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乳牛は食用になりますか?
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獣医師です。一応、「専門家」と名乗ってもバチは当たらない職域で仕事しています。 現在、日本の乳用牛の種付けは99%が人工授精によるものです。ですから、ほとんど全てのオスは、生後数ヶ月で去勢され、"肉用"として肥育されます。統計では「乳用種肥育」としてカウントされています。 ただこの「乳用種」という統計上の区分ですが、ホルスタインと黒毛和種の雑種(F1)も同じ区分に入ることが多いので、実情を正確に反映した統計とは言えないところがあります。 F1は通常、ホルスタインの雌に黒毛和種のオスをかけるのですが、産まれてきた子は見た目も黒毛和種そっくりです。素人さんにはまず見分けが付かないでしょう。肉質もホルスタインと比べると和牛に肉薄するほど良いので、F1の肉を「黒毛和種」と騙して売って逮捕されるような輩が出てくるわけです。 話が余談にそれましたが、ホルスタインの雌子牛は、育成されて15ヶ月齢くらいで種付けされます。すると初産分娩が24ヶ月齢くらいになり、それから数回のお産を経て「廃用」となるわけです。 廃用になった雌牛はやはり肉になります。 ただ、廃用になった搾乳牛は肉量も少なく肉も堅くとても不味いので、普通に「食用」となることはあまりありません。たいていはミンチの材料など、「加工用」の肉になります。 普通に肥育された雄(去勢)は、スーパーなどで売っている最も安いクラスの「牛肉」になります。なので生肉に牛乳の香りが付いているというのは気のせいでしょう。 なお、オス全体からするとほんのごく一部の種雄牛も、その役目を終えると「肉」になります。 ただ、このオスの肉は廃用メス以上に堅くて不味くて、まず食えたモノではありません。なので彼らはペットフードなどの原材料に、というのがお決まりのパターンです。 黒毛和種もまあ基本的に同じです。 ホルスタインと違って黒毛和種のメスは「子牛を産む」ことだけが仕事で、ホルスタインと違って牛乳を出す必要はありません。というか自分の生んだ子が飲む分だけ乳を出せば良いわけです。 なので自分が産む子牛がたかが40kg程度なのにピーク時にはへたすると60kgもの乳を出してしまうホルスタインと比べると、生物として無理をしていない分、ずっと長生きです。ホルスタインは平均すると3~4歳で「廃用」になってしまうのに対し、黒毛和種のメスは10歳くらいは当たり前にいます。 彼女たちも廃用になる時はと畜場に出荷されて「肉」になります。 普通の肥育に比べるとやはり不味いのですが、それでもデキが悪いF1並みの値段で売られていることはあります。 とても不味くて人間が食える代物ではない、というのは黒毛和種の種雄牛もやはりそうです。 ただ、黒毛和種の種雄牛は、必ずしも「肉」になっているとは限らないかも。 牛の遺伝資源的な価値って、メスよりオスが圧倒的に高いのです。 メスは頑張っても生涯に10頭くらいしか子孫を残せませんが、オスは何十万頭という子孫を残せますから。人工授精ですからね。 なので牛の育種改良はオスが基本です。父系で遺伝系統を造成するわけです。 そこに非常に肉質が良い遺伝的要素を持った牛が現れると、その牛は莫大な経済効果をもたらします。そんな牛を用が済んだらぽいっと肉にする(しかも肉としては値が付かない最低ランク)のは・・・ 昔、とある県の県有牛で凄まじいまでの好成績をたたき出した種雄牛がいました。その牛のおかげで、その県は一気に「高級和牛の産地」として世間一般からも認知されるようになり、その経済効果は80億円にものぼったそうです。 その牛が死んだ時は県葬を出したそうです。マジで。副知事あたりが出席したとか。今じゃ銅像も建ってますしね。
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- KGS
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普通に牛肉として出回っています。 国産牛と和牛という違いです。 http://www.nstimes.info/12-2005/food_label.html
過去にコックをしておりました。 俗に「ホルスタイン」と呼ばれ(そのままの呼び方ですが)、普通に食肉用として流通しております。 生肉は、牛乳の香りがついております。
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