宇宙膨張による銀河間距離のパラドックス

このQ&Aのポイント
  • 宇宙が膨張しても銀河間の距離は不変なのか?というパラドックスについて考えます。
  • ハッブルの法則からは、銀河間の距離は膨張によって増えるはずですが、実際には増えずに変わらないことが示唆されています。
  • これは、宇宙の膨張に伴って物差しの単位も変化するためであり、宇宙の膨張の影響を受けない固定的な物差しが存在しないことを意味しています。
回答を見る
  • ベストアンサー

宇宙が膨張しても銀河間の距離は不変、というパラドックス?

宇宙が膨張しても銀河間の距離は不変、というパラドックス? ハッブルの法則は遠い銀河からの超新星の光を分光すると赤方偏移を示す観測事実から、ドップラー効果を根拠にすべての銀河が遠ざかっている=宇宙が膨張していると結論付けたものですね。 そこで、質問です。 現在の、天の川銀河と、ある遠くの銀河Xの距離をr0としましょう。 一億年後、宇宙が膨張したのちの銀河Xとの距離をr1とします。 r0をパーセクで表現するとnパーセクでした。 ハッブルの法則からr1>r0になるはずですね。 ところが一億年後にはr1を測定するとやはりnパーセクになるはずです。 なぜならば、一億年後にはパーセクの元になる天文単位も宇宙の膨張に伴って長くなっているからです。 r0=nパーセク r1=nパーセク ですから、r1=r0となってしまい上記のハッブルの法則とは異なる結論です。 どう解釈したらよいのでしょうか? 宇宙年齢に依存せず常に一定の物差しが無いということなのでしょうか。 であれば、膨張しているという命題は無意味に思えますが。 考えるヒントをいただけると助かります。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • juyjuy
  • ベストアンサー率22% (139/612)
回答No.2

「パーセク」はまだ宇宙の膨張や一般相対性理論が確立する前に作られた観測の便宜上の単位です。従って宇宙の膨張や一般相対性理論がそれなりに確立した現在では、あくまで近似値の一つと考えるべきです。 ハッブルの法則が実際に影響を与える遠方の銀河などについては「光年」を使うのが普通です。これなら一般相対性理論、宇宙の膨張があっても使えます。(重力量子論・・まだ完成していませんが・・では「光速」も変化します。いま実験で確かめられつつあります。この場合では「光年」でも誤差が生じます。) 「宇宙年齢に依存せず常に一定の物差しが無いということなのでしょうか。」というご質問に関して言えば今のところ「光速」しかないのですが「重力量子論」ではそれも怪しくなっています。 ただ、この影響は一般的な銀河までの距離等には影響しないほどわずかなので「光年」という距離の単位は現在得られている最も良い近似値を与えると言えるでしょう。

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

ありがとうございます。 大変よくわかりました。 ニュートンやライプニッツの時代に定義された、天文学的に”短時間”の観測において有効な単位系では20世紀の天文学には既に不適当なんですね。 光年も、年という地球の公転周期に依存した単位ですから、太陽系自体が変貌してしまう程の時間軸では基準にできないですよね。 万物が流転する21世紀の天文物理学にふさわしい“メートル原器”を新たに定義しなくてはならないのですね。

その他の回答 (3)

  • juyjuy
  • ベストアンサー率22% (139/612)
回答No.4

回答No.2のお礼に対する注釈です。 回答No.2の「光年」の「年」は今では「太陽の公転」を基準にせず原子の振動数(一定の条件下での)に基づいた「時計」を基準にして決めていると思います。 これも数年に一度は「うるう秒」というのを置いて地球の自転公転との誤差を出来る限り補正しています。 地球の自転も公転もどんどん変わっていく事が今ではかなりの精度で検出されていますので、「光年」と行った場合の「年は」現密にはいつの年か言わないと正確な値になりません。 「光年」もそういう意味で近似値です。(今は多分「年」はXXXX時間XX分XX秒XX.XX・・一定基準の原子時計で・・という定義がされていると思います。「光年」の単位の測定をする遠方では測定誤差が多いのであまり問題にはなりませんが。) 「光速」は一般相対性理論では絶対的な物差しです。しかし前にも述べたように「重力量子論」ではこれも絶対的なものとはいえないそうです。

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

ありがとうございます。 おかげさまで問題がよく整理できました。 古典的な天文学で有効であった単位も、現代天文学では宇宙年齢の関数になってしまっているということですね。 距離単位(パーセク)=F1(宇宙年齢) 時間単位(年)=F2(宇宙年齢) 宇宙の過去や未来を議論するとき宇宙年齢を必要十分な精度で特定できないと話が合わないわけですね。 また、距離単位を時間単位で除した「光速」だけが固定で、時間と距離は相対的だということは、頭では理解しても、実用上不便です。 物理学では長さや時間はSI単系として宇宙年齢非依存で定義されているので、こちらを使うべきなんでしょう。 けれども、いかんせん天文で実用的な粒度ではないですから桁数が大きくなりすぎますね。 人間の頭が指数計算に慣れない限り円滑な会話ができないです! SI単位系といえども量子力学など使用目的によっては荒すぎるのでしょうから、究極はプランク長、プランク時間にまで分解しないとならないのかと思います。 気の遠くなる話ですが、、、。

