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執刀医の腕と術後の痛みの関係

suzuchibi01の回答

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回答No.3

専門家と自信をもってお書きになることができるお二方が既に回答をなさった後に、稚拙な手技で満足な手術など出来ず日々悩んでいるような者が書き込むのは相当問題があると承知しつつ、でもそれなりに質問者様に立場的に近いのではないか…と勝手に想像して書き込みます。 まず「適切な手術」とは何か「良い手術」とは何か?というところから考えなければこうした問題は考えられないのではないかと思案いたします。痛みが少ないのは素晴らしいことですが、痛みのない手術=適切な医療ではないんです。#2の方が美容的な事柄を書かれていますが、この美容的な事柄を優先するために皮切部位(表面の傷跡)を本来の患部からは相当遠くにとって皮下を延々掘り進み、すべて遠いところから操作するなんてことがあります。そうしますと当然掘り進んだ距離の分痛みは結果的に強いものとなりますしその分合併症の可能性も増えます。また例えば、いくつかの手術では既にリンパ郭清は意義がないとされているものの、今も尚その操作が診断上必要であり治療上有効とされる手術は多くあります。痛みを嫌う医師の中にはそうした手術では郭清などせずに済ませてしまうものもいるのですが、正直どちらが腕の良い医者か…悩むところです。とにかくリンパ郭清をしますと術後相当期間痛みます。でもこの手術を丁寧にした方が医療としてはまっとうで真面目な治療となります。つまり手術の術式はもちろん、その手術中の操作の範囲を決める判断(同じ郭清でも範囲は術中の判断で変わり得ます)など複雑に絡んだ結果に、患者さんの個人の痛みの感じ方etcの要因が加わり、それぞれは1回こっきりのトライアルのため独立に比較対照をするわけにもいきません。もし単独で痛みのみで手技を判断することとなりますと、どうしても個人的感覚に傾倒しがちで正確なそして病状に即した判断としては誤りを生じかねません。 私もいち外科系医師として痛みのみならず手術の結果を決める大きな要因として手術手技とその差を埋める新しい知識の習得が存在していると思っています。しかしながら手技による差というものはそんなに神がかり的なものではなく、簡単に言えば「(知識の裏づけのある上で)より愛護的に扱う」という範疇のものだと考えています。この愛護的操作、例えば腸管を扱う時は少しでも空気に直接晒さない、こすらない、剥離も同じ…という程度であると思っています。そうすることで術後の癒着を防ぎ(質問者様がいう「状態が安定した後の」痛みが減りますね)術後のトラブルを避け、結果として成績に表れるわけです。その精神は普段の診療にも如実に反映されるものです。 また手術中のみならず術後も痛みのマネジメントを心がけることによって、痛みへの対応はトータルで行うものだと考えています。これも配慮の1つです。 愛護的な操作はもちろん全ての外科医が考えねばならないものですが、手術の過程で必要とされる場合はその部分を犠牲にせねばならない場合も時としてあります。そうなってくると犠牲にすることが必要だと判断した名医は痛みが強くなり、犠牲などいらないと判断した医師の手術はガンで言えば再発したり機能障害が残ったりすることすらありえるわけです。 長々と書きましたが私が思うところは 医者が医者を鍛える、医者が自己鍛錬をする こういう場合にはその命題は正しいと感じますが、一般人や患者がそれを実感できるあるいは判断して正しいかというとそうではない。かえって弊害の方が多かろうというところです。 元々その分野の知識を十分に持ち、関連する手術を数多くこなしている医師の場合、その分野の手術の『肝(きも)』はほぼ例外なしに体得しています。そしてその知識をより所として慎重な操作の上に行う手術であれば、結果の多くは同じと考えます。現在の医療は手術そのものがかなり専門化していますので、よほどその分野に不慣れな医師がさらに適当な監督の無いところで行わない限りは、誰が見ても明らかな差など生みませんし生れようがないんです。そしてこれらの医師は普段の診療からその知識に基づいて十分な説明と洞察を行っていますから手術を見なくてもある程度は判断できてしまいます。それが「その精神は普段の診療にも如実に反映される」と書きました根拠です。 名医かどうか判断されるなら、普段の医師のトータルの姿をご覧になってください。よく「縫合部(表皮)を見ると名医かどうかわかる」なんてのもありますが、名医の下には小僧がいてその小僧が縫合するからキズが汚い…なんてことも実際にあります(小僧も医者です)。そうした名医は後進も育てますのである意味しかたがない矛盾です。腕の良し悪し、名医かどうかなどというものはそんな単純なものではない・・・・・・・・・・・・と素人ながらに思います。

pur
質問者

お礼

詳細なご回答をありがとうございます。 私が「単独で痛みのみで手技を判断」しようとしているのではないことは質問文から分かっていただける(かな?)と思います。しかし大勢が訪れるサイトですし、妙な誤解を生まないよう「一般人や患者がそれを実感・判断して正しいかというとそうではない。かえって弊害の方が多かろう」「名医かどうかはそんな単純なものではない」と書いて下さったお心遣いに感謝します。 「美容上の事柄を優先して結果的に痛みが強くなることがある」「より愛護的に扱うことで術後の癒着を防ぎ、痛みが減らせる」など、興味深く読ませていただきました。 しかし、「結果の多くは同じ」というのはどうなんでしょう?インターネットで同じ術式の手術を受けた患者(日・米・英・豪)の体験談を読み、「結果は百人百様」という印象を持ちました。お医者様の考える「同じ」と患者の考える「同じ」は違うのかもしれませんね。あるいはそれ以前に、「その分野の知識を十分に持ち」「関連する手術を数多くこなし」「知識をより所として慎重な操作の上に行う」「(不慣れな医師は)適当な監督があるところで行う」といった条件が揃わないことが少なくないということかもしれませんね。

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