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計算による結合長の誤差

量子化学の研究でGaussian03で計算を回している者ですが、 HFの6-31G**で計算した原子間の結合長が、実測値よりもやや短い結果(0.01~0.02Å)となっているのですが、その理由を教えていただけないでしょうか? 特にC、O間の結合長が実測値よりもかなり短く計算されています。(0.04Åぐらい) ちなみに計算した原子は、核酸塩基(シトシン、グアニン、アデニン、チミン、ウラシル)です。 また、試しに二酸化炭素も同条件で計算しましたが、やはり実測値よりもやや短い結果となりました。 まだ研究を始めたばかりの初心者なので、どうぞよろしくお願いします。

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回答No.1

HF法では電子相関(分子中で電子が互いに避け合って動くこと)が考慮されていないので、HF法で計算した結合長は、実測値よりも短くなるのがふつうです。 簡単のため、水素分子H2で説明します。水素分子の結合性軌道をσ、反結合性軌道をσ*で表すと、HF法で求めた波動関数ΨHFは  ΨHF = |σσ| のように、ただ一つのスレーター行列式|σσ|で表されます。|σσ|は、2個の電子がそれぞれ結合性軌道σに入っていることを意味します。それに対して、post-HF法(MP2やCISDなどの電子相関を考慮した計算手法のこと)で求めた波動関数Ψは  Ψ = C1|σσ| + C2|σ*σ*| のように、二つのスレーター行列式の線形結合(重みを付けた和のこと)で表されます。|σ*σ*|は、2個の電子がそれぞれ反結合性軌道σ*に入っていることを意味します。 post-HF法では、2個の電子が両方とも反結合性軌道σ*に入っている電子配置を考慮しますから、この電子配置の寄与の分だけ、結合長がHF法で計算した結合長よりも長くなります。そして、ふつうは実測値により近い長さになります。 逆に言えば、HF法では反結合性軌道σ*に電子が入っている電子配置を考慮していないので結合長が実測値よりも短くなる、ともいえます。 水素分子以外の一般の分子でも、理屈は同じです。二重結合や三重結合などの、電子が込み合っている結合では、結合長がとくに短くなる傾向があります。

dikkk
質問者

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詳しい説明をどうもありがとうございました。

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