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先行詞などの冠詞について

chiaroscuroの回答

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回答No.7

 関係節とは、2つの文を1つに結合する操作だと考えるのは、関係節の作り方を教える際の一つの便法であっても、関係節の本質の理解には有害だと思います。参考までに、最後に、1つだけ、この考えでは解けない謎(あるいは、そう考えた結果、生じる謎?) を挙げておきます。 (1) This is the song I like very much.  このtheは、従来、後方照応(cataphoric)で説明されてきました(学校英語でいう「限定」です)。この分析では、関係節の情報があって初めて、songの指示対象が「唯一的に決まる」と理解します。この分析の重要な点は、関係節は、形式上、songを修飾する形容詞節ですが、意味については、theが決定的な役割を果たしていることを指摘したことです。  しかし、今では(といっても、どの程度、幅を利かせているのかということになると定かではありませんが)、theが、後に来る関係節の情報の質を決めると考えます(この背後には、従来、名詞句と考えられていた表現が、実は、決定詞句であり、アクセサリー扱いされていたaやtheの方が、主要な役割を果たしているという理解があります。ついでに言うと、一部の言語学では、句や節といった概念すら、解体されつつあります。言語学と英語教育が復縁し、文法に関して、どのような橋渡しが可能なのか、実践的な研究が望まれるところです)。  不定冠詞との違いで言えば、(2)のようにまとめることができます。 (2) a. …a(n) 名詞+関係節(assertionを表す) b. …the 名詞+関係節(assumptionを表す) assertionというのは、聞き手の知らない新しい情報を提示することを表します(ただし、事実かどうかは分かりません)。これに対して、assumptionというのは、「前提」と訳されますが、これは、shared knowledge、つまり、聞き手との「共有情報」を表すという点で、既知の情報を表します(これは、事実であることが確認されている情報です)。従って、基本的には、先行するコンテクストの中で述べられた情報を表します(が、時には、具体的に言語化されないでも、話し手が、勝手に、聞き手は知っているだろうと考えていたり、あるいは、状況から正しく推論すれば、聞き手も獲得できると話し手が考える情報もまた、「共有情報」に含まれます)。 (3) This is a song I like very much.  こう考えると、(3)の意味は、(Iを母親と考えると)「この歌はね、どんな歌かというと、お母さんのとっても好きな歌なの」ということで、子供は、初めて、この歌の持つ特質を知ることになるわけです。 (4) This is the song I like very much.[=(1)]  これに対して、(4)は、「この歌なのよ。お母さんが、大好きだって言っていた歌は」という意味で、本来ならば、This is the song!(これが、「例の」歌なのよ)と言っただけでも、どの歌のことについて述べているのか、察しのよい相手であれば、分かるところを、聞き手に対するサービスとして、「例の」が表すshared knowledgeの中身が、いったい何なのか、述べることで聞き手の理解を助けているのです。  もう少し、遊んでみることにすると、主張と前提は、否定文や疑問文の焦点(簡単に言えば、「対象領域」)になるかどうかで違いが生じます。ここでは、否定文の例だけを取り上げると、主張は、否定の対象になりますが、前提は、事実を扱うので、否定されません。 (5) a. This is not a song I like very much. b. This is not the song I like very much.  (5a)は、notの影響は、関係節の内部に及び、「この歌は、私はそれほど好きではない(<=この歌は、私の大好きなタイプの歌ではない)」と解釈できるのに対して、(5b)は、「この歌は、私が大好きだと言った歌とは違う」という訳で、notの作用は、関係節内部には及ばないのです。ちなみに、(3)や(5a)のa songは、「一つの歌」ではありません。an Nは、it/she/heで受ける系統と、oneで受ける系統がありますが、ここでの、a songは、後者です。英語学の初歩では、前者をtoken、後者をtypeと区別することを学びますが、まさに、ここのa songは、「グループ/範疇」に関わる意味を表しています。  最後に、(6b)のHeは、Johnを指すと考えるのが自然なのにもかかわらず、Heをwhoにした時には、doctorの後に入るのはなぜだと思いますか? (6) a. John is a doctor who is liked by everybody. b. John is a doctor. He is liked by everybody.  実は、be動詞は、A=Bのように=を表すという言い方で、お茶を濁すのが通例ですが、扱いがかなり厄介です。関係節を指導するのであれば、(7)のようにbe動詞を避けた表現を考えるほうが適切です。 (7) Sing me [a/the] song I like very much.

yacky
質問者

お礼

回答ありがとうございました。 正直、私には難しい言葉がいろいろあったのですが、例文をたくさん用いていただいていたので、よく理解できました。  私自身、2文を1文に という伝統的(?)ともいえる問題の形式には、特に(6)a b の例文のようなbe動詞つきの場合、疑問を感じていました。  先行詞はa doctor なのに、関係詞節の主語はJohn になる。関係詞節の主語は先行詞じゃないの?  という疑問が出てきます。    ところで、授業で他の先生が用いた問題集の文法解説に、「Jane has an uncle and he lives in Tokyo.を関係代名詞を使った文にすると、Jane has an uncle who lives in Tokyo.となります」という内容がありました。  私の知識では、and he というつながりの場合は、継続用法となり、関係代名詞の前にカンマがいるはずなのですが…。これは、限定・継続用法を学ばない中学生用の問題集ならではの現象なのでしょうか。  もしよろしかったら、こちらへのご意見もいただければと思います。(新しい質問として投稿すべきでしょうか…。)

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