  • juyjuy
  • ベストアンサー率22% (139/612)
回答No.3

回答No.2の追加です。 天文単位は前の回答者様が述べておられる通りニュートン力学でも変化します。 このほかに我々の銀河団(我々の銀河とアンドロメダ大星雲ともう一つの銀河(番号しかついていない小さな物です。)が中心となり大小マゼラン星雲などの多数の矮小銀河を含むごく小型の物ですが、これらの銀河は宇宙の膨張より早い速度で近づいてきています。集団をなしている銀河はやがて衝突合体して一つの銀河になります。 したがって(最も近い銀河なので当然ですが)アンドロメダ星雲にはハッブルの法則は適用できません。何千万光年以上の銀河団について統計的に適用できるのがハッブルの法則です。

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

ご丁寧に追加回答ありがとうございます。 ハッブルの法則は、観測可能な宇宙のかなたを議論する時に考慮するべき法則ということが分かりました。

  • ponman
  • ベストアンサー率18% (214/1127)
回答No.1

>パーセクの元になる天文単位も宇宙の膨張に伴って長くなっているからです。 なりません。天文単位は、太陽の質量欠損により、小さな値を取るようになります。

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

ありがとうございます。 その場合、1億年後の測定でr1がn1パーセクだったとすると、 r0=n0パーセク r1=n1パーセク となり、 (r1/f0) < (n1/n0) となってしまい、 やはり、パーセクと言う長さ単位は前後で一貫性が無く、役に立たないことになりませんか?

関連するQ&A

  • 宇宙膨張説について疑問

    ハッブル天文台で、色んな銀河を観測したところ、観測者から遠くにある銀河ほどドップラー効果による赤色偏移が見られるので、宇宙は膨張している。 というのが、凄く簡単に言えば宇宙膨張説の根拠だと思うのですが、ひとつ疑問があります。 観測者に届く、電磁波は遠くになればなるほど過去のものですよね。 数十億年前の電磁波が赤色偏移してたのは、その当時の事実でしかなく現在はそれがどうなっているのか分からないと思うのです。 それなのに、宇宙が現在も膨張しているというのは、どうして分かるのでしょう? 宇宙は膨張していた。というのなら分かるのですが。 誰か、素人の私でも理解できるように説明していただけませんか。

  • 宇宙の膨張について

    こんにちは。 宇宙のどこでもハッブルの法則が成り立っているなら、宇宙は膨張していることになります。そしてCMBの存在から宇宙一様で、確かに膨張しているのでしょう。 ですが実際に宇宙が膨張しているのなら、どうして太陽系や銀河系が膨張していないのでしょうか? どなたか回答お願いします。

  • 宇宙の膨張

    ハッブルが、遠ざかる他の天体が、実際よりも赤く見えるので、 宇宙は膨張していると判断した(光のドップラー効果)といいますが、 「実際の色」はどうやって知ることが出来たのですか? (見かけの色は観察で知ることができますが)

  • 宇宙が膨張していると最初に言った人は誰ですか?

    宇宙が膨張していると最初に言った人は誰ですか? エドウィン・ハッブルが銀河からの光が宇宙膨張に伴って赤方偏移していることを発見して実証されてようです。 これ以前にこのことを予想していた人はいましたか? 物理学でなくても、神話や宗教書でもかまりません。

  • 宇宙の膨張について?

    最近の天文学では宇宙は加速的に膨張してると本で読みました。 ので、簡単な質問ですがよろしくお願いします。 宇宙の膨張とは宇宙全体が膨張してるのでしょうか?(雑誌などでは宇宙が膨張しそれぞれの(銀河系や星がとうざかるとありました) それとも、断面的な時間の流れでそれぞれの空間が膨張してるのでしょうか? 例えば、離れたA銀河とB銀がとで考えると、同じ時間でそれぞれの銀河が3次元で10センチ膨張すれば、A銀河とB銀河の相対的距離はそれぞれの空間が膨張しても変わらないのでは? 光の速度(1次元)=空間の膨張(3次元の相乗値)が同じであれば、アインシュタインの言う様に普遍なものになるのでは? ただ光が強い重力のもとで影響を受けるのは、その空間が宇宙の膨張速度より違う為ではないでしょうか? アインシュタインが言う様に光の速度はどこからみても普遍なものであるとした考えの中には宇宙の膨張が含まれているのでしょうか? こういう考えはおそらく哲学的な考えるもの以下なものだと思いますが、いまいち宇宙の膨張、光の普遍速度、空間、時間概念のつながりが私には理解できません。 それと、πを使っての公式には意味がないのでは?πは無限な数字であり、πをもちいた公式自体が解をださないものでは?

