引性基して働くが, 2回目ではCOO-であり,電子吸引性の弱い置換基であるためと思われます(あくまで理由の一つです。) またHO2C(CH2)nCO2H型のジカルボン酸のpK1とpK2の差はnの増加とともに減少するのは炭素鎖が増えるごとに電子吸引効果が小さくなるためだと思われます。
お礼
ありがとうございます。とても参考になります。 1つだけいいですか。 ジカルボン酸のpK1がモノカルボン酸のpKaより小さい理由は、両方とも強い電子吸引性基のCOOH基をもつが、ジカルボン酸の方は2つCOOH基をもつので放出できるプロトンも2つあるからという解釈でよろしいのでしょうか。
関連するQ&A
- アルコールに還元性は?
アルデヒドに還元性があるのは、どんな化学の教科書・参考書にも書かれていますが。 アルコールにはそんな記述がありません。 アルコールが酸化されてアルデヒドになるとは書かれていますが。 アルコールがフェーリング反応や銀鏡反応を示すとも書かれていません。 私なりに考えたのですが、 アルコールは酸化されはするけれど、 アルデヒドのように酸化されやすくはない(=「還元性」はない)ということでしょうか? だからフェーリング反応や銀鏡反応は起こらない、と。 だとすると、どうしてアルコールには「還元性」がないのでしょうか? また、逆に、どうしてアルデヒドは酸化されてカルボン酸になりやすい(=「還元性がある」)のでしょうか?
- ベストアンサー
- 化学
- 化学 molについて
次の化学反応式からわかる量的関係の記述として正しいものはどれか。 下の 1 ~ 5 のうちから一つ選べ。。 C + O2 → CO2 1 1 mol の炭素と 1 mol の酸素が反応し, 2 mol の二酸化炭素が生成する。 2 1 mol の炭素と 2 mol の酸素が反応し, 3 mol の二酸化炭素が生成する。 3 2 mol の炭素と 1 mol の酸素が反応し, 2 mol の二酸化炭素が生成する。 4 2 mol の炭素と 2 mol の酸素が反応し, 3 mol の二酸化炭素が生成する。 5 2 mol の炭素と 2 mol の酸素が反応し, 2 mol の二酸化炭素が生成する。 すべて1molになると思いますが、なぜか答えが5になっています。 5の回答だと、2C + 2O2 → 2CO2 となるのではないでしょうか? 解説お願いします。
- ベストアンサー
- 化学
- (有機化学)化学反応について
参考書を読んでいて、「カルボン酸は「炭酸水よりも強い酸」であるから、炭酸の塩である炭酸水素ナトリウムや、炭酸ナトリウムと反応して、炭酸(水+二酸化炭素)を遊離させる(二酸化炭素を発生させる)」 と書いてありました。 酸性+塩基性→塩+水 っていうのは知ってるのですが、これは関係ないですよね・・・。 ☆有機化合物で酸性を示すのはカルボン酸ってのは覚えましたけど、炭酸よりも強い酸とはどうしていえるのですか? これは高校の範囲内では暗記で済ませればいいでしょうか・・・? ☆「酸」と、「酸」の塩が反応するのがいまいちピント来ませんでした・・・ ☆塩の定義は何ですか? NaHCO3は、カルボンさんより弱い酸の塩のようですけど、 ナトリウムは塩基で、炭酸は酸だから中和反応みたな感じでNaHCO3は「塩」なんでしょうか?
- ベストアンサー
- 化学
- 高校化学 有機分野から質問
こんばんは。ちょっとした質問です。定義の確認になるかと思います。 ベンゼン環をつくるいずれかの炭素原子に直接ヒドロキシ基が結合せず、フェニル基とアルコールが結び付いたような形の一群の化合物はフェノール類には含めず、確か同族体としてはアルコールであったと記憶してます。 同じような事はカルボン酸についても言えますか? 例えば、KMnO4によって酸化され、安息香酸となるのは、芳香族カルボンであって脂肪族は勿論、脂肪族カルボンのカルボキシ基にない炭素とフェニル基とが結合したような化合物はこのような反応は見せない、というのはアリでしょうか? 構造式を推定する類の問題をやっていてちょっと疑問に思いました。宜しくお願いします。
- 締切済み
- 化学
- 有機化学です。急いでいます。
(1)過酸のメカニズム (2)アルカリ条件でのアルコールとカルボン酸のエステル化 (3)有機化学反応における酸の働きを具体例を用いて出来るだけ詳しく説明。 (2)は、実際には不可能なんですよね。しかし、それを無理矢理にでもアルカリ条件で…みたいな感じです。全くわかりません。 あと、(3)の具体例を用いて出来るだけ詳しくというのは、反応機構も詳しく書けという意味だと思うんですが、どうも難しくてわかりません。 よろしくお願いします。
- 締切済み
- 化学
- いくつかの反応からの構造式決定 有機化学
「エステルBを加水分解して得られたカルボン酸は銀鏡反応を示した また同時に得られたアルコールを酸化するとケトンを生じた エステルBの構造式を書け 答え O CH3 || | H-C-O-CH-CH3 」 条件から↑が答えであることは分かりますが、 O O CH3 || || | H-C-C-O-CH-CH3 これも与えられた条件を満たしませんか? つまりこれを加水分解して得られたカルボン酸は銀鏡反応を示しますし これを加水分解して得られたアルコールを酸化するとケトンになりますよね ということはこれを答えとして書いても得点になりますか? それともこういう場合はもっとも単純な構造の物質を書く 暗黙的な約束でもあるのでしょうか?
- ベストアンサー
- 化学
- シュウ酸と熱濃硫酸の反応
タイトルの反応ですが、シュウ酸は還元剤、熱濃硫酸は酸化剤なので、酸化還元反応が起こると思いました。 よって、予想では二酸化炭素と二酸化硫黄と水が生成すると思いましたが・・・ 実際にはシュウ酸が分解して二酸化炭素と一酸化炭素と水が得られるそうです。 これは、濃硫酸の脱水反応によるものだと思います。 なぜ、酸化還元反応が起こらないのでしょうか? それとも、二酸化炭素が発生することから、酸化還元反応の一種なのでしょうか?
- ベストアンサー
- 化学
- 酸無水物とアルコールの反応
環状ジカルボン酸無水物にエタノールと濃硫酸を加えた場合、まず、カルボキシル酸素にプロトンが付加して、次にエタノールの酸素が求核炭素に攻撃すると思うのですが、具体的な反応機構わかりますか?それと最終生成物がエステルとカルボン酸からなる環状構造になるのでしょうか?お願いします。
- 締切済み
- 化学
お礼
わかりやすい回答ありがとうございます。 とても参考になりました。