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砂の器(映画)について、疑問点がいくつか・・・

lemoの回答

  • lemo
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回答No.3

映画「砂の器」は、松本清張の原作をお読みになれば分かりますが、映画版とは全くと云って良いほど別物です。 普通、原作の方が名作と云われる例が多い中、「砂の器」に関しては、映画の方が名作と云う声が多いような気がするのも、原作があまりにも「荒唐無稽」だからです。 松本清張が提唱した「社会派推理」と云うのは、従来の「名探偵が不自然きわまりない犯人が仕掛けたトリックを暴く」と云った、古い探偵小説に反旗を翻した形式で、謎解きよりも、犯行に至った動機に重点を置いた現実的な内容が多いのですが、その新鮮さが大人気となり、たちまちベストセラー作家になってしまったため、きちんと全体の構成を練り上がる時間もないまま書き始めるケースも少なくなかったようで、本格もののように、フェアな手がかりを伏線として順々に書いて行く、と云うような気配りはされていませんし、謎解きとして、読者に100%満足のいくような答えも書かれていません。 書いて行く途中で、何となく、もっともらしい「想像」を推理と云う形で読者に納得させると云う「後講釈風の書き方」もしくは「空想の域を出ていない説明」で終わっている部分が少なくないため、「本格謎解きもの」のような「してやられた感」は少ないのが特長です。 「砂の器」の原作の方は、そうした社会派作品としてみても、犯行手段が、古い探偵小説である海野十三の名作「振動魔」からヒントを得たのではないかと思われるようなSFまがいの突飛なもので、リアリティなど全くない、清張らしからぬ凡作になっています。 映画版は、その原作の「荒唐無稽な部分」を削ぎ落としてしまったため、それなりにリアリティと云うか風格ある作品に仕上がっていますが、逆に、改変してしまったが故に不自然になってしまった部分や、逆に、元々原作では重きを置いていなかった要素が強調されたり(「ライ病」に関する部分は、原作ではとって付けたようにちらりと書かれているだけ)で、映画版でも、随所に不可解な部分が目立ちます。 ただ、「砂の器」に限らず、元々、映像に本格謎解きは不向きと言われていたりもしますし、ミステリ映画の細部の疑問点などは、観客各自の想像に任せると言う風に解釈した方が良いのではないかと思っています。

noname#95698
質問者

お礼

原作を読んでいないのですが、色々と調べていく中で、原作と映画とで違う点がいくつかあるということは知っておりましたが、少しではなくかなり違うようですね。 映画がすばらしく、大変感動しましたので、その後で原作を読むとちょっとがっかりするかもしれませんね。 でも、ぜひ読んでみようと思います。 確かに、「観客各自の想像に任せる」ようなことは、よくあることですよね。 でも、この作品は推理小説(ミステリー映画)ですし、謎解きものとしても傑作と言われているということですから、それなら抽象的な部分をできるだけ減らし具体的に表現してほしいと思いました。

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