  • 宇宙の膨張とは

    宇宙は膨張してますが、この膨張によって銀河系の恒星間距離は伸びてるのですか。地球と月の距離は伸びますか。 もっと行けば、物質の原子核と電子の距離は伸びるのですか。 ここまでは伸びてないと思うので、とすれば宇宙の膨張はナニの距離が伸びてるのですか。引力の作用してないモノとモノの間が伸びてるのですか? それとも引力の強弱により伸びる割合が変化してるのですか。

  • 宇宙の膨張と大規模構造に関する質問です。

    宇宙の膨張と大規模構造に関する質問です。 地球から数十億光年離れた銀河からの光は、数十億年前にその銀河から発せられた光であり、数十億年前の過去の姿を今見ているということを前提にした質問です。 遠くの銀河からの光を観測しその赤方偏移から宇宙はビッグバン以降(加速)膨張しているとのことですが、上記前提の通り遠くの銀河からの光は過去の光なので過去には(加速)膨張していたが、現在に近づくに従って膨張する速度が遅くなっている(近くの銀河の後退速度は遅い)という解釈はできないでしょうか。また銀河同士が衝突した形跡のある「衝突銀河(楕円銀河)」が多数発見され、隣のアンドロメダ銀河も約30億年後には我々の銀河系と衝突するとのことです。局所的には青方偏移も見られるとのことですが、ビッグバン以降空間が膨張している中でこのようなことがあちこちで起こるものでしょうか。 またスローン・ディジタル・スカイ・サーベイ(SDSS)等での数十億光年の範囲の宇宙の大規模構造観測結果によりますと、宇宙は内部に空洞(ボイド) を作る泡のような構造をしているということですが、そもそも数十億光年離れた銀河の光は数十億年前の光ですので、今はその銀河の位置も違っているでしょうしすでに銀河自体無くなっているかもしれないと思いますが、そのことも考慮したうえで泡構造になっているということでしょうか。 どなたかお教えいただけますようよろしくお願いいたします。またこれらのことが解説されている書籍・文献等ご紹介いただきたく、よろしくお願いいたします。

  • 宇宙の膨張と収縮

    宇宙の膨張と収縮についてですが、 特に収縮する時に、星や銀河が重力で引きあって、互いの距離を縮めることと、宇宙のサイズは無関係に思えます。 星や銀河がやがて密集するくらいになっても、宇宙空間がそれに追づいして?狭まり それが宇宙の収縮となる?意味が分かりません。 膨張についても同じくそうですが、、 何卒よろしく教えて下さい。

  • 宇宙の膨張についての疑問

    宇宙はビッグバン以降膨張し続けていて、今でも膨張を続けていると言われています。  ただ素人考えでは、そのためのエネルギーはどこから来ているのでしょうか。膨大な広さの宇宙空間そのものを膨張させるだけのエネルギーが何なのか知りたいです。ビッグバンの時の爆発エネルギーがいまだに存在していて、それがエネルギーだとしたら、いまだにビッグバンが終わっていないということになります。  それに膨張を続けているということは銀河同士の距離や、その中にある星同士の距離も遠ざかっていることになると思います。 そうなると地球も他の太陽系の星たちからも遠ざかっているはずです。実際に、例えば太陽と地球の距離やもっと近ければ地球と月の距離は遠ざかっているのでしょうか。それが証明できれば宇宙が膨張していることがハッキリするし、逆に縮まっていれば宇宙の膨張が終わって逆に収縮に向かっていることになると思います。    現代の技術で何億光年先の星まで見えるのか知りませんが、もし今まで見えていた星が見えづらくなってきたり見えなくなったら、それも宇宙の膨張を証明する理論になるのではないでしょうか。    素人の単純な疑問ですが、宇宙が膨張していることが何で分かるのか、そのためのエネルギーは何なのか知りたいです。 よろしくお願いします。

  • 宇宙の大きさと膨張スピードの疑問

    137億光年先の銀河が観測された最遠の銀河として話題になりましたが、いくつか疑問が湧きました。 (1)現在の宇宙の広さが150億光年とされているようで、そうすると銀河系は宇宙の片側から13億光年の端っこに位置しているということでしょうか? そうしますと反対側を見れば単純計算で、13億光年先の銀河しか観測されないということですよね。 そうすると今観測できる片側の果てが見えたり、最も若い銀河等が見つかるはずなのですが、そういった発表もされていないようですし・・ 宇宙の大きさは150億光年より大きいんでしょうか? (2)また宇宙の膨張のスピードは光速と同じかもっと速いといろいろなところに書かれていますが、これも疑問が湧きまして、銀河系が宇宙の片側の果てから13億光年の位置にあるとすると、太陽系が誕生したのが50億年前ですから、宇宙が137億光年の広さに膨張したのは少なくとも50億年以上前ということになりますよね。 宇宙が広がった場所にすぐ銀河は形成されないでしょうから、プラス何十億年はありますよね。 そうすると50億年以上前にすでに宇宙は137億光年もの広さなら、この50億年で、たった13億光年しか膨張していないということになりますよね。 そうすると単純計算で宇宙の膨張スピードは光速の4分の1程度になるということでしょうか? またそのような発表もされていないようなのですが、実際どうなのでしょうか? 宇宙が好きで空を見上げてはこの疑問が頭に浮かびます。 ご存知の方ご教授のほど宜しくお願いいたします。